アルバの側に着地します。
アルバの側に着地します。
手をつないでいるルシアと予想マシンをみて
アルバは、ひそかに、あ~僕が手をつなぎたかった。
予想マシンに先を越されたと思っていたことは内緒です。
「やぁ。飛べたんだね。良かった。迎えに行こうと
思っていたんだよ。まさか、もうくるとはね?」
笑いながら、言いました。
ルシアは先ほどのことを忘れないようにと
「あのね。私、ずっと昔もこうやって誰かと手をつないで
空を飛んでたみたい。思い出しかけているの。
たぶん、ここに来る前だから、2歳くらいか、もっと前よね」
「え~。ほんとに?。ということはルシアにも
羽があったの?もしかしてラキアと同じ世界?」
アルバが疑問を次々に投げかけると・・
「まさか、髪の色も目の色も違うし、羽は生えていないわ。
残念だけど・・もし、ラキアと同じ世界なら良かったけれど」
寂しそうにいうルシアです。
アルバは、「あ、ごめん。そうだね。じゃあ、違う世界だけれど
空を飛べる世界の住人ってことだよね。大きな手がかりになると
思うよ。そうだ。予想マシンが何か予想できるかも?」
予想マシンのほうを振り返るとなぜか震えています。
ロボットが震えるって?なぜだろう。
アルバが心配していると
「あ~こわかった。空を飛べる理論はわかっていて飛べる予想は
できていたんですが、どうも私は飛ぶのが苦手みたいです。
いや、ルシアが無事でよかった」と言う予想マシンです。
「ロボットでもこわいんだね?」アルバが言うと
「はい、予想外でした」笑う予想マシンです。
「予想マシンって、自分の意思や気持ちがあるから
きっと怖いとかも感じるのね。すごいわ」
ルシアが妙に感動しています。
「作ったばかりのころは、感情とかなかった気がするし
僕の技術でそういうところまでは不可能なはずだけど
しかし、すごいな。成長するロボットなんだね。君は」
笑っています。
「そうだ。予想マシン。過去のことはわからないのかな?
ルシアが空を飛んでいた世界のこととか」
「すみません、未来予想が得意なので・・
そういう機能はつけてもらっていませんから」
予想マシンが言います。
「そうか。僕だな。過去を見れる機能も作れたらいいんだな。
帰ったら作ってみるよ」アルバが力強くいいました。
そんなアルバを見ながらルシアは、
「アルバって、すごいね。天才的な発明家だね」
嬉しそうに言いました。
「ありがとう。とりえだね。さぁ、もっと練習しようか。
また、元の小山に戻ろう。今度は僕と手をつなごうよ」
夜で暗いからか、だいたんにもアルバは言いました。
ルシアも「そうね。いっしょに練習しましょう」
ほがらかに言います。
予想マシンが「アルバも大胆になりましたね。
失恋して良かったですね。しかし、私も手をつながないと
怖いのです。アルバ、私ともつないでください」
といいました。
アルバとルシアが大笑いをしています。
なぜ笑うのかよく理解できない予想マシンでしたが
仲良く2人と1体は、手をつないで月夜の空を
ふわりふわりと飛びます。
飛ぶのが楽しくて楽しくて、それぞれが
夕焼けの世界の夜空を思う存分
味わっていました。
そのころ、何気なく満月を眺めていたラキアは
思わず、目を見張りました。
今、確かにアルバとルシアと予想マシンが空を飛んでいた。
見間違いか?いや、ありえる・・・
なぜなんだ。なぜ、ルシアも飛んでいるんだ?
アルバが何かしゃべったのかな?
仲良く手をつないでいるのを見ると
急に憤りを感じてしまって・・




