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結婚式は筋肉と共に

ジスラン様から婚約破棄をされてから一年後。

私がオーギュ様の元に嫁ぐ日になりました。


結婚式当日はとても素晴らしいお天気で、この日のために準備したオーギュ様のご衣裳は、目が眩まんばかりにお似合いで、神々しい程です。

自分のウエディングドレスの5倍は悩み、筋肉の会の皆様のアドバイスも頂いて、吟味の上に吟味を重ねたオーギュ様のご衣裳。

レティシア様からも、「さすがレットだわ!」とのお褒めを頂いたご衣裳は、これ以上ないくらいとってもお似合いです。


ああ、尊すぎます…

これはもしかしたら国宝級ではないでしょうか…

思わず拝んでしまいそうになって大変です…式の途中なのに…

このまま永遠に留めて、飾っておきたいくらいですわ…

ああでも、動くと筋肉の感じがより伝わる衣装なので、飾るだけでは価値半減ですわね…

やはり筋肉は動いてこそ尊いのです。


「レット、とても綺麗だ…」

「…オーギュ様も、とてもかっこよくて素敵です…」


誓いの言葉を述べて、最後に誓いのキスをするのですが…

は、恥ずかしいですわ!

凛々しいお顔も、服の上からでもわかる引き締まった筋肉の感触も、大きくてごつい手も、オーギュ様の全てが素敵過ぎて、脳が蕩けそうです。





式が終わり、その後の式典やパーティーが終わればいよいよ初夜です。

私は侍女たちに無駄に薄いナイトウエアを着せられ、そのまま夫婦の寝室のベッドにぽいっと放り込まれ、一人所在なくオーギュ様をお待ちしています。


が、私の緊張は最高潮に達していました。

だ、だって、初めてオーギュ様のあの筋肉を、直に、この目で、拝見出来る瞬間が目前なのです。

これのどこに緊張しないでいられる要素がありましょうか…

正直に言いましょう。


今日の結婚式は、この瞬間のためにあったのです。


一年近く婚約しておりましたが、式を挙げるまでは異性に素肌を晒す事ははしたないので、私は未だにオーギュ様の筋肉を生で見た事はなかったのです。

ああ、実際の筋肉はどのような感じなのでしょうか…

色は?形は?手触りは?固さは?ああ、全く見当もつきませんわ…


「待たせたな、レット」

「ひ、ひゃい!」


私がオーギュ様の筋肉に思いを馳せている間に、オーギュ様が部屋に入ってこられていました。

失敗しましたわ、オーギュ様がいらしていたのに気が付かなかったなんて…

しかも思わず噛んでしまいました…うう、恥ずかしいです…


で、でも!

い、いよいよオーギュ様の尊い筋肉とのご対面です。

オーギュ様、お顔などは日に焼けてとても健康的な肌をしていらっしゃるので、筋肉もさぞかし素晴らしい色合いをされているのでしょう。

筋肉の会の皆さまも、オーギュ様のお肌の色は絶品だと仰っていましたし…


「隣に行ってもいいだろうか?」

「は…はいっ!」


嫌だわ、また緊張して思わず大きな声が出てしまいました。

オーギュ様もそんな私をおかしく思われたのか、クスッと御笑いになったのが聞こえます。

でも…恥ずかしい上に、筋肉との対面に緊張して、オーギュ様に視線が向けられません。

私の心臓は別の生き物のように脈打っています。


でも…このままではいけませんわね。

私は意を決して、オーギュ様に向き合いました。が…


「オ、オーギュ様!!!そのお姿は一体…!」


視線の先には、思いもよらないお姿のオーギュ様がいらっしゃったのです。


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