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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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72.素直になれる薬とは?

今回は構成もある程度決まってたのでいつもの時間に間に合いました

来週は正直どうなるか微妙です


 朝となり帰る時が来た。例の如く朝はいつもの光景だったが今日はレイナすんなり起きてくれた。俺達は身支度を整え宿に鍵を返し門に向かう途中、冒険者ギルド前でローナに会い出発する旨を伝えた。


「そうか、レイナの事を宜しく頼む。基本的に戦闘以外は役に立たないから面倒をみてやってくれ」


「おい」


「了解した。ユーリ達にも宜しく伝えといてくれ」


「ってルゴウまでもか!?」


 まさかの俺の裏切りにショックを受けたレイナを横にローナは言った。


「あぁ、レイナくれぐれも暴走するなよ。お前はすぐーーー」


「わーってるって。大丈夫だよ」


 レイナはローナの言葉を遮る様に飽き飽きといった様子で言った。


「はぁ、なら良いのだが·····」


 ローナ本当に心配そうに溜め息を吐きながらも納得してくれた。ローナの対応を見てしまうと今後が不安になってきそうだ。

 俺とローナの気持ちを露知らず、レイナはダンジョンの事を想ってか楽しそうである。


「よし、じゃあもう行くか」


「そうだな。ではローナまた後でな。場所はリンとユンが知っているから訊いてくれ」


「あぁ、了解した。準備が整ったら行くとする」


「あっちで待ってるぜ」


 ローナにそう言い残し、俺とレイナは街の外にへと歩きだした。


 帰りの道中は何気無い会話をしながら歩いていた。といっても先程の門での出来事であるが。


「いやぁ、さっきのは笑えるな」


「まぁ、あれは普通の反応だと思うが·····」


 何があったかと言うと門番の兵士が俺の首から下げているドッグタグを目にした瞬間固まっていたからである。その様子を見て横でレイナは爆笑していた。


「それにしてもレイナ、あん時は笑い過ぎだぞ。それに説明しても微妙な反応されたし」


「だってよぉ、あの2度見からの目を擦ってもう一回見るのは反則だろ」


「わからなくもないが······」


 俺が不満げに言うとレイナは悪びれた様子もなく、頭の後ろに手を組みながら笑顔で言った。


「それに良かったじゃねぇか。それ着けるおけば変身しても通させてもらえるんだからよ」


「まぁ、それは有難いことなのだが·····」


 確かにこれを着けているお陰で変身後も通れるが、それでもあの姿限定なんだよな。まぁ他の姿で入る気はないがな。

 ふと疑問に思ったのかレイナは何気無く俺に聞いてきた。


「そういやアレ以外は練習しなかったのか?」


「んー、正直変身してもなぁ。鳥になって飛ぶ事ぐらいしか思いつかない」


 正直使い道が限られていて現状必要性はない。なのでふと思い浮かんでこれが出来たらいいなってことを口に出した。

 レイナは俺の言葉を聞いて空を見上げながら言った。


「鳥かぁ·····でも仙術を上達させればその内飛べるんじゃないか?前にも言ったろ?」


「そう言えばそうだったか」


 じゃあ飛べるのであれば鳥になる必要性もないじゃないか。やっぱり変身って不要なんじゃないか。まぁ何かの役には立つかも知れないから練習だけはしておくか。


「ま、飛ぶにしても自分で考えて実践するしかないな。頑張れよ」


 レイナの言う通りだな。今までも手探りでやってきたんだ。頑張るとしよう。

 俺はそう内心で意気込み、軽い返事で返すことにした。


「はいはい······で本音は?」


「強くなったお前と闘いたい。欲を言えば進化後で」


「だと思った。まぁでも、負けっぱなしでいるのもイヤだから今度は勝つ気でいくからな」


「そう来なくっちゃ」


 今からその時の事を考えて楽しみしているが、まだ早いと思うぞ。俺はそんなに早く成長はしないって。


 話をしていたら丁度レイナ達と会ったであろう場所に来るとレイナがふと尋ねてきた。


「ところでルゴウ、今日は着いたらどうすんだ?すぐ行くのか?」


「いや、行かない。先に住みかの整理と軽く整理して明日は干し肉作りや木の実の採取をしようと思ってる」


「すぐ行くんじゃないのかよ」


 俺の返答に少し不満そうな表情しながら言ってきた。流石に直ぐには行かないよ。


「行かないよ。一応保存の利く食べ物とか持ってきているが数に限りがあるからな。それにダンジョンから帰ってきてヘトヘトの状態で狩りや採取はしたくはないんだ」


「まぁ、それもそうか。となると·····」


「早くて明日の昼くらいか明後日だろうな」


「えー、まぁ良いけどよ。飯は重要だしな」


 レイナは渋々という様子で納得してもらえた。本当に街と比べると物資が乏しくなるからな分かってもらえて有難い。それに楽しみが1つあるしな。

 俺は先導して森の中に入りつつもう1つの楽しみな事を言った。


「それにゆっくりと風呂に入りたいしな」


「ふろ?なんだそれは」


「えっ、知らないのか?」


 なん····だと·······。風呂を知らないのか?冒険者なら各地を廻ると思うが何処にもないのか?

 俺が脳裏で戦慄が過っているのとは対象的にレイナは訳がわからないといった様子で言った。


「いや、知らない。どういったモノ?なんだ」


「まぁ、簡単に言えばデカイ桶みたいな器に少し人肌よりは熱めにしたお湯を入れて浸かることだ」


 イメージとして言ってみたものの、レイナの様子を見る限り微妙そうだ。


「なんだそれ。新手の拷問か?」


「なわけないだろ······まぁ着いてからのお楽しみにしといてくれ」


 そんな拷問在るわけ······いや、前の世界ではあったな。といってもあれは煮詰めたお湯·····油?どっちだったか忘れたがそういうことをしていたな。だが、俺が思っている風呂とは違う。


「ん?まぁそうするけどよ。お湯なんかどうやって作るんだ?デカイ鍋でもあるのか」


「いや、魔法で何とかなるんだ。鍋だったらやたら時間がかかるだろ。何往復かしないと駄目だしな」


 そもそもデカイ鍋は持ってないし。お湯張るのに何時間掛かるんだ。本当に魔法って便利だわ。

 俺が言ったことに呆れた様子でレイナは言った。 


「まぁ魔法で補えるなら手間は掛からないが····そんなにお湯を使うのかよ」


「あぁ、多く使う分気持ちいいんだなぁこれが」


 いまいちイメージがつかないレイナを他所に俺は風呂に思いを寄せ、帰るのが楽しみになってきた。


···············

··························

··································


「ここが住みかか·····まぁ、想像通りだな」


 目的地に到着するとレイナはこんな事を言った。むしろこれ以外だったらどうするんだ?


「こんな森の中に立派な家とか無いだろ。それに家を作る知識なんか持ち合わせてない」


「違いない。むしろあったら反応に困るな」


 レイナは笑顔でそういうが俺は思うんだ。なら言うなよって。

 俺は一旦気持ちを切り替えて自分の住みかに目をやった。なんだか懐かしく思えてくる。そんなに長く離れていないが帰ってきた気持ちが湧いてくる。

 するとそんな俺の気持ちを知らずレイナは中に入っていった。ちょっと、もう少し感傷に浸らせてよ。


 久し振りに入るとやはり中は薄暗く、何処と無く土とカビのような臭い。俺が組んだ炉があったのでストックしてある木を適当に入れ、火を点けた。すると洞窟内に光に照らせれて周りが少し見えるようになった。


「意外と整っってるな」


「まぁ、あれは処理しないとな」


「だな」


 俺とレイナはカビの生えた木の実が集積してる所に目を向けた。大した量を採っていなかったが、暫く空けていればそりゃ生えるよな。


 俺はあまり持ちたくはないがカビの生えた木の実を手にし、洞窟の外へ捨てに行った。ついでに空気の入れ替えをするために風魔法で軽く風を出した。それを見ていたレイナは感心した様子であった。


「おー、凄いな。そんなに器用に魔法使うなんて」


「まぁ、俺は基本的に攻撃用にするよりも生活面で使っていたからな。その方が便利だったし、意外と練習にもなる」


「今度レヴィアに言っておくか」


 レイナはそう言いつつ武器や防具が集積してある一角に行き、気になるものは手にしては置いてを繰り返し始めた。まぁ好きにさせるか。


 俺は持ってきた物を大きめの袋から出し、仕分けてから飯の準備にかかった。とは言ってもここで凝った料理は出来ないので鍋に水魔法で水を入れ、そこに買ってきた野菜を適当な大きさに切り、干し肉を入れ塩胡椒で味付けをした。煮込むにつれいい香りがしてきたところでレイナの方向からお腹の音が聞こえてきた。レイナは恥ずかしそうに頭を掻きながら言った。


「いやぁ、美味そうな匂いがしてついなっちまったよ」


「もうすぐ出来るから待ってな」


「おうよ。じゃあ、俺は·····」


 レイナはそういうと自分の袋からごそごそと漁りだした。


「お、あったあった」


 すると袋の中から瓶とパンを取り出した。まさかその瓶は·····

 俺が言うよりも先にいつもの良い笑顔で言ってきた。


「やっぱりこれが無いとなぁ。今回は火酒だな。葡萄酒も持ってきているがこっちの方がいいだろう」


「パンは有難いが、酒かぁ·····」


 俺の一言が不満だったのか少しむくれた様にレイナは言った。


「なんだよ。飲みたくないのか?だったらやらないぞ」


「いや、飲みたいよ。ただ風呂に入る前に火酒はなぁ。湯船で寝るなよ。危ないから」


「大丈夫だって。一杯だけだしな」


「なら良いが····」


 承諾したものの不安しかない。絶対2杯3杯は飲むだろうな。俺はそう考えつつスープを器にに注ぎいていた。


 飯を食べ終えて、案の定互いに4杯飲んでアルコールがまわり始めてきた。やっぱり火酒はアルコール度数が高いな。俺は少し酔い醒ましがてら水をコップに入れ、レイナにも渡した。


「あぁ、良いよぉ。別にぃ無くても」


 少し頬を膨らませながら言うがちゃんと受け取ってくれた。にしても普段エールをあんなに飲んでも平気そうなのに火酒は駄目なんだな。いつもより出来上がるスピードが早いな。かくいう俺も大分きているが水を飲んで少しは和らいだ気がする。


「そうは言ってもいつもよりは強い酒なんだから明日にも残るし飲んでおけ」


「ちぇー、わかったよ。所で風呂ってのはいつ入れるんだ?」


 渋々ながらも水を口につけつつ、レイナは聞いてきた。


「まぁ、今日入らなくても明日で良いんだが·····」


「大丈夫だってぇ今日入ろうぜ。俺は気になってたんだよ」


 まさかそんなに楽しみにしていたなんて知らなかったのでつい驚いてしまい反応が遅れた。


「······なら準備するが、少し時間掛かるから待ってろよ」


「おうよー」


 レイナはそういうと笑顔で俺に手を振っていたので、俺は何処と無く嬉しいような気がしながら浴槽のある場所に向かった。



··················

························

·····························


「いやぁ、こりゃいいな。酒も良い感じに抜けてくし、早く知りたかったぜ。な、ルゴウ」


「そ、そうだな」


 何でこうなったんだろうなぁ······これは想定外だぞ。


「ん?どうしたんだ?」


「どうしたもこうしたも·····一緒に入る必要性は無いだろ」


「別に減るもんじゃねぇからいいだろ」


「いや、減りはしないと思うが·····狭くないか?」


 そう、半ば強制気味に一緒に入る事になったのだ。最初は否定したんだが······その、押しきられたと言うか欲望に負けたと言うか。薄暗いから問題無いだろうって事と話相手が欲しいと言われて入る事になった。


「んー、そう言われるとちょっと狭い気もするが問題無いだろ」


「逆にそれが問題なのだが·····」


「気にすんなって、それにな······」


「よ、酔ってるからいうぞ。·····その·······な、お前だから·····その····入る····わけで」


 段々と先程とは違い声が小さくなってきて顔ものぼせているのかというくらい赤みを帯びてきた。いや、酒のせいなのか?


「べ、別に····その·····なんだ。嫌いじゃないからこれくらい良いだろ」


 そういうと俺に背を向け、俺の股の間に座り胸元に背中を預けてきた。いや、ちょっと待て、その柔らかい感触は不味いって。アレが特に!!

 

 俺の葛藤に知ってか知らずかレイナは恥ずかしく照れながら俯いていた。なにこれすげぇ可愛いんだけど。でも、俺の心境的に結構危ういのよ。


 少しの間沈黙が続くと、俺の反応が気になったのかポツリと言った。


「ルゴウはどうなんだ······俺みたいな女は嫌か?」


「·······嫌いじゃない。むしろ好ましく想える、が、その·····なんだ、俺みたいな魔物で良いのかなんて思ってる」


「まぁ、他のヤツからしたら俺達の気持ちはおかしいと考えるだろうが。仕方ねぇじゃねぇか。······す、好きになっちまったんだから····」


 気恥ずかしそうに言うレイナを見て、俺は瞬時に鼓動が早くなりそれと同時に胸が締め付けられるような感覚が襲った。そして、自然とレイナの腰周りに腕を伸ばし抱き締めていた。


「あっ」


 俺の行動に少し驚いた様子であるが、直ぐに何が起きたか理解したように俺の方に身を預ける様に力を抜き寄り掛かってきた。


「なぁ、聞かせてくれ。俺は言ったんだ。ルゴウの気持ちはどうなんだ?」


 俺の気持ちを再度確かめようとレイナは催促した。そんなのは決まっている。初めはこんな感情は抱いていなかった。短い時間の付き合いだが様々な彼女の一面を観てきて少しずつこの感情を抱き惹かれていった。それと同時に自分を勝手に戒めて遠ざけようとしたがシュガーに勇気付けられて向き合う覚悟も出来た。それに女の子にここまで言われてヘタレるのは漢じゃないだろ。

 俺は意を決してレイナに俺の気持ちを伝えた。


「俺もレイナの事が好きだ。いつものレイナも好きだが、こういう可愛らしい一面が特に俺は好きなんだ」


「·······っ!?」


 俺がそう告げると顔を隠すように俯くが耳まで真っ赤に染まっていた。やっぱりこういうところが可愛いんだよなぁ。少しの間、俯いていたが多少落ち着いたのか顔を上げ、ハニカミながらポツリと言った。


「そっか·····」


 どこか嬉しそうにしているのがその言葉だけで分かる。その様な声だったのだから。かくいう俺は自分で言ってて気恥ずかしい。そして俺達は暫くの間、何を話す訳でもなくただ静寂のか時が経っていくのであーーーー


「ん?ルゴウ、俺に何か当たってるんだが····」


 レイナのその言葉に若干の気まずさを感じたが俺は素直に答えようと思う。


「えっと·······うん、まぁその·····なんだ。すまんもう限界」


「え、ちょ、ちょっと。急に····って。は、恥ずかしいから下ろせー!」


 正直もう限界です。流石にこの状態で我慢は出来ない。それに理性も持たない。さっきから可愛いんだよチキショーめー。

 俺はレイナを抱える様に腕を通し、湯船から上がり寝室として使ってる場所に向かって行った。レイナも口では言うがしっかりと俺の首に途中から腕を掛け暴れようとはしなかった。


善行 6/108

 

例の如く執筆中、暴走してしまいました。

色々と想う方がいらっしゃると思いますが楽しめて戴けたら幸いです。

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