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尋問、再び~3

私が青虹玉を使って殿下を害しようとしたと言われましたが、オーギュ様が私の青虹玉をお持ちだと仰った事で、場は騒めきました。


「そ、それは確かにアルレット嬢の物ですか?」

「そうだ、出立の朝に受け取った。その場にいた騎士達も見ている。何なら彼らに聞いて貰っても構わない」

「で、ですか…」

「何なら神殿で鑑定して貰っても構わない」


さすがに文官もこの展開は予想外だったようですが…どうしてそんなに驚かれるのでしょう。

オランド侯爵とリアーヌ様の仰っている事が事実と違うので、私に容疑をかけたのはあのお二人なのでしょうか…


でも…

リアーヌ様は正式な婚約者。こんな面倒な事をする理由などない筈です。

私も殿下に未練など欠片もありませんし…


「ふむ、やはりおかしい話だな。アルレット嬢がジスランを呪う理由がないとは思っていたが…」

「へ、陛下。しかし、アルレット嬢は婚約破棄された身ですぞ?動機は十分…」


陛下に異を唱えたのは、またしてもオランド侯爵でした。この方はどうして私にこうも敵意を向けてくるのでしょう…


「それがおかしいというのだ。ジスランとアルレット嬢の婚約は、アルレット嬢の方に利がない。むしろジスランの体質を思えばマイナスだからな」

「何を…」

「一生、ジスランの呪いを引き受けるアルレット嬢の負担は大変なものだ。だからこそ、その見返りと身の安全のための王子妃の地位であり、それなりに実家にも便宜を図るつもりだったのだ。そうであったな、宰相」

「は、左様でございます」

「そんな…」

「フェリアール家は乗り気ではなかったのを、ジスラン可愛さにこちらが無理にと頼み込んだのだ。ジスランのアルレット嬢への態度も褒められたものではなかったしな。解消されてホッとする事はあっても、恨む筈もなかろう」

「…な…」

「そんな…?呪いを…引き受けるなんて…」


どうやらこの場にいらっしゃる方の殆どは陛下の仰ることをご存じだったようですが、オランド侯爵はご存じなかったようです。

でも、リアーヌ様は聖女の力をお持ちだし、こんな基本的な事をご存じなかったとは思えないのですが…


「オランド侯爵とリアーヌ嬢よ。リアーヌ嬢がジスランの婚約者に内定した時、この話はした筈。どうしてそうも驚く?」

「え?そ、っ、それは…」

「……」


お二人は青ざめたまま黙り込んでしまわれました。どうしたのでしょう?

もしかして、呪いを信じていらっしゃらなかったのでしょうか?

確かに呪いも聖女の力も目には見えないので、信じない方は一定数いらっしゃいます。


それとも、そんなにジスラン様の妃になりたかったのでしょうか…

確かに見た目は素晴らしいですが…中身は空っぽで、しかも呪い付きですよ?


「どうやらオランド侯爵にも話を聞かねばならんようだな…今日は神殿の大聖女様も別室にお呼びしてある。ジスランの呪いを調べて貰う予定だ。大聖女様のお力であれば、ジスランの体調不良の理由も、ラーシュ公爵が持っている青虹玉が誰の物かもわかるであろう」

「……」

「オーギュ。後でその青虹玉を見せて貰いたい。アルレット嬢の物か確認したいのでな」

「はっ、仰せのままに」

「アルレット嬢よ、悪いがもう少し付き合って貰えぬか」

「は、はい。それは、もちろんでございます…」


何だか話がよくわからないけれど、これは…私の容疑は晴れつつある…と思っていいのかしら?


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