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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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50.サラサの薬処

短めの話になってしまいました


 俺は女性を家まで送り終えた俺はサラサの薬処に向かった。あのあと何もなかったかって?何も無いよ。此方からは言い出しづらくて上着は返して貰えなかったけど。女性からは礼を言われた位だし。


 サラサの薬処に着き中に入る薬品の香りと共にアリスの元気な声が店内に響いた。


「いらっしゃいませー。あ、ルゴウだ」


 俺に気づいたのか昨日のジャンピングタックルではなく普通に駆け寄って来てくれた。アリスは来てくれたのが嬉しいのか満面の笑顔で言った。


「待ってたよー」


「ああ、約束だからな」


 俺はアリスの頭を撫でると嫌がりもせず気持ち良さそうにしている。するとカウンターの奥からアリスのお母さんも出てきた。


「あら、いらっしゃい。ゆっくり見ていってね」


「どうも」


 俺はアリスのお母さんに軽く挨拶をして店内を見回る事にした。その間アリスも俺にべったりと付いてきては薬の効果を教えてくれた。


「これはねぇ、風邪をひいた時に使うお薬でー。こっちは頭が痛い時に使うお薬」


「へぇ、アリスは物知りだねぇ」


「えへへー、頑張って覚えたんだぁ」


 あー、なんか癒されるわぁ。ここ最近人と関わると大抵振り回されていたからこういうの良いなぁ。

 俺がほっこりとしながらある程度欲しい品を見繕ってカウンターへ向かった。アリスのお母さんは笑顔で商品を受け取り袋に詰めて渡して言った。


「はい、どうぞ。お代は助けて貰ったお礼って事で今回は要らないわ」


「い、いや。あれは偶然の事だし、そこまでしなくても····」


 俺はその言葉聞いて慌てて否定したがアリスのお母さんは頭を横に振り言った。


「いいのよ、私の気持ちだと想ってくれれば」


「わかりました。ありがとうございます」


 俺はその好意を受け取りお礼を言った。アリスのお母さんはそれに満足したのか笑顔であった。


「せっかく来てくれたのだから、お茶でもしていかない?」


「そうだよ、あがっていってよ」


「んじゃあ、お言葉に甘えます」


 俺はお母さん逹にカウンターの奥の方に案内された。その後は何気ない会話やダンジョンでの出来事を話して、アリスからもお母さんと2人でお店を頑張っていることや近所のお友達と遊んだ時の話をした。たまにお客さんの相手をするためお母さんは店の方に顔を出したりとその時間をのんびりと過ごした。


 時が経つのが早いことで時間はすっかり日が沈み始める頃合いとなり俺は帰る事を伝えた。


「もうちょっと一緒にいようよー」


 アリスが寂しそうな顔でそう言ってきたが、お母さんがそれを宥めるように言った。


「アリス、ワガママ言わないの。また今度遊びに来てもらえばいいでしょ」


「えー、だってー」


「だってじゃありません」


「いいですよ、アリスまた来たときに遊ぼうな約束だ」


「·····約束だからね」


 そう言って俺はアリスの頭を撫でると渋々ながらも納得してくれた。お母さんは申し訳なさそうに俺に言ってきた。


「ごめんなさいね、あの人を亡くしてから良い子だったんだけど····」


「いいですよ、俺も会えて良かったですし。また来ますよ」


「ありがとうございます」


 お母さんはお礼を言ってアリスと一緒に俺に別れを告げた。


「また来てくださいね」


「ルゴウ、楽しみしてるからねー」


「おう、また来るよ」


 俺は若干の物寂しさを憶えながらレイナがいる宿へと帰るのであった。·····親子ってやっぱり良いもんだなぁ。


 善行 5/108



書き溜めは有るけど心許ないのでがんばります

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