仲間探し(その1)
勉強してたりネット回線がぶっ壊れたりで、すっかりご無沙汰してました。この回からやっとメインキャラが登場します。グダグダですが読んでくれたら嬉しいです。
「えっ、俺っすか?」
勇者がさらわれた一週間後、王室に突然呼び出された俺――兵士A。
ここでやっと登場。ついでにいうとこのお話の語りやってんのも俺。
「そうだよ兵士A君。君に、勇者救出ア~ンド魔王退治に行ってもらいたい」
――その言い方うざいな……。
「でも王様、もう何日も前に救出部隊が行ったじゃないっすか」
「その部隊が返ってこないから君に行かせるんだよ。まあ先に行ったあいつらはもうこの世にはいないと思うがね」
――怖いこと言うなよ。
「いや、兵士の中から選ばれた者達がかなわなかったんすから、俺なんかが魔王に勝てるわけがないじゃないっすか」
「いやいや、私は君に期待しているんだよ。ぶっちゃけ部隊の奴らは私が適当に選んだのだから、全くと言っていいほど期待してなかったんだよ」
――イヤぶっちゃけてんじゃねーよっ! 勇者救う気あんのかオメーはっ!
「俺には無理――」
「期待しているよ。手ぶらで帰った来たら切腹だから」
――怖っ、なんだこの強引なやり取りは。ってか武士道が混じってねーか?
もう出ていけ的な感じだったので、俺は王室の扉に向かった。
扉を閉める直前、国王のつぶやきがチラホラと聞こえた。
「あいつも――は実験台――どね」
――いやなんか「実験台」とか聞こえたんですけどぉぉぉぉ!!!
そんなわけで王室から出された俺、実は特別な力があるわけでもない、ただの門番。
まあ事件が起こった日は魔王にブルってあっさり通しちゃったわけだから、俺にもちょっとは責任があると思うんだが。
とりあえず何もしないと切腹になっちゃうし、かといって普通に行って殺られるのも嫌なので、とりあえず仲間を探すことにした。
「冒険っつったら4人パーティでやるもんだろ」
という勝手な先入観からである。
といってもどこに行けばよいのかも分からず、城の廊下をぶらぶらと歩いていると、
「先輩! せ~んぱ~い!」
後ろからどうやら俺を呼んでいるらしい声がする。
「そ、その声は……後輩の、光子?」
「違いますよ先輩、どっかのお笑いコンビじゃないんだから」
振り向くと、そこに立っていたのは。
「なんだ、兵士Bか」
「なんだじゃないっすよ。先輩、国王に呼ばれたみたいっすけど、なんだったんすか?」
「ああ、勇者救出ア~ンド魔王退治に行けってさ」
「その言い方はうざいっすね。てかなんで先輩が」
「知らねぇよ。逆らったら切腹だと」
「怖っ、武士道混じってんじゃないっすか」
「ま、だからまずは仲間を集めようかと思っててな。4人パーティがいいから……とりあえずあと二人だな」
「えっ、一人は集まったんすか?」
瞬間、俺は兵士Bにあらん限りの視線を注いだ。
その視線に兵士Bも俺の言いたいことを察知したようだ。
「お、俺っすか?」
「そゆこと。拒否は不可能ってことで。お前にもあの日の責任あるだろ」
事件の起こった日、兵士Bも俺と共に門番をしていたのだ。つまりコイツも魔王を通してしまったのである。
「いや、さすがに兵士二人もいなくなっちゃったら困るでしょ。それにそんな危険な旅行きたく……」
「ところで兵士Bよ。前に国王の大事にしていた壺が割られたことがあったよな? あの犯人は結局分からんかったが、俺見たんだよ、お前が城内の警備中にあの壺にぶつか……」
「行きます行きます! てか行かない訳ないじゃないっすかぁ! ハハハ……」
兵士Bは大量の汗を流しながら必死に作り笑いをしていた。
――後輩の扱いなんてチョロいもんだぜ。
兵士Bが仲間になった。
こういうのって、旅の途中で仲間増えるパターンが多いと思うんですが、勇者でもないただの兵士の場合そんな事やってたら即死だろってことで、ぶっちゃけ最初に仲間全員集めます。
後々、作者の気まぐれで減ったり増えたりすると思います(笑)