しかし365日毎日なら働ける
ジレンマは、いっしょうけんめいに木を切っています。
カーン。
カーン。
いっしょうけんめいに、よく切れないオノで木を切っています。
「今日中に、木を10本切らないといけないんだ。あと3本切らないといけないから、川にオノを削りに行く時間がないんだよ」
ジレンマはキツネに説明しました。
カーン。
カーン。
説明しているあいだも、ジレンマは木を切り続けます。
キツネは言いました。
「今日はもう7本でおしまいにしなよ。いまからオノを削りに、川に行きなよ。そうすればオノの切れ味がよくなって、明日からもっと楽ちんに木を切れるようになるからさ」
「ありがとうキツネさん。でもだめなんだ。僕は毎日、10本の木を切らないといけないんだ」
ジレンマは木を切るのをやめません。
カーン。
カーン。
「僕は、庄屋さまから木こりの仕事をさせてもらってるんだ。1日に10本の木を切らないといけないんだよ」
庄屋さまというのは、村でいちばんのお金持ちです。
ジレンマは庄屋さまから、木こりの仕事をさせてもらっているのでした。
カーン。
カーン。
ジレンマは木を切り続けます。
いっしょうけんめいにオノを振り下ろしますが、木はなかなか切れません。
オノの刃がこぼれてしまっているからです。