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だから休日もちょっとだけ仕事をしよう
ジレンマは毎日、木を10本切らないといけません。
だからオノを削りに行く時間がないのです。
「川にオノを削りに行ってたら、10本の木を切る時間がなくなっちゃうんだ」
ジレンマは、いっしょうけんめいに木を切っています。
カーン。
カーン。
いっしょうけんめいに、よく切れないオノで木を切っています。
キツネはあきれてしまいました。
「それなら朝いちばんに、川に行ってオノを削ればよかったのに」
「もちろん毎日そうしているよ。僕は山に来たら、まず川に行ってオノを削ってるんだ。それでも5本も木を切ったら、刃がこぼれてしまうんだよ」
カーン。
カーン。
ジレンマは説明しているあいだも、木を切り続けます。
「それなら話はかんたんじゃないか。オノをもう1本買えばいいんだよ」
キツネはしっぽをふりふり、ジレンマに教えてあげます。
「1本目のオノの刃がこぼれたら、2本目のオノを使うんだ。いい考えだろ、そうしなよ」
「とんでもないよキツネさん。オノを買うお金なんて、僕にあるもんか。これだって庄屋さまに借りたオノさ。もう1本貸してなんて言えないよ」
カーン。
カーン。