アルバが「やってみないとわかりませんが
アルバが「やってみないとわかりませんが
予想マシンに過去を思い出す機械を取り込めるように
できるかもしれないのです。未来のデータより
過去のデータのほうが、案外見つけやすいかもしれないです。
ただ、夕焼けの世界と同じ物があればですが・・」
そう言いました。
カイアが聞きます「どんな物なのですか?」
「ここでは、ちょっと・・」アルバが言いよどむと
気づいたカイアが、他の空風の人たちに合図を送ります。
すると空風の人たちは「じゃあ、我々は、見回りを
してきますよ。カイア、あとはよろしく」
そういって部屋をぞろぞろと出て行きました。
「では、アルバさま、詳しいことを教えてください」
カイアが静かに言いました。
アルバは、うなずきながら、
おもむろに予想マシンの背中を開けて
うす紫色の石を取り出して見せながら
「こんな石なんですが、夕焼け石と呼ばれているから・・
あ、だめですね。空風の世界の似たような石でないと・・
夕焼け石だと、夕焼け石の時空のデータになってしまうから」
困った顔になりました。
「そんな石があるんだ。もしかしたら、空風の世界にもあるかもしれない」
とラキアが言います。
ルシアが急に「もしかして、ソルーがそうなのかしら?」
そういいました。
すると、ソルーが答えます。
「時空石ですか。私はラキアの守り石なので違うのですが
確かに時空石は、どの世界にも存在します。
あなたは時空石を読み取る機械を作れるのですね?」
アルバが「そう、読み取れる機械が作れる。
だからこの空風の世界の時空石が手に入れば、きっと
ラキアの過去のことも、空風の過去もわかるはずなんだ」
カイアが急に「
しかし、予想マシンは、先ほど
空風の世界の未来も予想してくれましたが、なぜでしょう?」
アルバが首をかしげながら
「確かにそこは不思議なんです。
どうなっているんだろう?」
考えています。
予想マシンの様子がおかしいことに、
ルシアとラキアは気づいていました。
アルバは、ゆっくりと予想マシンに向かって話します。
「予想マシン、よく考えたら
君は、夕焼けの世界にいたときから、
この世界のこともわかっていたよね?
もしかして、君の中には、この世界か別の世界の
誰かの魂が入っているんじゃないかな?
正直に答えてほしい。君はいったい誰なんだ?」
そわそわして落ち着かない様子の予想マシンです。
困ったように、空を見上げています。
そして話し始めます。
「アルバ、私には、この世界の時空石のある場所が
わかります。その場所へ案内します。
そして空風の世界の時空石を私の中に組み込んでください」
しばらく沈黙する予想マシンに、
アルバが話しかけようとすると・・
再び予想マシンが話し始めます。
「私には、この空風の世界の過去は、わからないのです。
私の中には、というか、私は、ある理由があって
まだ、名乗れないのですが、あなた方を助けるために
夕焼けの世界にやってきた魂です。
入れ物が見つからず困っていたときに、
ちょうどアルバ、あなたがこの体
予想マシンを作ってくれました。
おかげで、私は存在できて意思を伝えることができています。
感謝しています。
どうぞ、私のことを信じてください。
風の世界が平和になるために、お役に立てるはずです」
予想マシンは、話し続けます。
「時空石の場所は、空風の果てにあります。
虹風の世界との境界なのです。
そのあたりにも黒風軍が見張りをおいています。
かなり危険な状況です。
ですから、覚悟は必要です。
平和になったときには、私も名乗ることが可能になるでしょう。
そのときまで存在できればですが・・」
予想マシンがそういいました。
聞きながら、アルバが
「そうか。やはり、君は風の世界の魂なんだね。
もしかしたらと思っていたよ。わかった。
じゃあ名前は、そのまま予想マシンでもいいかな?」
少しおどけた感じで言いました。
予想マシンが、「もちろん、予想マシンのままでいいですよ」
「アルバ、ありがとう。
今まで隠していてごめんなさい。
みんなもごめんなさい」
ほっとしたように言いました。
「じゃあ、さっそく時空石の場所を教えてほしい。
そうすればラキアの記憶がすべて蘇る気がするんだ」
アルバが静かに言います。
ラキアが「予想マシン、アルバ、ありがとう。
僕もその場所にいっしょに行くよ。
再生の歌を思い出してすぐに歌わないと、
このままだと壊滅してしまう」と言いました。
カイアが「私もお供しましょう。
虹風の世界との境界はかなり危険です。
空風の住人は、ほとんど残っていません。
黒風軍が支配していて虹風の世界に入ろうとしていますが
強固な結界が張られていると聞いています。
何度か助けてもらおうと
我々も虹風の世界の王に呼びかけましたが、
通信もできないようになっていて、
虹風の世界の様子はまったくわからない状態です。
結界を破って、すでに黒風に支配されている可能性もあります」
苦しそうに言いました。
ルシアが「私も行くわ。あの助けたいの。
うまくいえないけれど、たぶん私はそこへ行く必要があると思うから」
しかしラキアが
「いや、危険だから、この避難所で待っていてほしい。
避難所の人々の手伝いをしてほしい」
そういいました。




