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二話
プルルルル プルルルル
電話がなった。
春休みのため、普段より長めの睡眠時間から引きずり出される。
眠い。
昨日も遅くまでチャットをしていたというのに、なぜ起こされなければならないんだ。
寝ぼけた頭で文句を言いつつ、取り敢えず電話に出る。
「おはよー♪ちぃちゃん♪」
電話からはご機嫌な声。
「おはよー‥‥」
私は掠れた声で返す。
「寝起き?」
楽しそうな声に対して、私は当たり前だろ!と思った。
こいつは今何時だと思っている!
9時だぞ!?
午前中だぞ!?
朝なんだぞ!?
いつもだったら熟睡なんだ!
そんな突っ込みを心に押し込め、
「うん」
とだけ返事をする。
付き合うと決めて次の日、まさか朝から電話をしてくるとは思わなかった。
なんて健康的な奴なんだ。
私は尊敬を2割、迷惑を8割でそう思った。
結局この日、私は12時まで電話から解放してもらえなかった。