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そのころ、ラキアは、自分の部屋で考えていました。

そのころ、ラキアは、自分の部屋で考えていました。

みんなの恋心、うまくいかないね。

僕も、いつか誰かに恋をする日がくるんだろうか?


ふとルシアの姿が浮かび・・それを打ち消しながら

僕は、本当に、またこの世界に戻ってこれるんだろうか・・


手紙を読み返しながら、その中に封印されていた

風の世界の記憶が自分の中に広がるにつれ

不安な気持ちになるのでした。


風の世界は、まだ危険な状態なんだ・・

黒い風が吹き荒れ続けている。


風の世界で成長する前に僕は殺されそうになったから

時間が早く過ぎる虹の世界につれてこられるはずだった

でも、結界が間違ってこの夕焼けの世界に開いて

予想より早く僕は17歳になって戻る・・・


夕焼けの世界は、かなり時間の流れが速い。

風の世界の10日が、こちらの10年だ。


ということは、もしも、僕が詩詠人うたよみびととしての

力があるのなら、危機を救うのに間に合うはずだ


助かる命も多いはず・・

そういう点で、間違って夕焼けの世界にやってきて

良かったっていえるのかな・・


アルバやルシアに会えたし、うん、すぐになくなるはずだった命が

17年間も楽しめたって思えば・・悔いはないかな。


***


この手紙に記された記憶を読み取って、解決法を考えるんだ。


僕には、僕しかできないことがある。


ラキアは、そう思っているといつしか寝てしまって

夢を見ていました。


黒い風、君は、黒い風の世界に戻るほうが幸せなんだ

ここ空風そらかぜの世界に、きても

君たちの願いは叶わない・・・


君たちが探す湧き出す泉は、ここにはないんだ。

なぜ、気づかない。なぜ、探す

なぜ、空風の民を傷つける。


僕は、詠う(うたう)・・空風の世界の詩を


そして、君は詠う・・黒風の詩を


詩は、舞う、風の世界を・・・

空風、黒風、そして・・・白い風


はっとして、目を覚ますラキアです。

今、見た夢、メモしておかなくちゃ

たぶん、解決の鍵になるはずだから。


この手紙を読むたびに、不思議な夢を見る

もう、これで何回目になるだろう。

毎回夢は違っている・・


黒風というのが、敵なのか、それとも・・

何かにあやつられているだけなのか・・・


大きな黒い木があるあの場所から、

黒風の世界の軍が押し寄せてくる

危ない・・・逃げて・・・


僕は、叫ぶ、母も父も倒れてしまった

僕は・・・助けて・・誰か・・・


ふっとまた目が覚める・・・

きっとここに来る前の出来事だ・・


黒風の軍にやられたんだ・・

空風の世界のみんなは、生きているんだろうか・・

9日半しかたっていなくても、もう・・

みんないないかもしれないじゃないか


それとも、17歳になる前に戻れば

少しでも早く戻れば助かる人も増えるんだろうか?


僕にそんな力があるんだろうか?

僕の今は、夢を見ることと、詩を詠むこと

詩詠人うたよみびとって、もしかして

未来を詠むんだろうか・・


もし、そうなら、平和な空風の世界。

風の世界を詠みたい・・・




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