表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/44

アルバの初恋と冒険

夕焼けの世界のアルバ


ここは夕焼けの世界、紫色のラティフォーリアの花が咲く

美しい世界です。


人間界の夕焼け空の浄化作業の仕事をしている

紫の木の館に住む20歳のアルバは、今、大忙し。


夕焼けの世界の結界の自動制御装置がこわれていて、

違う世界から、いろんな人が

この夕焼けの世界に迷いこんでしまっているから。


迷い込んだ人々を毎日助けながら、装置を直そうとしながら

なぜか、遠い過去を思い出していました。


アルバは紫の髪で紫の瞳です。背がかなり高くて、鋭い瞳で

彫刻みたいにきれいな顔立ちをしています。


・・・アルバの回想・・・


もしかしたら、僕も違う世界の者だったんだろうか?

いや、この目の色と髪の色は、夕焼けの世界人の証だから。

じゃあ、両親は、間違って他の世界に行ってしまったんだろうか・・

それとも・・


僕がここにやってきたのは、たぶん2歳くらいのころらしい。

当時も、結界の自動制御装置がこわれて、他の世界にいってしまったり

他の世界の人が夕焼けの世界に迷い込んでしまったり・・

大変だったとフォーリア長老が話してくれました。


そうです。


フォーリア長老が、この家の前でおなかをすかせて

泣いていた僕を見つけて、ひきとって育ててくれたんです。


僕は、孤児。


両親の顔は知らないけれど

優しいフォーリア長老と奥さんのレイティに育ててもらったから

幸せな日々です。


それに、僕だけじゃなくて、ルシアもずっとそばにいたから

寂しいと感じたことはなかったんです。


ルシアは、シルバーの長い髪で赤紫の瞳の聡明な少女です。


彼女の赤紫の瞳がゆれるとき・・僕の心も

いっしょに揺れ動くんだ。


まるで、彼女の目の中に僕の心も存在するかのようなんです。


彼女も、両親がどこにいるのかわからなくなっていました。

たぶん、他の世界の住人だったのでしょう。目の色が独特でした。


ほぼ同じ時期に、フォーリア長老夫妻に見つけてもらって

僕とルシアは、ずっといっしょに育ちました。


そして3年後に僕とルシアが5歳になったころ

同じ5歳のラキアが、この家にやってきたんです。


それから僕ら3人はずっといっしょでした。


ラキアは、空色の髪で空色の瞳なんです。

まるで風の妖精みたいな華奢な男の子でした。


でも、その華奢な体に似合わず、面白いんです。

いつも僕やルシアを笑わせてばかりいました。


あのころは、毎日、いろんなことで笑っていました。

楽しい日々でした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ