やがて、虹のドームが開きはじめます。
やがて、虹のドームが開きはじめます。
ラキアが詠います。
「虹よ。空よ。われらはひとつ。
ともに境界を越えて風にのって飛んでいこう♪
まるく円になったラキアたちは、飛びながら
虹のドームから虹風の世界へと入って行きます。
すると、少しずつ結界が再び閉じられようとしていました。
歌を聞いて恍惚状態の将軍が、
はっとして気づきます。
「突撃だ」
急いで、まだ開いている入り口に向かって
黒風軍が複数飛びこみます。
しかし、その様子を見ていた虹風軍が、
光線銃で応戦します。
ラキアたちも、光線銃で狙われます。
「ちがう、われらは、空風王家のものだ。
虹風の王に合わせてほしい」
ラキアが言いますが。
虹風軍には、まったく聞こえていません。
虹風軍の大きな光の攻撃で
ラキアたちが撃墜されると思った瞬間・・・
急にルシアの髪が虹色に輝きだしました。
そして、赤紫の瞳が濃い紫色に変化して輝いています。
すべての攻撃を瞬時に防ぎ
虹色の大きなしゃぼんだまみたいな空間に
包まれながら、みんなは宮殿へとゆっくりと降り立っていきます。
中でルシアは気を失っています。
予想マシンとラキアが支えています。
怪我をしかけたアルバは、
カイアに支えてもらっています。
それを見ていた虹風の王は、叫びます。
「攻撃するな。
あれは、我が娘だ。
行方不明になったルシアに違いない。
あの髪と瞳は、我が虹風の王家の証だ。
生きてくれていたのか。
護衛のアマンも消えてしまって
どうなったんだと思っていたが、
しかし、急激に成長しているようだ。
異世界にいたのだろうか?」
動揺する虹風の王です。
「ルシアさまは、まだ、2歳でした。
行方不明になられたのは15日前です。別人では?」
付き人が言います。
「いや、あれは、ルシアだよ。
同じ顔だ。母親にそっくりだ」
「確かにお亡くなりになったお后さまに似ていますが・・」
そんな中、目の前に、ふんわりと
目の前に降り立ったラキアたちです。
すっとシャボン玉みたいな空間が消えると
予想マシンが、はっきりと言いました。
「王さま、ルシアさまを連れて戻りました。アマンです」
びっくりした王は
「お前が・・アマンなのか、
今は、魂なのだな。この中にいるのか。
・・・・
やはり、ルシアであったか・・」納得します。
「はい、時間の流れが違う世界にいましたので
ルシアさまは、今は17歳になっていらっしゃいます」
感慨深げにうなずく虹風の王です。
そのとき虹風軍が言います。
「黒風軍が複数進入してしまいました。
われらはあとを追います」
「よろしく頼む」王が言います。
「では、こちらで休んでください。
みなさまもごいっしょに」
優しそうな女性の付き人がいいました。
「ミーヤ、ありがとう」
予想マシンが言いました。
「やはり、アマンさまでしたか。ご無事で何よりです」
気を失っているルシアを予想マシンが抱えていきます。
「確かに、いや無事ではないかもしれないが・・
魂のみになってさまよっていました。
このロボット内にうまく入れたのは幸運ですよ」
予想マシンの中のアマンはいいました
やりとりをびっくりしながら
聞いているラキアやアルバとカイアです。
急いでいっしょについていきます。
部屋に案内されたみんなは、ほっとくつろいでいます。
ルシアは、元のシルバーの髪に戻っていますが
気を失ったままです。
それを見ながら、静かに予想マシンが話し始めました。




