木の中のドアをあけると、次の木が現れて
木の中のドアをあけると、次の木が現れて
また、ドアをあけると・・
こんどは、紫色の花畑が木の中に広がっていました。
アルバは、見ながら「ラティフォーリアの花畑にそっくりだね」
ラキアもルシアも懐かしそうにうなずきます。
アマンが「似ていますね。実はここが夕焼けの世界との
時空の道がある場所です。秘密の場所になります。
ここを通過できれば、時間の差がなくなるのです。
しかし、うまくいくときが少ないのです」
声を潜めて言いました。
「時の差がなくなるんですね。
僕と夕焼けの世界と時間と時を刻むと関係があるかもしれないね」
アルバが真剣な顔でかんがえています。
そして、その後、再び木の扉をあけると
赤いじゅうたんが敷き詰められた
宮殿みたいな部屋になりました。
そして、そこにあ大きな扉をノックすると
王様のおつきの人が出てきました。
「アマンさまたちでしたか。どうぞ」
部屋に入って、奥へいくと
王様がのんびりと肩のオウムみたいな
大きな鳥にはなしかけていました。
振り返って、うれしそうに言います。
「お~ルシアか。目覚めたんだね。
私を覚えているかな。君の父親だよ」
優しいひとみでルシアを見ています。
ルシアは急に涙があふれてきて
立ち止まってしまいました。そして
「お父さまなのですね。
同じシルバーの髪で赤紫色のひとみ。
私は、お父様に似ているのですね。
ずっと夢みていました・・・
自分が生まれた世界をみてみたいと・・・
そこでは同じ髪の人々が集っているのだろうかと
考えたこともありました・・
こんな風に戻ってこれて、うれしいです・・
でも、何も覚えていないのです・・」
泣きながら話すルシアです。
王様は、嬉しそうにルシアの手をとって言いました
「無事に戻ってきてくれてありがとう。
この世界で2歳まで育ったのだよ。
私にも似ているが、おまえは亡くなった母親にそっくりじゃ」
アルバは、ルシアの泣いている顔を見ながら、
やはり胸がどきどきするのでした。
切なくてきっとルシアは、
夕焼けの世界に戻らないと感じていました。
喜ぶべきことだけど、胸がチクチクと痛いのです。
うつむくアルバの横で、ラキアが言いました。
「夕焼けの世界の思い出は、忘れないから。
心配しないで。いつだって僕ら3人は親友さ」
そのとき、王様の護衛の一人が、近づいて
「緊急事態です。この隠れ家が黒風軍に見つかったようです。
あそこにひとり侵入者が」
目の前に急に大型スクリーンが現れて
大きな木のドアに気づいて侵入しようとしています。
「防ごう。虹を描いてあげよう」
そういうとその侵入者の目の前に虹の橋ができました。
そこで侵入者は、びっくりして立ち止まっています。
ドアが消えて虹の橋がでてきたからです。
迷いながら、虹の橋をわたりはじめると
幸せな顔になってそのまま、元の道にもどって
かえっていきました。
王が「うん、忘れてくれたようだ。
これでしばらくは大丈夫じゃ
虹を描いたままにしておこう」
そういいました。
周りのおつきの方たちもほっとしている様子です。
その様子を見ていたルシアが聞きます。




