仲間探し(その2)
――さて、次はどこを探そうか……。
兵士Bを仲間に加えた俺は、相変わらず城内をブラブラと歩きまわっていた。
「城の外も探してみたらどうっすかぁ?」
兵士Bの提案に、そうだなと頷いてみる。
そう言えばまだ城の中しか回っていないのである。
「城下町にでも出てみるか……」
「仲間探しって、めんどいっすね~」
兵士Bが呟いた、その時だった。
「今の話、聞いたわよ!」
後ろから突然、明るい女の声がしたのだ。
「ひ……姫様!」
声でもう分かっていたのだが、振り返るとそこには確かに国王の娘――姫様がいたのである。
「どしたんすか姫様」
俺がそう訊くと、姫様は金色の髪をなびかせながら答えた。
「私も仲間に入れてほしいと思って」
驚きの発言に、俺も兵士Bも戸惑ってしまう。
――まあ物語の展開からしたら普通なんだけどね。
「そ、そんな、危ないっすよ! ただでさえ手ぶらで帰ったら切腹なのに、姫様連れてって何かあったら、僕ら切腹どころか打ち首になっちゃいますよ」
兵士Bが必死で止めるが、姫様は全く引こうとしない。というか、切腹も打ち首もあまり変わらない気がするのだが。
「あら、ナメないでくれる? これでも私の副業、スゴイんだから」
そう言って、姫さまは来ていた純白のドレスを脱ぎ棄てた。
「ちょ、ちょっと……えええええええ!?」
ドレスの下のその姿に、俺達は同時に驚きの声を上げた。
そこにいた姫様の装備は、頑丈そうな鋼の鎧や、鋭いトゲのついた籠手など、とにかく「ヤバい」装備だったのである。
それだけでなく、むき出しの腕や脚ははどんだけ鍛えたんだと思うほどムキムキだった。
「ちょっ、姫様? 副業って一体……」
「バトルマスターよ」
――ばばばばバトルマスター!???
「副業スゴすぎっすよ!」
「これで入れてくれるでしょ?」
確かにすごいんだけど……バレたら間違いなく死刑である。俺は返答に迷った。
「でも、やっぱり……」
……ガンッ!
突然の音に驚き、姫様のほうを見ると、彼女は壁を思いきり殴りつけていた。そこには巨大なクレーターが……。
「文句……ないわよね?」
『ありません!!』
兵士A・Bの声が綺麗に重なり、この瞬間から姫様が仲間になった。