86.歯止めが利かない2人
遅れてしまい申し訳ありません
色々と時間が押してしまい執筆出来ませんでした
住みかに着いた時には日は沈み薄暗くなっていた。中へ入りストックしてある木を炉にくべ火魔法で燃やし暖と光を確保した。俺は次にと思い今日買ってきた寝具等を置こうとしたがそこでレイナに腕を掴まれた。
「まてまて、疲れただろう?とりあえず座ろうぜ」
「ん?まだ余裕だが······」
「いや、疲れている筈だし腹も減っているはずだ。まぁまぁ座ろうや」
そういって半ば無理やり座らされた。そして俺の隣に腰を下ろしたレイナは魔法袋を漁りだし、買ってきた干し肉やパン、串肉、コップと酒を取り出した。まぁ要するにこれはあれだな。
「酒が飲みたくなったのか」
「そゆこと。さ、やることは後からにして飲もうぜ。折角美味そうなワインやブランデーも手に入ったからな。楽しみでしょうがなかったんだ」
「そうだな。俺も気になっていたから飲むか」
レイナの屈託ない笑顔につられて笑いながらコップを受け取り互いにワインを注いでいった。まぁ、後でも出来るし明日でも問題ない事だしな。
「んじゃ、かんぱーい」
「おう、乾杯」
俺とレイナはコツンとコップを軽くつけワインを口にした。ふむ、今回のはフルーティーで飲みやすいな。俺は口に含んだワインを香りと味を楽しむため舌の上で少し転がしているとレイナは既に一杯目を飲み終えていた。
「かー、このワイン美味いな」
「美味いのならもう少し味わってもいいんじゃないのか?」
俺は少し呆れながら瓶を手にし空になったコップに新たなワインを注いでいく。
「あんがとな。まぁそれもそうかもしれないが·····やっぱり一杯目って景気づけがてら一気に飲みたいもんじゃんか」
「気持ちは分からんでもないが······ま、楽しみ方も人各々だしな。美味しく飲めれば些細なもんか」
「そうそう。更に俺達は冒険者だからな。いつ死ぬか分からんから今を楽しまないと損だしな!」
カラカラっと笑いながら言った何気無い一言に一瞬だが嫌な未来を想像してしまい身体が強張ってしまった。俺はその考え込まない様にをワインと共に飲み込んだ後、レイナの言葉に頷いた。
「まぁそうだよな。死にやすい仕事柄ではあるよな」
「ああ、つっても俺は簡単には死なないからな。ルゴウは········いや、ルゴウも同じか」
「レイナよりは死にやすいと思うぞ。死ぬつもりなんてサラサラないがな」
俺はゴブリンの中でも強い方だとは思うけど過信すると危ういからな。勿論、レイナも同じことを言えるがそうならないように背中を預けていい存在にはなりたいしな。
俺の言葉で気を良くしたのか口許を緩めながらレイナは言った。
「おう、そのつもりでいてくれよ。死んだら許さねぇからな」
「そっくりそのままレイナに返すぞ。まだまだレイナとはしたい事が沢山あるんだからな」
「ほう·····因みにどんな事か聞いても?」
俺の言葉に何を思ったのかニヤニヤとしながら聞いてきた。あっと思った俺はそんな深くは考えていなかったので正直に頭を下げた。
「········すまん、沢山って言ったがそんなに無いかもしれん」
「なんだよ。期待させやがって」
つまらなさそうに肩を竦めるレイナに申し訳ないとは思うが······沢山ってほどでは無かったんだよな。でも一応は俺の今考えてる事は言ってもいいかもしれない。俺は若干言おうとする事に照れ臭さを感じつつ、手元のコップに視線を落としながら言った。
「まぁ、挙げるとすれば·······ちゃんとした家に一緒に住みたいとか、風呂は一緒に入り続けたいとか一緒にベッドで寝たいとか·····こうやって酒を飲み交わしたいとか、子供を授かり育てたいとか、まぁ他にも色々かな」
言い終えた後にチラッとレイナに視線を向けるとキョトンとした表情から少しずつ頬を赤らめ、今度はレイナが俺から視線を外しチビチビとお酒を口にしながら呟くように言った。
「················ルゴウって案外純情だったりするんだな。いやまぁ、薄々はそうは想ってたんだが」
「っく。経験が無いんだから仕方ないじゃないか」
強がる様に言ったが前世でも独身だったからなんかこう······面と向かって言われると恥ずかしい気がする。でも経験無いのはお互い様だからな。
「ま、俺はそういったとこも含めて人間らしくていいなと想ってるんだけどな」
「あんがとな。お互い経験無いもの同士これからもやってくか」
「だな。つってもリンの事も忘れんなよ」
「分かってるって。しっかり考えてるさ。皆幸せに出来るように頑張らせていただきます」
「おう。頼んだぞ。さ、ガンガン飲もうぜ」
レイナは嬉しそうに俺の背中を叩いた後にそのまま俺との距離を詰め肩を組んできた。俺はされるがままになりながらも自然と口許を緩め頷いた。
·······················
······························
···································
···········いかんな。たぶん、これをレヴィアに観られるのはとても駄目な気がする。絶対に呆れると思う。つい2人きりになると羽目を外すと云うか歯止めが利かなくなるというか······いや、両方か。ある程度腹も膨れて酒も入っているせいでスキンシップが徐々にエスカレートし、つい一戦交えてしまった。その後も熱意は治まる事もなく湯船を張り終え身体を互いに流す際にも再戦してしまい再度身体を流す事になってしまった。湯も少し温くなったので軽く温め直して今は仲良くくっつきながら風呂に入っている最中である。
「はぁー、やっぱり風呂はサイコーだぁ」
レイナは背もたれにしている俺に手が当たらない様にしながら身体を大きく伸ばした。俺も心地好い温かさに身体の力を抜き両腕を浴槽の縁に掛けレイナの言葉に頷いた。
「ああ、程好く身体の疲れが癒されていくもんな」
「そうそう、これを味わうと水浴びとかしてらんねぇもんな。暑い日はいいかもしれないが·····って毎回言ってるか」
カラカラっとレイナが笑うとそのまま背中を俺の方へと倒してきた。俺は何となく片手をレイナのお腹へと静かに置くとレイナはくすぐったそうな反応を見せた後、俺の手を取り指を絡めて繋いできた。
「「············」」
互いに何も言わず暫くそのままでいるが、このまま無言でいるとまた再再戦しかねない。気恥ずかしいってのもあるがさっきまでの熱意が再燃しかねない。現にレイナも若干熱っぽく見ている気がするし俺もその気になりつつあるし。何よりさっきから鼓動の主張が激しいからな。一旦落ち着こう。俺はグッと来る感情を圧し殺し会話をする事にした。
「あー、えーっと。あ、明日はダンジョンに潜るがどれくらい潜ろうか」
「あ、ああ。そ、そうだな。·········んー、10階層までは行きたいけど······明明後日にはローナ達も来るしな。ま、行けるところ迄で良いんじゃね?」
少し慌てたように反応したが、少し落ち着いたようだ。よし、とりあえず紛らわすことは互いに出来そうだ。
「そうするか。6階層から部屋数も増えてきてるから探索に時間が掛かるしな。それに鍵も探しておかないと次の中間地点があったら転移出来ないからな」
「10階層の魔物はどんなヤツか楽しみだな。出来れば歯応えがあるヤツがいい」
「俺としては無理なく倒せる魔物が良いよ」
「そんなこと言っても強いヤツとは戦いたいクセに。わかってんだぞ」
レイナは空いてる手で俺の頬をつついたりつねったりと弄り出した。俺は特に嫌でもないのでされるがままにしながら言った。
「否定はしないが死にたくはないとは思ってるからな」
「そりゃそうだな。誰だって死にたくはないからな」
レイナはそう言うと俺の顔と絡めていた手を離し、よいしょっと言いながら身体ごと反転させ対面するように座った。
「それによ、今は俺も一緒にいんだから心配すんなって。何かあっても助けてやるよ」
そう笑い掛けるレイナに俺は苦笑せざる負えなかった。
「普通は俺がそれを言わないといけないんだけどな」
「そうだな。んでも実際俺の方がまだまだ強いしな。早く俺を超せるように頑張ってくれよ」
「はいはい、頑張りますよ」
互いに見つめ合いながら言うと、同じタイミングで吹き出し笑いあった。こんなやりとり何回もやってるしな。いつまで同じ事言ってるんだよって感じだしな。
「はー、可笑しかった」
「何度も言い合ってるしな。今更だよな」
「ああ、本当にそうだよな」
笑い終えるとレイナは俺の首に抱き着くように腕を掛け、熱っぽい眼をしながら口を開いた。
「なぁ、ルゴウ」
「どうしたんだ?」
俺はレイナが求めていることは解ってはいたが敢えて聞き返した。
「キス······しても······いいよな」
レイナは俺の返答を待たずにそのまま唇を重ねてきた。ただ軽くタッチするようなキスである。すぐに離れたが少し物足りなさを感じたのか再度唇を重ねてきた。今度は先程よりも少し長めである。レイナが唇を離しちょっとだけ満足した様子であるので俺はレイナの頬を撫でるように手を当てた。
「今日はレイナが積極的だな」
「いやぁ、さ。ローナ達が明明後日には来るじゃんか。だから······さ。流石にアイツらの前ではこういうこと出来ないから今の内に·····って思ってよ。········イヤだったか?」
「そんなことはないぞ。むしろ俺としては大歓迎だ」
「そ、そうか。なら良かった」
そう照れながら笑うレイナが愛らしく俺も我慢出来ずに顔を近付け、互いに貪りあうように唇を重ね続け長い夜が始まったのであった。
善行 9/108
今週中にはもう1話書けたらなと想っていますが何とか頑張っていきます




