五話
あの人と私は半分幼馴染みのようなものだ。
関わりだしたのは最近だが、姿形、存在は小学校の頃から知っていた。
ただ関わる機会がなかった。
あの人は見た目はなかなかのものだった。
ちょっとひねくれてはいるが、頭の回転が早く、男性なのに話上手で、色素の薄い病弱な人だ。
話すようになってすぐに仲良くなった。
彼はとても楽しい話をしてくれた。
私が相槌ばかりでも上手く話を繋げてくれた。
とても優しい人だった。
でも、時々とても冷たくもあった。
これが俗に言うギャップ萌えかと、この人を見て知ったのだ。
これが、他人に対してあまり興味を持たなかった私の初恋だった。
思えば、当時は誰でも良かったのかもしれない。
私には仲のよい男子など彼しかいなかったのだから、惹かれても当然といえるだろう。
私は初めて自分の感情が制御できず、4日もまともに食べられなかった。
私が思っていた好きなタイプとは全然違うはずなのに、彼のことしか考えられなかった。
それから半年、ずっと彼を見ていた。
彼のことを本当に好きなのかわからなくなった時も一度ではなかった。
恋に恋をしているのではないか?
そう思うときもたくさんあった。
だが、彼と話すときが一番温かい気持ちになったのは事実で、やはり好きなのだと自覚させられた。
近くにいるだけでふわふわとして、心地よかった。
それなのに、私はなんて恩知らずなのだろう。
妹の言ったことが事実なら、きっと彼を傷つけた。