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オヤジ2  作者: 矢島大佐
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第4章2

 伊東等も双眼鏡でオレ達を見張ってるから、わざわざ言わなくったって判ったみてぇで、海軍道路のアスファルトの上を、こっちに向かって駆けて来る。

 奴等が到着するまで、幼稚園バスの窓から身を乗り出した中島と平岡が、追いかけて来るゾンビ野郎を始末してた。

 オレの方もバッテリーを片づけたりして、車内を整理したんだが、アクセルを放したらエンジンが止まっちまいそうでハラハラしたぜ。

 …そうこうしてるうちに、伊東とアメちゃんがバスに乗り込んできた。

 足を引き摺る三上の奴と、ノッポの城戸崎が遅れてる。

 …どこから現れたのかゾンビ野郎が五、六匹、三上達の後を追って来てたから、今にも食い付かれちまいそうな状況よ。

 オレは、バスの窓からレミントンを突き出して、腐れ野郎を狙ったけど…、こっちの腕前も怪しいうえに、散弾が仲間に当たっちまうかも知れねぇから、引き金なんか引けやしねぇ。

 「早く来い」って、でっかい声で叫んでみたけど、M16を必死に乱射するノッポ野郎にゃ聞こえなかったみてぇだ。

 …そのうち、工業団地の方からゾンビの援軍が押し寄せてきて、かなりヤベェ状況になっちまった。

 オレも狙える範囲で、腐れ野郎に散弾銃をぶっ放した。…八発しか入らねぇ弾倉だから、弾込めの時間が歯痒くってしょうがねぇ。

 バスの昇降口に陣取ったランボー平岡が、マシンガンを乱射しながら逃げ遅れた奴等を援護してるが、ゾンビの群れは増えるばかりで、こっちも逃げ道を塞がれそうだ。

 オレは、三上達が囲まれちまう前に、どうにか助けてやろうと思って、海軍道路の方にバスを前進させたのよ。

 伊東の野郎は、「構わず逃げろ」って言ってたが、噛まれたって見捨てねぇのがオレ様の主義だ。聞こえねぇ振りして何匹かのゾンビ野郎を跳ね飛ばしながら、逃げてくる奴等の側に近づいた…。

 …畜生!遅かった。…自動小銃持った城戸崎の腕にゾンビ女が、ぶら下がってやがる。

 三上が腐れ女の頭を九ミリ拳銃で撃ち抜いてたが、肉を抉り取られたノッポ野郎の腕から滴り落ちた赤い血が、アスファルトの道路に点々と斑模様を描いてる。

 幼稚園バスの折り戸になった昇降扉から飛び出したランボーが、城戸崎と三上の側に走り寄る。

 平岡は二人を抱え込みながらバスに戻ってきたが、後方から詰め襟姿の学生ゾンビが追って来た。

 ゾンビ野郎はバスの扉が閉まる寸前に両手でドアを押さえると、汚ねぇ顔を車内に押し込んで来やがった。

 オレは構わず、頼りねぇエンジンが止まらねぇように、クラッチを滑らせながら繋いだのよ。

 しぶといゾンビ野郎は、バスに引き摺られながらも、車内に乗り込もうと足掻いてやがる。

 バスの床にぶっ倒れたままの三上が、ドアに向かってベレッタ9ミリの引き金を引くのが、バックミラーに映った…。

 学生ゾンビの体は、鋭い銃声と共に、アスファルトの道路に転がり落ちて行っちまった。

 …ゾンビ野郎は高校生ぐらいの年齢だったから、幼稚園バスに乗るにゃ年を取りすぎてたんだろう。


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