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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
96/124

94.俺ってヤツは·········

もうちょいサクサク進めた方がいいのかなぁと思う今日この頃です

たぶんその内さっくり進めると思います······心変わりしなければ


※一部忘れていた事項を思い出し削除しました。マリアが料理をしてはいけないのを忘れてました。すみません


 身体が気だるい·······流石に疲労が抜けきってない。だが達成感と充実感はある。俺は頑張った。やりきったんだ。···········まぁ自重すればいい話だと言われたらそうなんだけどね。


 そんなことはさておき、今日からはローナ達が合流する話となっている。ギルドから物資を貰ってからとなるからここへ来るのは夕方過ぎるくらいだろう。それまでに飯とか色々準備しておかないとな。

 ·················そうは考えていたんだけど、結局行動する時間は日が完全に真上になった時となった。まぁ、朝の日課みたいな事が原因なんだけどな。仲睦まじいと思ってくれ。


 俺は昨日から使い始めた刀を腰へ差し狩りの準備を整えレヴィアへ顔を向けた。


「準備は出来たか?」


「はい、私も今完了しました。では行きましょうか」


「じゃあ行ってくる。レイナ、リン怪我には気をつけてな」


「おう。ルゴウは肉を頼んだぜ」


「いってらっしゃい。気をつけてね」


 俺は2人に軽くキスをしレヴィアと共に森の中へと向かった。何故この組み合わせかと言われると、今日の食材を取りにいく話をした際リンから「少しレイナと話し合いたい事があるからレヴィアと行ってきて欲しいんだ」と言われ、理由を聞いてみたものの苦笑いではぐらかされた。レイナもレイナで一緒に行きたがっていたがリンに何かを耳打ちされ「ならしょうがねぇな」と諦め、代わりにと出掛ける前のキスを頬を染めもじもじと照れながら言われたのは本当に可愛く思った。今思い返してもあれは反則級だ·········


 話を戻すが今はレヴィアと2人で森の中を散策しているのだが········やはり獲物は見つからない。まぁすぐに見つかれば苦労はないか。こんなことは毎度の事だしな。

 森を歩き進め、時折木の実等を採取しているとレヴィアが声を掛けてきた。


「ねぇ、ルゴウ」


「ん?なんだ?」


「あなたって何者なんですか?」


 はい?今更何を言ってるんだ。付き合いは······まぁレイナと比べれば短い方だがそれでも今更な感じがある。俺はレヴィア方へと顔を向けると心なしか真剣な表情になっていると思う。


「何者ってゴブリンだが······」


「それは見ればわかります。そうではなくて前々から思うことがあったのです。なぜ、ゴブリンである貴方が人の言葉を理解し、こうも友好的なのか。たまに私達の何気無い会話の時も私達の知らない言葉を話したと思ったら言い直すじゃないですか。それと通常のゴブリンでは考えられない強さや魔力を有しているのもそうです。今は私しかいませんので話してくれませんか?」


「んー、まぁ·······そうだな·········」


 レヴィアの疑問は分からなくはない。レイナにも話したことだし隠す内容でも無いからな。俺はとりあえず座るかとレヴィアに促し、近くの木を背にして座った。レヴィアも俺の隣に腰を下ろした所でレイナにも話した内容を語っていった。

 話している最中に驚いた表情や納得した表情、にわかに信じがたいと言った訝しげに見られたりとあったが概ね信じてもらえたと思う。


「なるほど·······幾つか信じがたい話もありましたが嘘をついている訳でもなさそうですし納得しておきましょう」


「まぁ、だからといって今生はゴブリンだってのは変わらないしな」


「そうですねぇ·······ですがその条件とやらを解決させたら人になれるのですから頑張って下さいね」


「頑張るにしても気長にやる他ないんだけどな」


 1日1善でやったらあっという間だが、それでもこれは難しいからゆっくりでいい。焦るものでもないしな。

 さて、小話がてらの休憩はこの辺で終わりにして再開しようかと立ち上がろうとしたらレヴィアが俺の手を掴んできた。俺はどうしたんだと思いレヴィアの顔をみるとニッコリと微笑みながらこちらを視ている。なんかここ最近見た覚えのある表情だが·······あえてスルーしてまだ休憩ってことにして再度座り直した。


「で、お次は何が聞きたいんだ?」


「いえ、聞けたい事は聞けましたので満足です。あ、因みにさっきの話ってレイナ達は知ってるのですか?」


「レイナだけだな。リンは······その内話しておこうとは思ってる。まぁ、リンもその辺は気にしないと思うがな」


「確かにそうですねぇ。リンはルゴウに首ったけな部分がありますから普通に信じて貰えると思いますし、知ることが出来て嬉しいとはしゃぎそうですね」


「ははは······好かれているってのは悪くは無いからな」


「はい。·······では続いての本題に入りましょうか」


 まだ、あるのか·······いやでも聞きたい事がないって言ってたから本題とはなんだ?

 俺が不思議そうにレヴィアを見ていると、ニヤぁっと笑みを浮かべながら言ってきた。


「ここ2日間、私とも身体を重ねて何か思う事はないんでしょうか?」


「はぁ!?」


 いきなり何を言ってるんですかね!?いやまぁ、確かにそうなんだが·········何かって何?感想?い、いやいや········たぶんこれは違う。違う意図に違いない。

 俺が唐突な言葉にあたふたとしていると、レヴィアはそれを面白そう見つめながら俺の膝の上にそっと手を置いてきた。


「何を慌ててるんですか?」


「い、いやいや······なんでそんな感想を聞いてくるんだよ!」


「気になるじゃないですか。私だって1人の女です。多少なりとも貴方がどう想っているのかも気になりますよ」


 そう言いつつ少し身体を俺へと寄せ、変わらないニヤけた表情で見てくる。あと、その手は止めろ。面白がって擦るな。くすぐったいんだよ。態とらしく胸も押し当てないでくれ。


「どうって·······そりゃあ少なからずは俺も想う事はあるにはあるが·········レヴィアはそんな気はないだろ」


 俺は言ってて恥ずかしくなり思わず目線を外すとレヴィアは何が面白いのか、ふふふっと軽く笑った。


「さぁ、それはどうでしょうか?」


「·········俺には聞いてはぐらかすのか?」


「まぁ、そうですねぇ。正直に言いますと今はまだ、ですね」


「なんだそりゃ」


 俺はあざとらしく言うレヴィアに呆れた様に言うと、俺の膝で遊んでいた手を少しずつ上へとずらしながら誘う様に言ってきた。


「こればっかりは私もまだ判断しかねてますので何とも······今後も何度か身体を重ねていけば変わるかもしれませんね」


「何度もって·········今後もする気なのか」


「それは勿論。これっきりなんて寂しいじゃないですか。それに前にも言いましたが女だって堪るものはあるんですよ。ああ、だからといって相手は選びますよ。節操なしではないので」


「そこの心配はしてないんだけど········」


「あら、では私が他の男に盗られてもいいと?」


「そうは言ってないが········言ってはいないんだが、複雑ではあるんだよ。でもそこはレヴィアの自由だから俺が強要するべきではないんだ。人の恋愛は自由であってこそだからな。········かと言ってレイナとリンは別だ。誰にも渡すつもりは無い」


 レヴィアについては俺の中ではまだそうではない。男の性というか独占欲というかこう何度も身体を重ねるとふとした感情が芽生え始めているのは確かだ。我ながら気が多いと思って反省しなければならないなとは思っている。でもそれは俺の感情であってレヴィアは違うかもしれない。ならばまだそういった関係でもないのに強要するのは間違いだろう。


 俺の言葉にキョトンとし一瞬の間を空けた後、またふふっと笑いだした。


「そう言う所ですよ。はぁ、しかしなんと言うか··········」


「ん?どうしたんだ?よく聴こえなかったんだが」


 最後の方は呟く様に言ったのでハッキリとは聴こえかった。ただ、たぶん反応からして悪くはない様なきがする。


「何でもないですよ。さ、そろそろ休憩は終わりにしますか?」


 レヴィアは首を横に振り、そっと胸の位置まで這わせていた手を離した。


「そうだな。そろそろ行くか」


「············やっぱりもう少し休憩しましょう」


 立とうとした俺の袖を軽く摘まみながら少しだけむくれつつも名残惜しそうに見てくる。そういう顔は弱いから止めて欲しいんだけど·······まぁもう少し位休んでも狩りには支障はないだろう。

 俺は立つのを諦め再度腰を下ろすとピタリと寄り添うように、いや俺に寄り掛かる様にレヴィアは身体を密着させてきた。


「さ、さっきから思ってはいたんだが近くないか?」


「気にしないで下さい。役得だとでも想えばいいじゃないですか」


「·······役得、ねぇ」


 俺はどぎまぎとする感情を抑えつけレヴィアをみると何だか嬉しそうな微笑みを向けてくる。なんだかなぁ·······掴み所がいまいち分からない。


「もう少し貴方について話を聞かせてください」


「まぁ、構わないが······面白くはないと思うぞ」


「それは聞いてみなければ分かりませんので、さ、話して下さいな」


「はいはい、その代わりレヴィアについても聞かせてくれよ」


「いいですよ。何でも聞いてください」


 そうしてしばらく互いの過去の話や趣味やら好きなもの等を語り合っていった。たまにはこういった時間も悪くはないな。



······················

··························

·································


 レヴィアの浄化の魔法で身体の汚れを清め、互いに身なりを整えた後、狩りを再開した。ごめん、語り合いだけじゃ収まらなかった。どうもいかんな。途中からねだるよう仕草で誘われると我慢が出来なくなる。これじゃあ本当に気が多い野郎になってしまうので本当に気を付けなければいけない。いや、むしろこれって浮気になるんじゃないのか?·················本当に申し訳ないレイナ、リン。


 俺が若干凹んでいるとレヴィアは苦笑し、大丈夫ですよと優しく声を掛けてきた。いや、大丈夫じゃないと思うぞ。


「そんなに心配にならなくてもいいですよ。何だかんだで2人とも受け入れてくれますから」


「そうは言ってもな·······」


「そもそも私が加わっても何も言ってはなかったでしょ。昨日も特に何も文句は言いませんでしたし、むしろ私から勉強している節があったのでこれくらいは許容の範囲内でしょう」


「確かにそうなのだが·········」


「それとも私にご不満があるので?」


「いや、それはない。文句の付けようがないくらいだ」


「···········レイナとリンと比べるとどうですか?」


「··········比べるのは失礼だから誰が一番とかはない」


「ふふっ、そう言うことにしておきますね」


 くっ、本当に意地悪な事を言うな。でもま、ここ3日くらいで大分レヴィアとの距離が縮まったよな。酒の時以外だとこんなに俺を茶化す様なこと言わなかったし着実に仲は深まってはきてると思う。それに何となくだが何処と無く甘えてきている感じはする。正直もう俺の中では友人枠からはみ出してはいるから少しずつ大切に育んで···············って、はぁ。また何を考えているんだろうか。公認とは言え不誠実はよくはないだろう。しっかりしないと。たぶんレイナは怒る·······だろうか?むしろ拗ねてはいそうだが、「ま、しょうがないよな」とか言いそう。じゃあリンは·················うん、絶対に怒りはしない。怒るんだったら初日からだし、前に見た事がある恐い顔で今も視ていたと思う。··············あれ?これって·······いや、考えるのはよしておこう。たぶん思い違いだ。変な事は考えないで狩りに集中しよう。


 狩りを再開して夕方に差し掛かった所で俺達は帰宅した。今日の成果は上々。フライングフロッグに角兎、デカイ猪······じゃなくてグランドボアを仕留めた。血抜きも済ませているし、たぶん食えなくはないだろう。香草をしっかり使わないとな。臭みとかエグそう。


「ただいま、今帰ったぞ」


「ただいま帰りました」


「あ、お帰りー!お疲れ様」


「お、ご苦労さん。どうだった今日の成果は?」


「上々だな。みんなで食べても多分余るだろう」


「お、いいねぇ」


 カラカラと笑い掛けてくるレイナにほくそ笑むと何やら視線を感じる。何だと思いその視線の方へと目を向けるとユーリがドン引きしていた。


「··········うわぁ」


 声に出さなくてもいいだろ。そこまでイチャついてないでしょうが。むしろ挨拶だけで済ませてたでしょ。


「まぁまぁ、分かってはいたことだから気にしないでおこうね」


「··········でも、あのレイナだから実際視ると·····キモい」


「んな!?ユーリ、そりゃひでぇだろ!」


「········事実を言ったまで」


「んだとこの野郎!」


 あー、言い合いが始まってしまった。一瞬止めた方がいいかなとは考えたがユーリの隣にいたマリアが俺に首を横に振り、やらせてあげてと言いたげに視線を送ってくるので俺は軽く頷きローナの方へと目を向けた。


「久し振り。何か変わった事でもあったか?」


「ああ、久し振りだな。こちらは特には変わってないぞ。そのぉ····なんだ。レヴィアまで先に押し掛けてしまい申し訳ない」


「それは別に気にしなくていいぞ」


「助かる········」


 ん?なんかローナの様子が変な気もするがどうしたんだ?なんか落ち着きが無いような·······俺がローナを見た時に一瞬強ばったと思ったらそわそわしているし··········いや、まさか。バレたか?レヴィアとの関係が。い、いやマリアとユーリの反応からして俺への態度は変わってないと思うし·······とりあえず聴いてみるか。


「どうしたんだ?本当は何かあったのか?」


 俺がそう言うとローナは身体をビクッと震わせたと思ったらわたわたとしだした。


「い、いや、な、なにも、何もなかったぞ。うん、何もない」


「お、おう······まぁとりあえず落ち着け。さっき採ってきた木の実でも食べるか?」


「あ、ありがとう」


 俺は採ってきた林檎っぽい見た目の物を渡すとおずおずといった様子で受け取ってはくれた。ただ、受け取ったものの口にはせず手の中で転がし遊んでいる。んー、いったいどうしたんだろうか。まぁ、うん気にしないでおこう。何かあったら言ってくれるだろう。


 俺は一旦ローナが落ち着くのを待つかと思い、今日の収穫物の解体をする旨を皆に伝え外へと向かった。リンとレヴィアは何やら2人で話していたが解体を手伝うと申し出てくれた。2人で何か話があったのでは?と尋ねると「終わったから大丈夫」との事だったので有り難く手伝ってもらう事にした。


 解体が終わった時には周囲は暗くなり始め、皆のもとへ戻ると先程までいがみ合っていたレイナとユーリはすっかり落ち着き、仲良さげに語り合っていた。どうやら内容からしてダンジョンの話をしているっぽいな。俺はその光景につい頬を緩ませながらも、大したものは作れないが簡単な夕飯作りに取りかかった。

 リンとレヴィアが夕飯作りに加わり順調に完成していった。肉系が多いが十分美味しそうだな。腹が減ってるから早くありつきたい。手分けして盛り付けた料理を運び、楽しくなるであろう夜が始まった。


善行 9/108


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