【4話 生還者】
七つの大罪,その真の名前は八つの枢要大罪
故に悪魔は後一人いるのだ,虚栄の罪を司る,
ケト・フランシスやつは殲滅された組織を
再始動するために力を蓄えて居た。
「私が,私がこの組織を再構築するのだぁ!」
「へぇ」
「⁉︎(いつの間に⁉︎ドアは開いてない,何⁉︎)」
「祭壇展開!」
次の瞬間,奴の領域が辺りを侵食して埋め尽くす,非常に広大な範囲を囲い出す,観測範囲内
直径にして約930億光年を越える,観測の外の空間,無限と広がり引き伸ばされた領域を
内包した。
「この領域内に限定されますが,私は事象を!
原因から結果そして至るまでの過程,結果と原因の反転,そう言った因果関係や事象,事象の連続体の因果律を,好き放題に自分好みに書き変える
事ができるのです!」
だがしかし。
「(は?あれなんかこいつ消えなくね?過去に
遡って存在を消したはずなんだが,,,てか
本来なら自動的に行われる他干渉の因果操作が
通用して居なかったし,なんやこいつ)」
「(祭壇って,,,あぁ別称かよ,なんだ,本来のより
西洋風に変えた呼び名で本来は,曼荼羅っつう
展開図形の名前のやつか,地域で呼び名が違う
と聞いたが,へぇマジだったんだ)」
血や肉,魂や知識などの触媒,言わば生贄を必要としている制約または誓約の存在する言わば
条件付きの力の全体像を我が祭壇は必要性を
無に帰す,言わば儀式も術式も必要が無くなる,
それが曼荼羅。
「救い求めて居たのだな,すまなかった,,,慈愛に満ちた極楽浄土に浄化しよう,[禊楔の理/THE・STATE・BEYOND・DEATH]」
ショッダールタが展開したそれは慈悲に満ちて
いた,対象に合わせて手加減して居ても同じ規模の曼荼羅を広げた。
穢れの振るい落とされた魂の領域,そこは
善悪を超越して遍く生命が至る世界,全ての
罪と罰が完全に終了して悔いのない人生を
終えて寿命を満期終了した魂が純化して,
輪廻から浮上することにより至る。
復活や現世に物理的な身体を持ついかなる
手段や概念すら消し去り時間を経過させて
あらゆる記憶,記録,歴史,因果,概念からすら
消し去る力。
強制解脱による超越を与えて対象の魂を
消失させて至らせる能力,それは思考と感覚を
消失して無に至らせる力,それは神道の最終的な結果の強制,それは生と死をなくして無に離散
して存在にも非存在でもなくして世界の糧と
する力。
「君らは知っているか,未練なくして最苦の
修行を超えた僧侶が即身仏と化して解脱した
後の死を超えた領域を」
「⁉︎」
「ありゃ?あぁそうか,領域の押し付け合いで
効果が上書きしあって発動してない,ならば!」
禊楔を具現化した弓によって初めて射ることを
許可される透白としたエネルギーの塊。
浄化を矢型に結晶化した,あらゆる穢れを祓う
正義,希望,神聖の具現化,放たれた矢はあらゆる
悪を滅する光の柱と化す,真っ白な紅蓮の業火は
禍々しく渦を巻く混沌すら蒸発させる。
上弦と下弦の糸が歩み寄る時,その運命を
断ち切る矢を放つことを許可されるだろう。
「曼荼羅[禊楔の理/THE・STATE・BEYOND・DEATH]」内なら無限に放てるように成るのだよ!」
「は?,,,」
次の瞬間,大小無数の光の矢が飛ぶ。
「(死ぬわけにはならない!)」
ケトはショッダールタからの攻撃を避ける,が。
「は?」
もがれた頭の髪をぐしゃっと掴んでいた。
「ふぅ,領域なんざ建前だぜ?まさか体術が
使えないなんて思ってないよな?」
「能力頼りなゴミだったか?まぁ俺の理に
吸収されて力の糧になれや」
こうしてショッダールタがケトを瞬殺したの
だった,奴の領域の因果律の操作が吸収されて
いく。
「ははは!多少は役に立つじゃあないか!」
強化された力は披露した瞬間。
更に広大な規模に曼荼羅が侵食する。
0,1,2,3,,,と無数に数えていかないと到達不可な一番最初の無限,順序数列のω,集合濃度のℵ0
とも呼ばれる領域は先までに到達し得る簡単
な世界だった。
次に今までのショッダールタの本来の性能ならば,順序数列にしたなら,ωの次の無限大ω+1,その次はω+2,ω+2の次はω+3,,,と無限に続いていった先の無限大,ω+ωまたはω×2に行き。
再度無限回工程を繰り返してω^2,また繰り返して繰り返す工程を無限回してω^ω,累乗が繰り返し続けてε0,順序数列では計り知れない為
ℵに言い換える,ℵ0の次元全体を超えてℵ1に
成る,最終的にはℵ980000は行けたが今は
更に拡張された空間を持つ。
同様数え上げられない集合での繰り返しから,
ℵωの領域に達して更に先の極点に達すると
曼荼羅の空間規模は到達不能な巨大基数も
内包可能なほどになって行ったのだ。
下位曼荼羅つまり空間の無数の集合体である上位空間がありその上位空間もまたさらなる上位空間のほんの一部であるような展開が続く想像可能なあらゆる種類の空間を内包する極点無限の空間と化したのだ。
今を持って,下の曼荼羅に対して制限なしに干渉可能となった,例えば,自分の一部が下位空間に囚われたらそれを解除したり,無理矢理放逐
したりなど。
「なんだがふわふわした全能感があるな,まぁ
まぁやつは経験値になったってわけだな」
一方その頃。
「ここは?」
「あぁここはカルトバレー,お前らが訓練する
場所だ」
カルトバレー,初心者が修行に場所である。
過去,現在,未来の無限に分割されたポイントを有する時間軸から,一つ一つ無限に連なる
並行宇宙,そして一つ一つからは無限の可能性
による平行世界線,無限の分岐から更に
二時世界線が無限に,そこから一つ一つ更に
三時世界線が無限にと言う感じに広く無限の
可能性宇宙の存在がある。
また無数の時間軸と無限の空間が複数の次元の中で下位的に存在する,ここまでを基幹構造
として外側と内側にも同様の構造が広がってる,
波紋状に広がる円をイメージしたら分かりやすい。
外側の世界は内側の多元宇宙を無限に内包して,
それに加えてさらに一つ外側の世界に向かう
ごとにそこではそれより内側の世界の構造が
無限に繰り返されている,フラクタル的多重相似構造だと思えばいい,多重構造は内外に無限に
繰り返されている,また更に反射鏡を合わせた
無限反射が繰り返している為回帰するように
内部では無限に増殖し続けている。
「この領域を使うよ,高次元まぁ我々は本来
干渉はできないし一方的に干渉される側なの
だが,第四の壁を超えて意識で知覚してもらう」
ここから皆が視点を向上させられた。
「まじ,,,かよ」
皆はまるで自身が今までキャラクターだった
ように見えたが。
「今から君らは次元を超えてウェイトトレーニングをしてもらうよ」
様々な無限の次元が交差して居て最低限の次元
つまりは1次元またそれ以下の世界すら,一つ一つが無限の質量と体積を持った空間を内包してる,無限の高次元ならその一つ一つの無限の折り重なり合いから形成されて一つの網として
2次元に至る。
その為クソ重たいのだ。
「ふん,ふん,ふん」
更に皆は静止した世界を動くための訓練を
した,真っ黒に染まった世界,自身が光を
越えることで特殊相対性理論の領域,粒子を
離脱したタキオンに至るのだ。
「うぉぉぉ!!!」
皆が強くなって行った,,,そして。
「おいおい見ない間にみんな強くなったなぁ」
ショッダールタが関心しちゃうくらいの
面構えになって居たのだった。