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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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79.食糧が足りん!


 やっと晴れた····2日間降り続いてたから出るにも出れないから本当に暇だった。暇すぎて風呂場にしている場所にもう1つ大きめのサイズの浴槽を作った程だよ。大体6、7人は入れる位かな。今度は水抜に抜かりはないぞ。ただ水を抜いたら今度は排水問題が出てきて四苦八苦したけどね。排水口から道を土魔法で石へと作り替え溝を作り、更に土魔法を操り壁に横穴を開けた後その下に水が溜まるように穴を開けようとした。だがレイナがふと思い出した様に『そうやるんだったら水魔法で溜まってる水を操って外に放り込んだ方が早いんじゃね?』と言ってきた。そんなこと出来るのか?と半信半疑で残りの魔力で実際にやってみると出来た。いや、出来てしまった。今までの苦労はなんだったのだろうか。俺はショックの余り失意前体屈の姿勢で落ち込んでいると温かい言葉で励まされたのはまだ記憶に新しい。

 後はと言ったら······風呂作り終えてからは本当にやること失くなって大体はイチャイチャしてたけどね。エロいことばかりじゃ無かったからね。


「やっと晴れたなぁ。んー、まだ湿っぽいけど良い空気だ」


 身支度を整え終えたレイナが腕を上に挙げながら胸を反らし、大きく伸ばしていた。うん、相変わらず破壊的なまでの大きさだ。伸ばす事でより強調されて·····凄く良いです。

 そんな俺の視線に気が付いたのかニヤニヤとしながら悪戯っぽく今度は少し前屈み気味に言ってきた。


「ルゴウってばやらしーなー。俺の胸ばっかり視やがって。このスケベ」


「否定はしないな。こんなに立派なモノは拝まないと損だしな。まぁ、好きでもない奴のはどうでも良いが······それに胸以外もしっかり視てるぞ」


「ってことは尻か?」


「········もあるが、表情豊かな顔も視てるぞ」


「そっか。でも否定はしないんだな。やっぱりスケベじゃん」


 俺の正直な感想にカラカラとしながら笑い背中をバンバン叩いてくる。痛いからちょと力弱めてくれないか。


「さって、今日も張り切ってダンジョン探索に向かうか」


「いや、その前に食料調達な。この2日間で食料がかなり乏しいんだから」


「えー、マジかぁ。今日はお預けかよ」


 俺のツッコミに肩を落とし一気にやる気が下がってる様だが食料は大切だからな。街と違って自給自足だから後回しにすると食いっぱぐれるからな。


「そうだ、ついでに干し肉とか作らないといけないから行くなら明日だな」


「うへぇ、なんだよ。つまんねぇな」


「そう言うな。それに今日は甘酸っぱい木の実とかを採取したら砂糖煮でも作ろうかと思ってるから。あ、レイナって甘いモノは好きか?」


「まぁ、好きな方ではあるな。しゃあないし今日はそれを楽しみに頑張るか」


 何とか説得は出来た。ホントに自給自足だとこういう時不便に感じるんだよな。魔法袋も2つ有るし今後はあまり苦労はしなくなると思うが·····それでも街と比べるとまだまだなんだよな。そろそろ住むところ考えるかな。


 と言うわけで始まりました。今日の獲物は何になんでしょうか。っといっても中々遭遇しないんだよな。食べれそうな木の実は採取してるんだけどね。そろそろ肉が欲しいところなんだけどね。


「しっかし、なかなかいねぇな。お、やっぱりリンゴは美味いな」


「そうだなぁ、そろそろ木の実以外が欲しいところなんだが······虫ぐらいしか居ないもんな」


 俺とレイナはリンゴを噛りながらぼやいた。これで何も取れなければまた明日も狩りに出ないといけない。しょうがない、もう少し奥の方に足を延ばすか。

 暫く歩き続けると漸く生き物に遭遇した。そいつは周りをキョロキョロと視ながら声を挙げるとぞろぞろと同じ奴らが集まって移動している。此方には気づいて無い様子だ。よく視ると後方の方で女性が髪を引っ張られてずるずると引かれ、男も気を失っているのか足を引っ張られれている。


「獲物は居なかったがゴブリンか·····っとなるとアイツらは冒険者か」


「たぶんな、女が2人に男が1人、3人とも頭から血を流しているな。見た感じまだ何もされていないと思うが·····どうするレイナ?今アイツらを助けに行くか?」


「アイツらには申し訳ないが事が起きなければそのまま巣まで尾行する。そして巣を発見次第仕掛ける」


「了解、少しばかり胸は傷むがそうしよう」


 俺とレイナはゴブリン達に気付かれないよう茂みや木の陰を利用し尾行を開始した。途中で女の冒険者が意識を取り戻し悲痛な声を挙げ暴れもがいたが、それに怒ったゴブリンが女の冒険者を囲んで殴り、蹴りを繰り返し黙らせた。女の冒険者は苦痛な声を漏らしながら涙を流し嗚咽を吐いて再度引き摺られていった。俺は静観出来ず飛び出そうとしたがレイナに肩を掴まれ止められた。俺は感情のまま怒ろうとはしたがレイナの感情を無理矢理押し込んでいる表情と固く握られた拳を見て何とか抑えた。女の冒険者には申し訳ないがもう少し我慢してもらおう。


 奴らの巣に着いたのはそれから暫くしてからである。俺と同じく洞窟かと思いきや藁や木を使い家を作り、それが幾つも建っている。まるで集落みたいになっていた。1体のゴブリンが見張り役と何やら会話らしき事をしている。他の奴らは冒険者達を連れ中に入ろうとしていた。俺はレイナに向き合いもう良いかと訊ねた。


「ああ、もう我慢しなくて良い。奴らを一匹残らず殺す。ルゴウも我慢させて悪かったな」


「いや、大丈夫だ。お互いに奴らを根絶やしにしよう。冒険者は俺が確保し守るからレイナは好きなだけ暴れてこい。魔法で可能な限り援護する」


「了解。最初っからとばしていくぜ!」


 レイナはそういうと深紅之羽衣を纏い一気に駆け出した。俺も続く様に仙気を纏い駆け出した。まだ奴らは気付いていない。すっかり油断しているのだろう。俺は先制とばかりロックシュートを4つ作り、あの呑気に話し合っているゴブリン2体に目掛け放った。頭と胸側面に命中しデカイ風穴を開けるのに成功した。仲間がいきなり倒れた事に気がつき慌てだすゴブリンども。俺達に気が付くと一斉に大きな声を挙げ集落の中のゴブリンどもを呼び集め始めた。だが遅い。もうレイナがゴブリンどもと接敵し斬りかかっている。レイナは先程までの鬱憤を晴らすかの様に次々とゴブリンどもを斬り伏せ集落へと進んでいく。俺は外にいる連中を片付ける為、2本の剣を使って数を減らしていく。外側にいるゴブリンは多くない。おおよそ7体くらいだ。冒険者達から手を離し剣や棍棒で襲い掛かってくる。動きは早くなく大振りで隙だらけだ。何も怖くはない。斬っては弾いてまた斬ってと繰り返したらあっという間に7体全て始末できた。レイナに合流したいがまずは冒険者を保護しなければならない。俺は左手の剣を戻し冒険者に近くと先程まで嗚咽を吐いていた冒険者が腫らした顔を挙げた。目元は涙を流したせいで腫れぼったく涙でぐしゃぐしゃに濡れ、あまり焦点は合っていないようだ。


「だ、誰····ですか?私達、は、助かった、のですか?」


「ああ、遅くなってすまなかった。これを飲め。回復ポーションだ」


 俺は女の冒険者に一応念のためにと思って持ってきた回復ポーションを手に握らせた。女の冒険者は覚束ない手で回復ポーションを開け口に含むと傷がどんどんと癒えていく。しかし、何度か使ってるけど凄い効力だな。傷口は一瞬で塞がるし、今だって腫らした顔も癒えて元通りに治っていく。

 飲み終えた女の冒険者は痛みが失くなり一息ついた。


「助けて貰ってありがとうござ·······ひぃ!!こ、来ないで!」


 彼女はお礼を言おうと顔を挙げたら悲鳴を挙げて後ずさった。少しばかりショックは受けるがしょうがないよな。俺もゴブリンだし。彼女からしたら助かってない様に感じるのも無理はないよな。とりあえず声だけ掛けとくか。


「大丈夫だ、何もしない。動けるか?」


「·······」


 睨みつけるように視てくるだけで反応はしない。まぁ、そんなもんだよなぁ。しょうがないか。俺は溜め息を吐くと彼女は体をビクつかせ強張らせた。とりあえずレイナと合流するか。


「討ち漏らしが無いようにするが警戒はしておいてくれ。連れが心配だから合流したい」


「······私達をどうする気ですか?」


 連れがいる事により一層警戒色を強めた気もするが今は何を言っても無駄だろうな。


「どうもしない。悪いが回復ポーションはさっき渡した物しか無いからそこの2人はあんたで何とかしてくれ」


「えっ······」


 俺は彼女にそう言って背を向け、鞘に戻した剣を抜き集落へと走り出した。


 中に入るとゴブリンの死骸だらけで切り傷の他に炭化しながら斬られている奴もいる。まだ奥の方で戦闘音も聞こえるので討ち漏らしが無いか確認しつつ走っていくとレイナの姿が確認できた。相手はゴブリンでありながら巨体で筋肉がやけに発達している。今まで視たことが無いタイプだ。その他にも周りに一回り小さくはあるが以前に見たゴブリンジェネラルの姿も散見される。


「どうした!そんなもんか?どんどん掛かってこい!」


 レイナは声を荒気ながら大剣を振るうと次々と迫りくるゴブリンを切り払っていく。巨体のゴブリンも手に持つ剣で攻撃を仕掛けるが当たらない。レイナの反撃に対応は出来ているが力負けし弾かれ追撃は身を捩らせ何とか避けている。1対1でならレイナの圧勝だろうが如何せん周りのゴブリンジェネラルが邪魔しているな。だが、その邪魔もここまでだ。

 俺はゴブリンジェネラルに急接近し下段から一気に斬り上げた。斬られたゴブリンジェネラルは驚いた表情で俺を視てくる。奴らにとっては仲間だと思ったらしいが生憎、仲間ではない。だから今のうちに頸を切り落とす。周りのゴブリンどもも驚いているようで隙だらけだ。この隙にもう1体はいけると瞬時に判断し、距離を詰め上段からクロスするように斬りつけた。仲間がもう1体殺られた事により俺を敵と判断したのかレイナに向かっていたゴブリンどもが分散し始めた。これでレイナも戦いやすくなっただろう。


 レイナは俺の登場にニヤリと口の端を吊り上げ、より深紅之羽衣の深度を深めていった。俺も自重せず魔力も一緒に混ぜ合わせながら次々とゴブリンどもを斬りつけていった。どんどん仲間が減っていき焦り始めた巨体のゴブリンは声を挙げながらレイナに突っ込んでいった。背中が無防備過ぎる。背後から魔法で攻撃しようかと思ったらレイナが俺をしかめっ面で睨んできたので大人しくレイナの周りのゴブリンどもに向け放った。これなら文句は無いだろう。案の定でかしたっといった様にニンマリと口元だけ笑いを浮かべ巨体のゴブリンに斬りかかった。

 巨体のゴブリンは大剣を受け止めるため自分の剣を突き出したが、レイナの斬撃を止める事が叶わずその突き出した剣ごと叩き斬られた。巨体のゴブリンは斬られた事で血を流しながら後ろに下がり距離を取った。どうやら傷は浅かったらしい。だがこれで得物は無いのだ。ヤツを倒すのは時間の問題だろう。さて俺はレイナに邪魔が入らないよう残り4体となったゴブリンを片付けるとしよう。


 俺はロックシュートを5つ展開しながら何時でも射てるようにし、ゴブリンどもに接近していった。奴らも走ってくる俺を威嚇し、手に持つ剣や槍を向けてくる。俺は展開している1つを槍持ちに目掛け放ち、剣持ちに右手の剣を上段から斜めに斬りつけた。剣持ちは俺の剣を防ぎ押し返そうとしたのでその力を利用し、空いている左手の剣で掬い上げる様に斬り掛かる。が更にそれにも反応し見事に防がれた。まだまだと思ったが一度後ろに跳躍し距離を取ると俺のいた場所に槍が空を突いた。どうやらあれを防がれたらしい。ダンジョンと比べるとよく連携が取れているし、中々手強いな。そう思っていたら残り2体の剣持ちと棍棒持ちが俺に走ってきているのでそちらに残りの展開しているロックシュートを放ち、オマケとばかりにもう2つ放つと防ぎきる事が出来ず1体は脚と腹に風穴が開き、もう1体は顔面が吹き飛んだ。俺はもう一度周りに5つ展開し、狙いを残り2体に定め再度距離をつめた。今度は2体に展開しているロックシュートを時間差をつけ全て射出、槍持ちは捌ききれず一発だけ足に当たりバランスを崩しそのまま倒れ、剣持は避けきっていた。なので槍持ちは一旦無視して剣持に全力で斬りかかりるとそれを受け止めようとしていた。だが俺の全力の一撃は受け止めきれるようなモノではなかった。金属が割れる音と共にレイナと同じ様に剣ごと叩き斬ったのだ。俺はまだ致命傷には到ってないと瞬時に考え更に一歩踏み込み両手の剣を揃え水平に薙ぎ払い、上半身と下半身に切り裂いた。残りはまだ息をしている槍持ちで俺から逃げようと槍を杖代わりに少しずつ離れようとしていた。逃しはしない。俺は槍持ちに近づき必死に逃げている後ろから剣を二本突き立て絶命させた。


「お疲れさん、いやぁ中々多かったな」


「だな、っと言っても大半はレイナが倒したんじゃないのか」


 丁度レイナも終わった所だったのかそう声を掛けてきた。俺も剣についた露を払い鞘に納めレイナと向き合った。


「同じくらいじゃないか。でもまさかゴブリンキングが居るなんて思いもしなかったよな」


「あのデカイのがゴブリンキングだったのか····道理でゴブリンどもの連携が良いはずだ」


「そうなんだよな。そこが厄介なんだよな·····つっても俺らの敵じゃなかったんだけどな」


 からからと笑いつつ肩を叩いてくるのが地味に痛い。さて、ここはダンジョンではないから解体して魔石を取らないといけないし、死骸はそのままにすると病原菌の温床になったり腐臭が酷い事になるからどうにかしないとな。


「死骸の心配はしなくて良いぜ。どうせここら辺にもガルフやらドラングとか居るはずだから放って置いても処理してくれるさ。魔石は回収忘れない様にな」


「了解」


「はぁ、さって·····気が滅入るけど魔石回収の前にやることやるか。これがホントに嫌なんだがやらんとな。悪いがルゴウ念のため人間の姿に変身してくれ」


「あいよ。まぁ、やっぱり居ても不思議じゃ無いよな······」


 レイナはこの後の事について深く溜め息を吐いていた。俺も正直そうなのだが確認は必要である。被害者が居れば可能な限りケアしながら保護し、街まで護衛しなければならない。これがまた精神に直でくる。出来れば被害者は居らずあの冒険者達だけって事になって欲しい。


 俺とレイナは重い足取りで1つ1つの簡素な家の中を調べ始めていった。


善行 7/108

 

新しく書いた話がありますが、かなり好き勝手に書いています。興味のある紳士の方は読んでみて下さい。R15作品ですのでお気をつけ下さい

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