82.俺が悪い·····
すみません、遅れました
ちょっとした怪我したり、書いていく内に詰まってしまい中々捗らなくてこの時間です
次話もどうしようか悩んでるところですが頑張ります
翌朝、ベッドから起きた俺とレイナは身支度を整えヤクト商会に向かった。目的は私蔵の装備を売るため、魔法袋があるのでベッドとか購入出来るならしておきたい。流石に寝袋を敷いてその上で寝るのはレイナには可哀想だし、俺も生活環境をもう少し整えたいしな。
ヤクト商会に着き装備の買い取りや買い物を何とか済ませる事が出来た。ダリルは王都へ出ているとのことで例の女の店員さんが相手だったのだが······凄く疲れた。やれ「こちらの鎖付きの革製の首輪はいかがですか?」とか、「一緒にこのお薬はいかがですか?ちょっとした興奮作用があるだけですよ」とか「以前も紹介したスライムローションは必要ですよね!買いましょう!なんならさっきの媚薬······じゃなくてお薬も付けますよ。勿論、お安くします」等と事ある毎にシモ関係を推してきた。ホントに勘弁して欲しい。········薬は要らないがスライムローションはちょっと欲しくなったのでこっそり購入はしたけど·······ニヤニヤしながら「お客様も好きですねぇ。もう1本はサービスしますよ」とか小声で言ってくるのは止めて欲しい。あの店員、あれでよく他の客から苦情がこないな。最悪クビになりそうな気がするんだがダリルはどう考えているんだ?人材不足なのか?レイナもレイナで途中から自爆しまくっては顔を赤くし沈黙するし、それをネタに女の店員さんが俺にここぞとばかりに透けたネグリジェとかほぼ守る気無いだろうといった水着型の防具等を売りつけてこようとするしで大変だった。ちょっと興味が有ったけど堪えた。
店から出てこの後はどうしようかと話しながら歩いていると一瞬ではあったが図体の大きい男が少しみすぼらしい少年を引っ張りながら路地の暗い方へと連れていってるのが見えた。あれは······?
「なぁレイナ、さっき少年が男にあっちの方へと連れてかれた様に見えたんだが·····」
「ん?あー、まぁたぶんそれはよく見掛ける事だから気にはしなくても良いが······ルゴウはどうしたい?」
レイナは頭を掻きながら歯切れ悪く言うと詳しくは言わずそう返してきた。たぶん良いことでは無いのだろう。関わるも佳し、関わらないのも佳し、か。
「まぁ、見てしまったもんは仕方無いから様子を見に行くか」
「だと思ったぜ。よしじゃあ行くか」
俺達は少年が連れていかれた路地へと入っていくと怒鳴り声が聞こえてきた。発見した時には少年は男に殴られていて男がなおも近づいて追い討ちを掛けるように迫っている。
「待て!何してるんだ!」
「ああ!なんだてめぇはよぉ!関係無いならすっこんでろ!」
俺が大きな声を出すと男は苛立ちが続いているのか声を荒気ながら言った。
「見えちまったんだから気になるだろうが、んで何をやってんだ?」
レイナが声を聞いた事があったのか男はバツが悪く思ったのか吐き捨てる様に言った。
「っチ、レイナさんもいるのか。ってかもう1人はあん時のゴブリンじゃねぇか。言っておくがコイツが悪いんだよ。俺の財布をスったもんだからお仕置きをしてたんだよ」
「なるほど·······それは災難だったな。問題の財布はどうしたんだ?」
「今返してもらう所だ。運が良かったなクソ餓鬼。2度目は無いからな」
男は乱暴に少年から財布を奪うと近くの物を蹴り飛ばしながらもと来た道へと帰っていった。
「っく········くそぉ·······」
俺は少年に近づき抱き上げ立たせようとした。持ち上げた時、少年の体重は軽かったのに違和感を覚えつつも砂ぼこりを払ってあげた。
「良かったなこれで済ませてもらって。んでどうしてそんな事をしたんだ?いや、違うな。さっきのヤツから本当に盗ったのか?」
俺が少年の目を見ながら言うと、俺の姿に見た瞬間身体をビクつかせ俺の手を払った。
「さ、触るな!」
俺から少し距離を取りながら警戒した。まあ、そうなるよな。俺は払われた手を下ろし少年と同じ目線に為るように膝を曲げながら再度聞いた。
「大丈夫だ。俺は何もしないから。んで君は何をしたんだ?」
俺の質問にバツが悪かったのか目線を外し黙ってしまった。
「黙っていたら分からないぞ。さっき言った通りに俺はなにもしない。レイナもしないよな」
「するわけ無いだろう。黙ってるってことはさっき居たヤツの言う通りなんだろうよ」
「··············」
少年は否定もせず黙ったままであるが、レイナの言葉が図星だったのか自分の服の裾をぎゅっと握り締めた。
「はぁ、まあもう聞かないでおこう。送って行く次いでに飯でも食うか?あんまり食って無いんだろう」
「!?·······あっ······」
少年は嬉しそうな顔を一瞬見せたが何かを思い出したのかまた俯いてしまった。だが身体は正直なのかお腹の音が2つ聞こえた。もちろん俺ではない。少年は恥ずかしかったのか顔をほんのり赤らめ、レイナは頬を掻きながら申し訳なさい表情で言った。
「わりぃわりぃ、俺も腹減ったみたいだわ。さ、とりあえずお前も一緒に食いに行くぞ。そのあとで話を聞いてやるよ」
「で、でも······お金が······」
「いいんだよ。コイツの奢りだから好きなだけ食え」
「え········でも······」
「良いから良いから。さ、行くぞルゴウ。肉食いに行こうぜ」
レイナは戸惑う少年の手を取り引き始め俺にそう言った。ちゃっかり奢って貰おうとしているレイナに再度溜め息を吐きながら俺も歩きだした。
「へいへい、まだ余裕有るから問題ないが昼から飲むなよ。せめて帰ってからだぞ」
「わーってるって。楽しみは夜にとっておくからな。と言うわけでお前もさっさと歩け」
「え、あ······うん·······」
·················
························
····································
「いやー、食った食った。腹一杯になったか」
「はい······ありがとう、ございます」
食事を終えた俺達は店を出て適当に歩いている所だ。特に行き先は無い。どうせならこの少年を送って行くのもいいだろう。
「お前の家って何処に在るんだ?善ければ送って行くが」
「別にそこまでしなくていいよ。·······家って言っても私達みたいのが集まって暮らしてる所が在るくらいだし」
少年は少しばかり寂しそうな表情を浮かべなた。その様子をみたレイナが顎に手を当てながら言った。
「んー、てなるとスラム·······では無いな。孤児院か?」
「うん·······そうなんだ」
「じゃあなんであんなことやったんだ?食うには困らないはずだろ」
ふと疑問に思ったレイナがそう聞くと少年はどうしたら善いのかわからないと言った様子でポツリポツリと溢して言った。
「それは·····うん、そうなんだけど。シスター達の話をたまたま聞いちゃったんだ。お金が少ないからどうしようとか、支援金が少なくなってきているとか。ご飯の量も段々と少なくなってきてるしシスターもフラフラしているところを何度か見掛けた事があったから······どうにかしたかったんだ。だから······」
「だから盗ったのか······そんな事をしたらシスター達は怒るだろう?考えなかったのか?」
「考えてはいたんだ。······やってはいけないって。さっきの男が財布を落としたのを拾った時に返さなくてもバレないと思って持っていこうとしたんだ。でもすぐに落とした事に気づいた男にバレて逃げたんだけど捕まってああなったんだ」
「そんとき逃げずに返せばよかったものの······まぁいい。怪我もあまり無いことだし大人しく帰っておけ。なんなら少し寄付してやっからよ」
呆れつつも優しい言葉を掛けるレイナに少年は呆けた様な顔で見つめている。
「········いいの?」
「ああ、つってもルゴウの財布次第だけどな」
良い話になりそうなところで俺任せかよ。しかも、さも当然の様に言いながら指差してくるし。
「話を聞いていて寄付はしてあげようと思ってはいたが、せめてレイナも幾らか出してくれよ」
するとレイナはバツが悪そうな表情をし、照れた様に言った。
「んー、俺はちょい無理。今日の酒代と······アレ買わないといけないしな」
「アレ?·····あー、うん、そうだな。レイナの分も俺が出すよ」
レイナの反応からして察した俺は頷く他無い。うん、確かに必要だ。前にあの薬が残り少ないって言ってたし今の俺達には必要なんだよな。
少年は嬉しそうな表情を一瞬したが申し訳無さそうな表情に変わり言った。
「こんなに良くしてくれて嬉しいんだけど·····どうしてここまでしてくれるの?」
「んー、こんだけ事情を聞いて何もしないんじゃ後味悪いだろう。関わったんなら面倒は最低限みないとな」
「そう言うことだ。大した額ではないが少しはマシになるだろう。それに少年がまた馬鹿な事をしでかさない様な予防でもあるんだ。気にするな」
「「···············」」
何で2人してジト目を向けてくるんだよ。何も変な事を言ってないだろう。俺が2人の目線に困っていると少年は怒った風な口調で言った。
「男の子じゃなくて女の子なんだけど」
「え!?す、すまん」
男じゃなくて女だったの!?髪が短いし女の子っぽい服装と言うよりは男の子よりの服装だから勘違いしてしまった。だから最初に会ったときの反応があれだったのか。
「ったく、少しは分かれよな。おっぱいの有る無しで判断するんじゃねぇよ」
「うわぁ······」
レイナの余計な言葉でドン引きした少年·····じゃなくて少女は俺から一歩離れるように動いた。
「まるでそれ以外は見てない風に言うなよ!違うからなそこだけで判断してない無いからな」
「他のところも見てるんだ·····やっぱりやらしい」
俺の必死な弁解が更に誤解を与えて·····というか身を抱き寄せる様に腕を組、ジト目を向けてくるが一言言わせてもらおうか。
「間違えたのは申し訳無いと思うが、お前に興味は一切無いから安心しろ。それにまだまだ子ども··········っていってーな!?足を蹴るなよ!」
「それはそれでムカつく」
「なんなんだよ、ったく。·········とりあえず孤児院に行くぞ。レイナも何時まで笑ってんだよ」
「いや、わりぃわりぃ。面白くてな」
くぅ、確かに俺がやらかしているのには違いないから端から見たら面白いだろうな。ちくしょう、まだ足がいてぇ。良いところを蹴りやがって········
俺は後を引いている痛みを堪え、少女の案内の下孤児院へと歩き始めた。
善行 8/108




