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こんな良い女、現実にいるわけがない  ―詰んだ中年男が「取りに行かない恋」で人生をやり直すまで  作者: 早乙女リク


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第17話 私はもう、中心にいない (里緒視点)

 朝から会議が続いていた。


 決めることが多い。

 判断を求められる場面も多い。


 私は、

 いつもの役割に戻っている。



 資料に目を通し、

 意見をまとめ、

 必要なところで口を開く。


 迷いはない。


 少なくとも、

 仕事の上では。



 ふとした瞬間に、

 神崎のことを考えていない自分に

 気づく。


 意識して避けているわけじゃない。


 ただ、

 中心にいない。



 以前は、

 一日のどこかに

 引っかかりがあった。


 連絡が来ないこと。

 何も起きない時間。


 それらが、

 思考の端を占めていた。



 今は違う。


 思い出せば、

 そこにある。


 でも、

 思い出さなければ、

 そのまま流れていく。



 私は、

 それを悪いことだとは思わない。


 生活とは、

 そういうものだ。


 中心に置かれない関係は、

 自然に薄まる。



 昼休み、

 同僚と他愛のない話をする。


 仕事の愚痴。

 近況。

 予定の話。


 神崎の名前は出ない。


 出す理由がない。



 それでいい。


 私は、

 誰かを中心に

 日常を組み立てる立場に

 もういない。



 午後の仕事を終え、

 帰り道を歩く。


 スマートフォンを

 何気なく確認する。


 通知はない。


 それを見て、

 胸が動かない。



 安心でも、

 落胆でもない。


 ただ、

 確認しただけだ。



 私は、

 この感覚を

 ちゃんと覚えておこうと思う。


 神崎との関係は、

 始まっていない。


 だから、

 終わってもいない。


 でも、

 中心ではない。



 それは、

 選択の結果だ。


 彼が動かなかったからでも、

 私が我慢したからでもない。


 私が、

 自分の生活を

 前に出しただけ。



 強がりではない。


 これが、

 私の通常運転だ。



 家に着き、

 バッグを置く。


 一日の終わりに、

 今日を振り返る。


 神崎のことを

 考えた時間は、

 ほんのわずかだ。



 私は、

 それを確認して、

 少しだけ頷く。


 私はもう、

 中心にいない。


 それでいい。


 少なくとも、

 今は。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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