大聖女様の調査
その後、大聖女様がジスラン殿下をお見舞いになり、殿下の体調不良をお調べになりました。
どうして直ぐに大聖女様を呼ばなかったかと言うと、大聖女様はオーギュ様達と一緒に討伐隊に参加されていたからです。今回は隣国との小競り合いもあって、負傷者が多数出る可能性があったため、大聖女様自らが同行すると志願されていました。
そんな大聖女様に見て頂いたジスラン様でしたが…
殿下が目を覚まされないため殿下からお話を聞く事は出来ず、この日は詳しい事は何もわかりませんでした。
でも、身体の内側から呪いを受けていらっしゃるのは間違いなく、継続して大聖女様が治療にあたられる事になりました。
呪いは基本的に身体の外から受けるので、内側から受ける事など前代未聞なのです。
直ぐに過去に同様の事がなかったか文献を調べるそうですが、今の時点ではどう治療すべきか、大聖女様にも判断できないそうです。
また、オーギュ様のお持ちになっている青虹玉は間違いなく私のものだと、大聖女様がお認め下さいました。
当然と言えば当然なのですが、やはり大聖女様に認められると気分的にも違いますね。
「これでアルレット嬢の疑いは晴れたのですよね、陛下」
青虹玉が私のものだと聖女様が仰ったため、オーギュ様は真っ先に陛下達に進言してくださいました。
「そうじゃな。ジスランと会った際に青虹玉を渡す場面がなかったのは侍女や騎士たちにも確認済み。青虹玉の件も聖女様がお認めになった。問題なかろう」
「では!」
「陛下…お、お待ちください…」
「どうした?オランド侯爵」
「青虹玉はアルレット嬢の物ではなかったかもしれませんが…しかし…まだ容疑は…」
青虹玉が私の物とハッキリしたのに、まだオランド侯爵は私をお疑いの様です。
どうしてこうも私の名を出すのでしょう…
私は婚約破棄以降、殿下には一度しかお目にかかっていないのです。
私以上に殿下に青虹玉を渡せる機会がある方など、他にもたくさんいらっしゃるでしょうに…
「まだ何だと仰るのだ、オランド侯爵。何故そんなにアルレット嬢に罪を着せようとする?」
「な…!罪を着せる等と…ラーシュ公爵…そんな訳では…」
侯爵の言葉に反論なさったのは、陛下ではなくオーギュ様でした。
私のために反論して下さったのでしょうか…だとしたらこんな場面ではありますが、嬉し過ぎます。いやだわ、顔がにやけていないかしら…
「それを言うなら、貴殿のご息女も同様であろう?むしろ共に過ごす時間は比べ物にならないほどに長かったのだ」
「な…そんな…そもそも娘には動機は…」
「それならアルレット嬢だってなかろう。それよりも、ご息女が聖女の力を持つというが…それは本当なのか?これまでご息女に聖女の力があるという話は一度も聞いた事がなかったが?」
「っ…!お、お疑いになるとは無礼な…!娘は確かに…」
「そうか、侯爵よ。では、今ここで大聖女様に見て頂こう。息女は婚約内定の際も、結局検査を受けておらなんだしな。ちょうどいい機会だ」
「そ、それは…」
「……」
陛下の提案に、オランド侯爵とリアーナ様は青ざめてしまいました。




