表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誰が為に春を恋う  作者: 香山なつみ
エピローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

141/143

4 居場所

本日二度目の更新です。



 レティスが魔導師になることで大きな問題は片付いたとしても、それで大団円とならないのが世の常だ。

 人は得てして変化を恐れるものだ。たとえそれが望んだものだとしても、変化することで生まれる新たな歪みは避けようがない。


 三日月の南(スーティラ)出身の、水の魔導師。

 経緯もさることながら、特にその外見から忌避する感情が生まれるであろうことは否定しようがなかった。

 陽に透ける銀髪に、褐色の肌。瞳だけはグレーと紺のグラデーションで北諸島(ノルテイスラ)でも見かける色合いだが、全体的な印象は三日月の南(スーティラ)の要素が勝っている。


 極めつけはあまりにも年若いことだろう。

 あどけなさも残る容姿は未熟さの象徴のようで、マナの脳内に筆頭巫子としてお披露目した当初の苦い記憶が蘇る。

 あの頃は、隣にサヤがいた。ぴんと背筋を伸ばし、凛と振る舞うサヤの背に隠れてマナは震えることしかできなかった。

 レティスはどうかといえば、緊張しているのかそわそわと落ち着きはないものの、怖気付いているようには見えない。

 そっと表情をうかがえば、合った目線の先でぎこちないながらも笑みを返してくれた。


「もう後戻りなんてできないんだし、やれるだけのことはやるよ。何かあったとしても、みんながフォローしてくれる。大丈夫。なんとかなる。……と、思うようにする」


 自信のなさが最後に見え隠れしたが、その素直さがマナには眩しかった。

 レティスのように誰かを頼ることができていたら、また違った未来があったのかもしれない。

 マナは胸に抱いたシズをレティスに預け、その小さな眉間を撫でる。レティスの肩の上でごろごろと喉を鳴らすシズは愛らしくて自然と笑みがこぼれてしまった。


「――マナ様、レティス様、そろそろお時間です」


 側に控えていたスミレから声がかかる。

 頷いたマナに、レティスから腰に差していた剣が鞘ごと渡された。

 剣の柄頭には契りの証である八面体の青の魔石が嵌められている。杖よりも剣の方が扱い慣れている上に、イズミの形見と聞いてはレティスが持つ物としてこれ以上にふさわしいものはない。故に、魔導師の杖ならぬ魔導師の剣として、これからの象徴となってもらうことにした。


「いってらっしゃい、マナ」


 くるりと踵を返したマナの背に、レティスの声がかかる。


 大祭も最終日となり、残すは筆頭巫子であるマナの舞を残すのみとなった。

 水神殿内に設けられた舞台へ向かうマナの頭をよぎるのは、二人の巫子の小さかった頃の姿だ。


(昨年も、その前も、側にいたのはミツルとシオンだった)


 瞳をきらきらと輝かせてマナを「姫様」と呼ぶハシバに、誰に対しても頑なで警戒心の強い猫のようだったシオン。

 成長した今では真逆の印象を抱く二人だが、人の本質はそう変わらない。

 ハシバは心の赴くまま、神殿を出ていくことを選んだ。そしてシオンもまた、神殿に戻る道を選ばないだろうというのがマナの見解だ。


 事は神殿とクロセだけではなく、五家――主に五の家(ゴジョウ)を巻き込む問題となった。前者だけであれば神殿の一存でシオンの処遇を決められるが、五家が絡んでくるとそうもいかない。

 五の家(ゴジョウ)とクロセの黒い関係が明るみに出るにつれ、その片棒を担いでいたシオンを神殿に戻すことは難しくなっていく。

 たとえシオン本人が望んでいないことであったとしても、罪は罪だ。シオンの行いによって不遇な目にあった者がいる以上、犯した罪は償わなければいけない。

 逐一報告してくるセイジいわく、シオンは取り調べには素直に応じているとのこと。特にクロセの内情がつまびらかになるに連れ、情状酌量に値するのではという雰囲気に変わってきているらしい。


 レティスは事の大きさを理解できない馬鹿ではないようで、軽々しくシオンを戻したいと口にしたことを反省していた。同じ口で「でも後悔はしてない。言ったことは本心だから」とも。

 閉口するマナに、レティスはいたずらがばれた子どものように眉を下げていた。


『……思ってることは口に出さないとだめだな、って。思ってるだけじゃ伝わらないんだって、シズの――サヤ様の記憶に触れて思ったんだ』


 何の前触れもなくサヤの名を出され、その場は曖昧に笑って流すことしかできなかった。

 サヤとマナが姉妹のように仲睦まじかったのは事実であるが、蜜月はそう長くは続かないもの。二人は些細な言動で傷付け合うようになり、次第に公の場以外では距離を置くようになった。


 どこでボタンをかけ違えてしまったのか――きっかけは何だったのか、もう覚えてはいない。


 マナにとって、直視したくない苦い記憶だ。


(……あんな想いは、もうしたくないのだけど)


 舞台の中央まできたところで、マナは歩みを止める。

 周囲に目を配ればレティスとスミレの他に笛や太鼓といった楽器を携えた奏者が幾人か、固唾をのんだ表情でこちらを見守っていた。

 両手に細身の剣を抱いたマナは、瞳を閉じてじっとその時を待つ。


(――来る)


 ぞわりと背中を撫でられるような感覚を覚え、おもむろに瞳を開ければマナの周囲にいくつもの光が生まれていた。

 大小様々な青みがかった光は揺らぎ、まるで水の塊が宙に浮いているかのようだ。

 マナは指先でそのひとつひとつに触れていく。揺らぐ水面のような光はぐにゃりと形が変わり、つるりとした鏡へと変貌していった。

 北諸島(ノルテイスラ)各地へ散らばった巫子たちからマナへ繋がれた、水鏡。

 この一枚一枚の先に巫子がいて、その周囲に北諸島(ノルテイスラ)の民がいる。

 すべての水鏡へ魔力を分け与えたマナが視線と指先で奏者へ合図を送れば、静まり返ったその場に旋律が生まれた。

 太鼓の音に合わせてステップを踏み、笛の音と共に腕を振る。


 精緻な刺繍が施された足先まである衣装は、舞の時にのみ身にまとうものだ。背中が大きく露出しており、紺地にマナの白い肌がよく映える。

 普段はおろされている黒髪は横の髪を除いて結い上げられていて後ろ姿が心もとなく感じるが、そこに薄絹を羽衣のようにまとえば、まるで背中から羽が生えているかのよう。薄絹の先には鈴が付けられ、マナの動きに応じて涼やかな音色を奏でていた。

 水鏡には、食い入るようにこちらを見つめる人々が映っている。

 珍しい剣を用いた舞は受け入れられたようでほっとしたのもつかの間、踊るマナの視界がレティスを捉えた。


『マナの舞はまるで魔法ね。誰もが魅入られて、あなたを好きになるのよ』


 そうサヤに言われたのは、いつのことだったか。

 距離を置くようになってからも、サヤは舞の時だけはマナを見てくれた。普段は顔を見もしないのに、この時ばかりはじっと熱のこもったような眼差しが向けられる。

 そのサヤに、瞳をきらきらさせてこちらを見つめるレティスの姿が重なった。


 ――もう二度と同じ轍は踏みたくないというのに、レティスは距離を詰めてくる。


 素直に思いや考えを口にするレティスはまるで昔の自分自身を見ているかのよう。マナが引けばそこで止まる、その距離感も心地良くて、突き放す気にはなれなかった。


 ただ、ざらりと心の弱いところを撫でられ、培ってきた笑顔の仮面が剥がれそうになるのが困るだけで。


 しゃら、とマナの動きに応じて鈴の音はそれすら舞を構成する要素のひとつだ。涼やかな和音を奏でる箏と合わさり、より複雑な音色となってその場に響いていた。

 振り付けに合わせて目を伏せ、剣を鞘に収める。

 そのままくるりと一回りしようとしたその時、長い衣装の裾を踏んでしまった。


(っ、しま……)


 転んでしまうことなんて、とうになかったことなのに。


 慣れない剣舞を選んでしまったから? それとも余計なことを考えていたから?


 ゆっくりと視界が流れ、マナは俯く形で舞台に倒れてしまった。

 手放してしまった剣はからからと床を回り、マナの元から離れていく。


 動揺したのはマナだけではないようで、不自然な形で曲が途切れる。止めてはいけない。そう視線で訴え、立ち上がろうとするも足首に痛みが走り、上体を起こすに留まってしまった。


「――……マナ!」


 不意に訪れた静寂を破ったのはレティスの声だ。

 制止する間もなくレティスはマナに駆け寄り、膝をついて手を差し伸べる。


「レティス……大丈夫、ですから」


 予定外の行動にマナはたじろぐ。

 レティスの登場は舞の後としていたというのに、これでは皆の目にどう映ってしまうのか。


「そんな顔で言っても説得力がないよ。ほら、捕まって」


 水鏡からの視線などレティスは気にせず、ただ、マナだけを心配していた。

 レティスの肩を借りて立ち上がったところで、あるひとつの水鏡からマナを呼ぶ声がした。


『――マナ様。発言をご容赦くださいますか』


 聞き覚えのある声だ。

 該当の水鏡を近くに呼び寄せれば、そこには濃紺の外套に身を包んだセイジの姿があった。


「いいでしょう」


 返すと同時に、水鏡へ更に魔力を渡す。ひとまわり大きくなった水鏡が見える位置へ、他の水鏡も場所を移した。

 膝をつき頭を下げるセイジの後ろから、一人の男が歩み出る。すらりと背の高い、白髪混じりの男――紛れもない、一の家(イチヤ)の当主だった。


『マナ様。並びにレティス様。新たな魔導師の誕生を、心からお慶び申し上げます』


 北諸島(ノルテイスラ)の民ならば知らぬ者がいないであろうイチヤ当主の言葉に、誰もが息を呑む。

 一拍置いて、水鏡から水鏡へざわめきが波のように伝播していった。


『――しかし、彼はどこからどう見てもスーティラの民にしか見えませんが……』


 ざわめきを代弁するかのように、セイジがイチヤ当主へ問いかける。


『間の子なのでしょうな。たとえ半分だとしても、マナ様、ひいては賢者様が選んだお人ならば、何の問題もない。そうでしょう、マナ様』


(……小芝居に乗れということね)


 内容は言うまでもなく、やや芝居がかった口調からあえて民衆に聞かせているのだと分かる。

 ちらりと隣を見やれば、レティスもまたマナと同じことを悟ったようで小さく頷かれた。


「ええ。不安に思う必要はありません。この天候がなによりの証左というもの」


 雲が晴れ、太陽が姿を覗かせる。

 じきに北諸島(ノルテイスラ)本来の、穏やかな気候が戻ってくるのだとマナは告げた。


「彼――レティスは、以前わたくしの側にいた巫子の子です。年若いこともあって未熟な点もあるでしょうけれど……こうしてわたくしを気遣ってくれる、心根の優しい子です。きっと皆に対しても、良き魔導師でいてくれるでしょう」

『至らぬ点は我らにもあります。是非今後とも、手を取り合っていきたいものです』

「……!」


 他でもないイチヤ当主から融和へ舵を切る言葉が出たことに息を呑むマナ。

 これまで神殿と五家は一線を引いた付き合いをしていた。長い時をかけて積み重なってしまったわだかまりは一朝一夕で解けるものではないというのに――


 わずかに揺らいだ視線がイチヤ当主の後ろに控えるセイジを捉える。その表情は場にふさわしく真摯なようでいて、ほんの一瞬、にやりと口角が上がった。


(……あのイチヤを動かすだなんて。五家を変えると言っていたのは口だけではないということね)


 イチヤ当主は海千山千の男だ。(ミオ)に甘い点は玉に瑕ではあるものの、そうやすやすと唆されない者が、セイジの手のひらの上で踊っている。


 ――セイジを甘く見てはいけない。


 そう認識を新たにして、マナはふわりと微笑みを浮かべる。


「ありがたいお申し出、しかと受け取らせていただきますわ」


 他でもないレティスが歩み寄りの姿勢を見せているのは知っているが、それとこれとは話が別。

 多くの巫子を預かる身として、甘言に惑わされ利用されることだけは避けなければいけない。慎重を期すに越したことはないのだ。

 今できるのは聞き入れるところまでだと笑顔で線を引いたマナに、イチヤ当主もさもありなんといった体で頷く。

 互いに深追いはしない。真正面からぶつかることは悪手でしかないと、互いに理解していた。


『最後にお願いが。可能ならば、お声を拝聴したいのですがいかがでしょうか』


 誰の、とは言わずとも分かっている。

 ちらりと隣を見上げる。ある程度予想はしていたのか、マナの視線を受けてレティスはこくりと首を縦に振った。

 その額に浮かぶ汗。掴んだ腕から伝わる身体の震えからレティスの緊張が伝わってくる。

 水鏡越しだとはいえ、多くの目を前にして緊張しないはずがなかった。


「……ご紹介にあずかりました、レティス・シラハ、です。オレはこの通り間の子で、かあさ……んん、母が、水の巫子をしていました」


 人の意識はそう簡単には変わらない。

 よそ者を忌避する考えは根深く、こちらに向けられる目線は好意的なものばかりではない。イチヤ当主の介入によっておおっぴらに非難する者はいないが、それでもなお人々は懐疑的な表情を浮かべている。


「なんでお前みたいなやつがって気持ちは、よく分かります。オレもそう思っていたから……でもどういうわけか偶然が重なってこうして魔導師になって。受け入れてもらえると嬉しい、です」


 とつとつと話す言葉は素朴で、いかにも頼りないもので。

 魔導師たるもの、自身を卑下するような言動はいただけない。口を開こうとしたマナを視線で制して、レティスは続ける。


「とはいえ、認められないならそれでもいいです。オレじゃ頼りないとか、我こそはと思うのなら、是非神殿まで、魔導師になる試練を受けに来てください」

「…………ええ?」


 今、なんと言ったのか。

 耳を疑ってしまったのはマナだけではなく、水鏡に映る者が皆、ぽかんと呆気にとられている。


 ――魔導師になったばかりの者が新たな魔導師を募るだなんて、前代未聞にもほどがある。


 いち早く我に返ったのは、水鏡の先にいるセイジだ。

 今にも笑い出しそうなのを堪えながら、一歩前に出た。


『これは愉快な。なんとも型破りな方が魔導師になられたようで。その口振りですと、レティス様は魔導師という地位に執着はないと?』

「ああ、うん。もちろん、次の人が見つかるまでしっかり役目は果たすよ。母が言っていた、温暖で色鮮やかなノルテイスラを見てみたいし……でもそれって、オレでなくてもいいわけで」


 寂しげに目が伏せられたのは一瞬のこと。瞬きをしていたら見落としてしまうところだった。


「皆が自分の居場所を探すように、オレも探してるんだ。よそ者とか、間の子とか、そんなどうしようもない理由で疎まれない場所を。ノルテイスラがそうなればいいな、とは思うよ」

『なるほど。仮に受け入れらない状況が続けばどうなさるおつもりで? 罰でも与えられますかな』

「それはない。そんなことしたって何の意味もないじゃないか」

『意見がぶつかって、思い通りにならない時は?』

「妥協点を探すよ。譲れないことのひとつやふたつ、誰にだってあるだろ」


 レティスとセイジがぽんぽんと応酬するのに合わせて水鏡の中の視線が右、左と揺れる。イチヤ当主ですら成り行きを見守っている中、すっかり素でやりとりする二人をマナは止めた。


「――もういいでしょう。レティスの人となりは存分にご理解いただけたのではないかしら」

『おっと、これは失礼。差し出がましいことを申しました』


 セイジはおとなしく引き下がった。


「あっ……」


 余計なことまで喋りすぎたことを今更ながら自覚したのか、レティスは慌てて口をつぐむ。

 気付いたところでもう遅い。レティスはばつが悪い顔をする反面、水鏡に映る民の反応はそう悪いものではなかった。


(ここまで読んでいたのなら、大したものね)


 マナの中でセイジの評価がまたひとつ上がる。

 同時に、レティスを見る目が変わった。


 代償を払ってまで魔導師になったというのに、その地位に執着しない――そこで、大きな思い違いをしていることに気が付いた。

 レティスはマナに取り入ろうとしているわけではない。ただ、本当に言葉のまま、知ろうとしているだけなのだと。

 まるで水のような掴みどころのなさは、レティスの心の揺らぎなのだろう。

 居場所を求めて、どこまでであれば許されるのかあがく姿は小さな子どものようでもあって――ただ純粋に、サヤを慕っていたあの頃の自分の姿が重なった。


 すうとひとつ深呼吸をしてマナが腕を振れば、水鏡が四方八方へと散らばっていく。

 そのままマナはレティスからそっと離れた。つきりと足が痛むがなんでもない振りをして、その場に跪く。


「この佳き日に、祝福を。――ノルテイスラに安寧が訪れますように」


 レティスの隣で、マナは祈る。

 握り合わせた両手が青い光を宿すと共に、大きく露出した背中一面に花びらのような痣が浮かび上がった。

 やがて光は弾け、蝶が舞うかのように水鏡の元へ。そしてそのまま、水鏡と共に消えていった。


「……お疲れ様、マナ。立てる?」


 マナの眼前に手が差し出される。

 迷いなくその手を取り、マナはゆっくりと立ち上がった。


「疲れました。それはもう、本当に」

「ごめん。……喋りすぎた自覚はあります……」


 喋るとぼろが出るためあまり喋らないように、というのが事前の打ち合わせだった。

 ――が、蓋を開けてみればこれだ。


「怒ってる……よな?」


 じろりとレティスを睨みつければ、いたずらがばれて叱られた子どものような顔をする。


「そうですね。あなたをしっかり捕まえておかなければと思いました」

「……え。え?」

「あなたが探す居場所はここです。……わたくしはもう二度と、誰も失いたくないのです」

「マナ……」


 グレーとも紺ともつかない瞳が大きく見開かれる。

 被った仮面のその内側、マナ自身の言葉だとちゃんと伝わったようだ。


「ではレティス。踊りましょうか」

「ええ? オレ、踊ったことなんてないよ。それに足は」

「いいから。わたくしの手を取って」


 戸惑いながらも、レティスはしっかりとマナの手を握ってくれた。

 見計らったかのようにスミレがそばに来て、マナの足を治してすぐさま去っていく。舞台を下りたスミレが手拍子をすれば、空気を読んだ奏者たちがその後に続いた。

 曲に合わせてステップを踏む。最初は強張っていたレティスの表情も、何度か足を踏まれてお返しに踏み返せば、次第に和らいでいく。

 自然と笑みが浮かんでくるだなんて、いつぶりだろうか。


「暖かくなったら、ノルテイスラを共に巡るのもいいかもしれませんね」


 白一色ではなく、色彩に溢れる北諸島(ノルテイスラ)を見せてあげたい。

 マナはくるくると廻りながら、そんなことを思った。






最後はだいぶ駆け足となりましたがこれにて完結です。

が、あの二人はどうなったんだよというのは私自身が一番突っ込みたいところでもあるのですが本筋とは外れてしまう・・・

ということで、後日談として少しだけ続きます。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

少しでも気にいっていただけたらブックマークや★★★★★で応援いただけたら嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

△△△△△
ブクマ・ポイント評価いただけると励みになります!
△△△△△

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ