キューガル
今まで書いていたディスエイトの神剣は続きを書こうにも、何を書こうとしていたのか忘れる、という事態に陥りました。
そこで、この作品を投稿することにします。
中学二年時の生まれて初めての長編作品。
当時の僕は何と言っても字が汚い、文法がクソ。
その上、設定が終わっている。
というわけで、リメイク的な感じで、ここで投稿するに至りました。
面白いかどうかは分かりませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
平和な世界、キューガル。
かつて地球という名の惑星として知られていた世界。
そこには人類という名の、知能に富んだ生物が存在した。
彼等はある時、生命を抱いた鉱石を発見する。
人との会話を可能とし、意志疎通の出来る鉱石。
成分は鉄と同じとされたその鉱石は、「ジェノレイド」と名づけられた。
ジェノレイドによって人類は完全な人型ロボット・アンドロイドの開発に成功。
人間と同じ感情や思考を可能としたアンドロイドは、人権を与えられるようになる。
しかし、アンドロイドは鉱石を越えた自我を持つようになってしまう。
やがて人類と、それに酷似したアンドロイドは、対立するようになった。
アンドロイドが一般市民を殺戮し、軍隊がそれを排除するべく攻撃を開始。
人類とアンドロイドの戦争が勃発した。
ジェノレイドの鉱脈の全てをアンドロイドが所有しており、それを持たない人類は自分たちで作り上げた兵器群で対抗。
戦争の初めはアンドロイド側が劣勢とされた。
人類は次々とジェノレイドの鉱脈を奪還し、従来の兵器をジェノレイドによって生産し始めた。
アンドロイド側は鉄の人間といえど、運動能力は人類のそれとさほど変わらない。
ジェノレイドによって生産された戦車や戦闘機などによって、アンドロイドは一気に戦線を後退させていった。
アンドロイド側の鉱石が底を付き始めた時、突如として隕石がアンドロイド側の領地に落下。
その衝撃によって新たな鉱脈が発見された。
禍々しく輝くその鉱石は、鉄の何十倍もの硬度を誇り、地球上のあらゆるエネルギーを凌駕する鉱石だった。
この鉱石は「サタナキア」と呼ばれた。
この鉱石もまた、完全な破壊の自我をもった鉱石だった。
アンドロイド側は直ちにサタナキアを使用した巨大要塞を建造。
攻めてきた人類を一撃で一掃した。
要塞の破壊力を目の当たりにしたアンドロイド達はすぐさま、サタナキアを使用した兵器の大量生産に踏み込む。
戦車、戦闘機、爆撃機、軍艦、全てにおいて世界の兵器群を凌駕していた。
人類の数は瞬く間に減少し、国家の機能は完全に消滅。
それでも、アンドロイド側の攻撃は収まらなかった。
そればかりか、アンドロイドが新人類として名乗りをあげ、巨大要塞を国家とした、サタナキア帝国を建国した。
それから数十年の内に人類は滅亡し、世界はジェノレイドとサタナキアの世界・キューガルへと変わった。
皮肉にも、人類は自分達が掘り上げた鉱石の力によって、滅ぼされてしまったのだ。
その直後、サタナキア帝国を支配していた新人類に対して、サタナキアで作られた兵器たちがクーデターと共に攻撃を開始。
瞬く間に新人類も滅亡する。
サタナキア帝国と名乗っていた国は国名を改正され、ここにガイアール帝国が建国した。
帝国の者達は新人類の抹殺目的ではなく、ジェノレイドの消滅が目的としていた。
それらを知ったジェノレイドの者達は、真っ向から対抗する決意をする。
世界にあってはならない鉱物、サタナキアの消滅のため、自分達を作り上げた人類の仇を取るため、彼らは国家を形成する。
リベラル王国という国名で建国した直後、ガイアール帝国との休戦を要請。
帝国側もこれに了承した。
すぐさま荒廃した都市の復興に尽力し、軍事強化を図った。
新たな世界の年号は西暦から機甲歴に変更された。
それから数十年の平和が訪れる。
機甲歴196年
両国は以前とは比べ物にならないほどの、裕福な国となった。
王国は荒廃し切った大地を修復し、多数の大都市を作り上げた。
経済、軍事共に優れた国家として大成長を果たした。
機甲歴215年
突如としてガイアール帝国が宣戦を布告。
リベラル王国へ向けて侵攻した。
次々と都市を占領されていくリベラル王国。
それまでの軍事力を駆使して、果敢に抵抗する軍隊。
当初、両国とも一進一退を繰り返していた。
しかし、やがて王国側の後退する回数が増えていった。
首都までも占領され、実質上王国側の敗北は明白となった。
しかし、帝国軍はジェノレイドの消滅を目的とし、国家の戦争ではないとして、攻撃を続行。
国王が捕虜となり、今や僅かなレジスタンスの武装集団が、帝国に対して抵抗し続けていた。
圧倒的な軍事力を持ち、世界を手にしようとするガイアール帝国。
彼らの攻撃は怒涛の嵐の如く止まるところを知らなかった。
日を追うごとに激しくなる攻勢の戦火。
それによって世界は再び戦火へと巻き込まれていく………。
この世界に再び平和が訪れる日は、来るのだろうか………。