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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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4.一人立ちと当面の目標

 母さんと抱き合った後、他の人族と一緒に洞窟の入り口まで向かった。途中、他の被害者達と合流して怯えられたが冒険者と呼ばれるさっきの人達が助け船を出してくれた。でも警戒はされたままだ。まぁ、こればっかりはしょうがないことだろう。


「んじゃ、俺たちはもう出発する。えーと、ルゴウで良いのか?」


「ハハ、ツケタ。オレノ、ナマエ」


 俺は頷きながらそう応えた。ルゴウ、母さんが俺にくれた大切な名前だ。


「よし、んじゃルゴウ。達者で暮らすんだぞ、もし俺らを見かけたら話掛けて····って言っても分かりづらいからこれを腕に巻いておけ、目印だ。」


 と言って赤い布切れを俺の腕に巻き付けた。


「これでよしっと、うん、これなら分かりやすい。見かけたらこれを着けたまま声かけてくれ。もし生きていて必要な物が有れば物々交換してやるよ」


「アリガトウ、タスカル」


 俺はもう一度、彼に頭を下げ礼を言った。彼も満更では無いような照れ臭いような感じで頭を掻いていた。優しい人だ。


「じゃあまた会ったときになぁ」


 彼はそう言うと手を振って皆を連れて帰って行った、母さんは何度か振り返っていたので心配されないよう見えなくなるまで手を振り続けた。


 さてと、これからどうしようか。改めて洞窟内に戻るとするか···正直魔力と仙気は回復し始めているが枯渇に近い状態で非常に眠たい。


 母さんと過ごした場所に戻ってホブゴブリンが焼けた異臭はするがここで寝ることにする。

 冒険者の仲間が文句を言いながら換気してくれていたので一酸化炭素中毒で死ぬことは無いだろう。

 とりあえず、寝るとしよう。



 あれからどれくらい時間が経ったかわからないが目が覚めた。いつもの景色だけど母さんがいない、寂しくは思うけど馴れなきゃいけない、前世では一人暮らしをしていたんだから大丈夫。その延長線上だと思うことにしよう。


 ふと気づいたんだが、体内にある魔力と仙気の量が増えた気がする。枯渇するまで使うと増えるんだろうか?要研究が必要だな。


 目が覚めたら覚めたで、腹が空いてきた。食べ物を探さないと。

 幸いにして洞窟内を探索したらはまだ食べ物は残っていた。と言っても木の実とか、何かの肉の塊だ。腐ってなければ良いが····無いよりはマシだ。ありがたいと思って食べよう、うん。流石に火の魔法を使って肉は焼いて食べたけども。


 さてっと、改めてここからどうするか。見た感じ食料はもって10食分くらい、肉は日持ちしないからそれを除くと5食かぁ····今日は休めたとしても明日以降は本格的に狩りに行かないとダメだな。

 武器は粗方回収されているが、粗末な物は置いてかれている。ボロい剣が二本、槍が一本、棍棒が三本、錆びだらけの大剣が一本。

 防具と服は····有るわけないよねぇ、嵩張りづらいし、何より被害者達に着せたりしてたから。

 後は小さめの袋が2つ発見できた、ちと傷んでるけど使えるから問題なし。


 剣とか使った事が無いけどぶっつけ本番で鍛練するしかないか。大剣は·····流石に振れない、重い。いや、仙気を纏えばギリギリ持てるけどやっぱり振れない。モ○ハンのハンター達はよくこんな重いもん振り回したり走ったり出来るなぁ、化け物か····いや、ゲームだからか。


 とりあえず今ある物で今後やっていかないと行けないから、出来るだけ大切に扱っていこう。

 洞窟内も散策を終えたから、次は洞窟の外だな軽く散策しないと。

 産まれてから一度も外に出たことないからな。何があるか理解しないと生きていけない。


 ーーー結果として結構周辺は恵まれていて木の実等わりとすぐ見つかった。水場もそんなに離れていないし悪くはない場所にゴブリン達は居たわけだ。

 ただ、見たことの無い生物が多数いたのがここは異世界であると改めて実感できる刺激となった。

 例えば角の生えたウサギとか、50㎝位あるバッタとかそれを食べてる同じ位の大きさの蜘蛛とか、空飛ぶカエルとか·····跳ぶんじゃなくて飛ぶんだからね。こう背中にコウモリみたいな翼があってそれをバサバサ羽ばたかせている。


 いやぁ、生き残れるんかねこんな環境で。冒険者はすごいなぁ。母さん大丈夫かなぁ。無事に着いたかなぁ。

 ダメだ感傷に浸ってしまう。親離れしないと。当面の目標はここの洞窟を拠点にして、狩りをしつつ魔法と仙術を鍛練していこうと考えてる。あと筋力と体力も上げないと死んでしまいます。ここ重要。


 食料は今日の分は有るし周りも暗くなってきたから、鍛錬して寝るとしよう。明日からはサバイバル生活(強制)の日々だから、今日だけのんびりしよう······



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