序章
この小説は執筆予定中の作品とリンクさせて作っていくつもりです。どの程度かみ合わせるかはまだ完全に考えていませんが、少なくとも舞台設定は同じです。両方読んでいただけると幸いです。
時は江戸。家康が幕府の頃の話。これは幕府を狙う旧豊臣軍のある忍者の話なのである。
その日彼は追っ手から逃げていた。江戸城に進入しているところを見つかってしまったのである。
「くっ。しつこい奴等じゃ。」彼の名は龍助。幕府の命を狙っている。
追っ手はもちろん家康軍。「クックック。奴め、疲れているぞ」
龍助は逃げた。無心で逃げ続けた。「もう半里ほど行けば、草原だ。あそこなら・・・」
「奴め・・・あっちには何もないぞ。クックック袋のウサギじゃ。忍者は何もないところで戦えるか。」
追っ手は8人ほどだった。忍者というのは平地で戦うのは苦手といわれていた。一般的には・・・
「よし、あともう少しじゃ」龍助は草原にたどり着いた。龍助は草原の、ど真ん中のあたりに舞い降りた
追っ手も草原にたどり着きすぐさま龍助を取り囲んだ。
追っ手の一人が口を開いた「クックック。そこまでだ、忍者。」二人目が「よりによって草原のど真ん中にいるとはな。どうもよほど死にたいと見える。」と言った
龍助はただ眉をひそめて黙ったいた。一人目の男が「今すぐ楽にしてやる。おいお前たち、やっちまえ!」その言葉を合図にしたかという風に追っ手は武器を取り出した。
3人は刀を持ち、もう3人は槍。残りの2人は小刀だった。すると龍助が口を開いた「ほぉ、誰も鉄砲を持っていないようだ」
すると最初の男が「貴様を倒すことに、鉄砲など必要ないわ。我々で十分であろう」と言った。
龍助が笑い声を上げると、追っ手は皆怒り最初の男がついにこう言った「おい、お前ら行くぜ!殺っちまえ!」
「おおー」といい龍助に襲いかかってきた。龍助に武器は1つしかなかった。短刀1本である。
まず槍を持った男が、龍助の腹目掛け、切りつけようとした。だが龍助は冷静に対応し、短刀で攻撃を受け流した。
龍助は短刀を、顔の辺りで構え、こう言った「では貴様らに見せてくれよう。我が曽我流符術、雷界符!」そういうと龍助はなにやら言語が書いてある紙を短刀に貼り付けた。
その短刀を地面に突き刺すと、龍助の周りに、電光が発し、ものすごい音とともに、追っ手達は苦しみ次々に倒れてしまった。龍助が辺りに倒れている内の一人が生きていることに気がついた。
その男が、龍助に話しかけてきた。「どうせ死ぬ身だ。貴様の名前と、技について教えてくれ。」
「私の名は曽我龍助。あれは符術という特別なまじないを込めて作るものだ」
男はかすれた声で「始めて見た技だったんでな。ちょいと気になった訳だ。」龍助は「そうか・・・」と言った。
男は笑った感じでこういった。「お前さん。人を殺したことなかったろ?」
「ええ?」龍助はびっくりした。まさに当たっていたからだ。男は、「いや。お前さんの態度を見りゃ分かるさ」と言った。
「さ・・・もうすぐ次の追っ手が来るぜ。今のうちに逃げな。」龍助は男を睨みながら「なぜ敵にそんなことを教える?」と聞いた。
男は笑って「ま・・・いいじゃんかよ、その辺は・・・」男は「礼を言うつもりはない。貴様が勝手に言ったことだ」というと、
男は「礼なんていってもらおうなんて思ってねぇよ・・・お前の言ったとおり、俺が勝手に言ったことだ・・・さぁ行きな。」
龍助は「ああ」と言うと、すぐさまその場所を離れていった。ただその後姿は自分を心配する気持ちがあったように、男の目には映った。