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僕ら3人は、ラティフォーリアの花畑にも

僕ら3人は、ラティフォーリアの花畑にも

よく遊びに行っていました。


このラティフォーリアの花畑は、どこまでも

どこまでも、続く紫の花の海のようでした。

甘い良い香りがする中で、僕らは、かくれんぼを

したり、近くの草むらに寝転がって

流れる雲を明るい間中、いつまでも眺めながら

将来の夢を語るのでした。


僕の夢は、もっといろんな役立つ便利な

発明をすること。


ラキアは「僕の夢は、面白い文章を書いて

たくさんの人が楽しくなって笑ってくれたらいいな」

空を見ながら、語ります。


ルシアは「私の夢は、自分のふるさとの世界を見つけてから

いろんな世界を旅したいわ」目をきらきら

輝かせながら、僕らに語るのでした。


ルシアの赤紫に輝く瞳を見つめていると、僕も遠くの

知らない世界を旅したくなるのです。

ラキアも、そう思っていたのかもしれません。


ルシアの夢を聞くたびに

「僕もいっしょに旅して吟遊詩人になろうかな」と

ラキアは、冗談みたいに笑いながら言うのでした。


そんなラキアを見ながら、うらやましく思っていました。


なぜか、僕は、ルシアに僕もいっしょに

旅したいと言う事ができなかったのです。


言おうとすると胸がどきどきして、

まっすぐにルシアの目を見ることができなくなります。


意識すればするほど僕の顔は赤くなる一方でした。


そんな僕をじっと見つめて、まるでお姉さんみたいな表情で

「アルバ、大丈夫?顔が真っ赤よ。外の空気に触れすぎて

熱が出たのかしら」おでこに優しく手をおくのです。


僕の顔はますます赤くなっていき、あの日は

本当に熱を出してしまいました。


心配したラキアとルシアが、両脇からかかえて

家に連れて帰ってくれました。


それから3日間熱が出て寝込んでしまいました。

寝ている間、ラキアとルシアが毎日看病してくれました。


ふたりとも優しいんです。


僕は幸せものだな・・

しみじみ思いました。


僕は、あまり長い時間花畑にいないほうがいいのかな?


でも、なぜ、こんなに胸がどきどきするんだろう。

まるで心臓が飛び出しそうだよ


16歳のあの日まで、僕はこの体と心の変化の

理由がわからなかったのです。


夕焼けの世界では、16歳は、夕焼けスクールの10年生です。


アルバもラキアやルシアといっしょに毎日スクールに

通っていました。


たいてい3人で過ごしていましたが

他の友人も少しずつ増えてきていました。


16歳の誕生日のときのことです。


本当の誕生日はわからないから、フォーリア長老が

見つけてくれた日が、僕の2歳の誕生日になっていました。


それから、14年もたったわけです。


スクールの友人たちもいっしょに

僕らは、住んでいる紫の木の館の部屋に

集まっていました。


ラキアが「アルバ誕生日おめでとう。僕が作った詩を

プレゼントで読むよ」そういって、読み始めた詩は


「16歳のアルバへ


気づけば、君がいつも側にいて

泣いてた僕を慰めてくれたね。


いっしょに、いたずらして

怒られて、走って、逃げて

笑って、踊って、歌って・・・

いっしょの時間にありがとう。


発明家のアルバへ


君の発明品で、僕は何度も助けられて

笑って、創って、壊して、遊んで、また創って

いっしょに発明の瞬間を見せてくれてありがとう。


そして、生まれてきてくれてありがとう。」

響く低い声のラキアの言葉に

僕は、すごくうれしくて、思わず泣いてしまって

ラキアに抱きついていました。


その様子をみていたみんなが

「おめでとう~」といっせいに

拍手をしてくれました。


僕は、なんて幸せものなんだ・・

そう思っていると・・・


次にルシアが「アルバ、お誕生日おめでとう。

はい、これは私からのプレゼント」

そう優しく言って、木でできた美しい

ペンケースをくれました。


あまりにうれしくて、僕は、急にうまく話せなくなって

ぶっきらぼうに「あ~ありがとう」と

言ってなぜか逃げ出してしまいました。


なんということを・・


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