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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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45.どうしてこうなった


「おら、ガストやっちまえ!」


「相手はゴブリンだぞ、何時ものように軽くノシちまえよ」


「さぁさぁ、どちらが勝つか賭けた賭けた。ゴブリン対銀級『竜の牙』のガストだ!賭けなきゃ損だぞ」


 男たちの喧騒、ヤジが飛び交う中で俺は強面でガタイの良い男と対峙していた。手には2つの木剣と背中に大剣型の木剣を携えて。対する男は木剣を1つを持っている。


「おら、掛かってこいよ。なぁに死にゃしないんだから安心しなよ」


 そう言ってニヤニヤとしながら煽ってくる。ホントにどうしてこうなったんだか·····いや、売られた喧嘩を買わされた形なのだが、主にレイナのせいで。そんなレイナはと言うと。


「ほら、ガスト勝てよ。お前が勝つ方に賭けたんだからなー」


「そうですよー、買って酒代の足しにしましょ」


 そう言って暢気にエールを呷ってるし。レヴィアも同じく····俺を何だと思ってるんだ。そんな中からも元気な声で応援してくれる人もいる。


「あ、やっぱりルゴウだったんだ!ルゴウ頑張ってね!」


「そうだよー、可愛い女の子からの応援だよー。嬉しいでしょー」


「って何でアイツが居るんだよ。前見たときよりもでかくなってるし」


「まぁまぁ、顔馴染みだしウルバもルゴウを応援しようよ」


 久し振りだなぁ、『シルバーウィング』のみんな。元気そうでなりよりだわ。ほっこりと気持ちになりつつ俺は改めて目の前の男見て少しはやる気が出るようになった。まぁ、やるからには真剣にやらないと怪我するし、頑張るか。



ーーーーーーー時は遡る事、夕暮れ時


「さぁて、レヴィアを待つ次いでにギルドで1杯飲もうぜー」


「もう飲み始めるのか、いや、まぁ付き合うけども」


 買い物を終えた俺とレイナはレヴィアとの待ち合わせ場所として冒険者ギルドに向かっていた。流石にもう肩は組んでいない。歩き難いしな。他愛もない会話をしている内に冒険者ギルドに着き中に入ってテーブル席に2人に座った。······周りの目線が痛いのは変わらずだがレイナは気にした素振りは一切ない。そして早速エールを注文してるし。流石ですわぁ。


「んじゃ、飲もうぜルゴウ」


「ああ」


 そう言って冷えてはないエールを飲み始める。温くても美味しいものだなぁ。ただこう冷えたヤツも恋しくはなるんだよ。氷魔法とか無いのかなぁ。こう良い感じに冷える程度の丁度良いヤツ。今度練習してみようかなぁ、魔法ってイメージがつけば大体は発動出来るしやってみる価値は有りそう。


 そんなことを飲みながら考えているとレイナが2杯目を注文していた。1杯で終わるわけが無いよねぇ。2杯目がテーブルに届いたときにレヴィアも到着した。


「もう飲み始めてるなんて、レイナ狡いですよ」


「わりぃわりぃ。ま、レヴィアも飲んでこうぜ」


「勿論です、私にもエール下さい」


 席に着くと同時に早速注文するレヴィア。ホントにお酒となるとこの2人は·····いや、まぁダメでは無いんだけね。俺も飲んでるし、同罪です。


 改めて3人で乾杯して飲んでいると不意に見知らぬ強面の男達が近くにいた。その中の1人からドスの利いた声が発せられた。


「おいおい、いつからここは魔物が大きな顔をして飲むところになったんだぁ」


「たかがゴブリン風情が粋がってるんじゃねぇぞ」


「なんだお前ら、酒の邪魔しに来たのか?」


 ·······いや、あのレイナさん?俺が言われてるんだけど何故にあなたが反応するの?


「そうですよ、こちらは楽しく飲んでいるのに不粋ですよ」


 レヴィアさんも反応しないの。ほらこの人達も驚いているでしょ。第一この人達が怒ってるのって俺の事だから。俺が何か言うよりも先に初めに声を掛けてきた男が口を開いた。


「いや、レイナさん達じゃなくてコイツの事なんだが。俺達はコイツが我が物顔でここに居ることが気に食わないって事だ」


「そうだ、ガストは決してレイナさんと一緒に飲んでるゴブリンに対して妬ましいとか思ってないんだからな」


「お前は黙っとけ!」


 そう言って強面の男は隣の細身の男の頭に拳骨を落とした。落とされた男は相当効いたのか頭を抱えて蹲っている。


「俺らがどこで飲もうが勝手だろう?喧嘩売ってんのか?表出ろや!」


「そうですよ、そんな下らない理由で邪魔をしないでほしいですね」


 いや、だから話聞いてた?俺の事だからレイナじゃないって。これか、ユーリ達が言っていたこの2人と飲むと面倒くさいって。


「いや、だから······だー、もうとりあえずコイツと勝負させろ!」


 もう説明するのも面倒くさくなったのか俺に指を指して言い放った。今度は俺が驚く番だよ、何故に勝負しなくちゃいけないんだろうか。


「いや、勝負ってーーーー」


「良いだろう、受けて立とうじゃないか。なぁルゴウ」


「へっ!?」


 俺が理由を聞こうとした時にレイナがそれを被らすように承諾してくれた。何してくれてんのこの人。


「勝負ってことは何か賭けるって事で良いんですよね?」


「あぁ、俺が勝ったらコイツはここに2度と来ない事と今日は俺達と一緒に飲んでもらうって事だ」


「なるほど、負けた場合はどうしますか?私達に何をしてくれるんですか?」


 そうレヴィアが尋ねるとガストと呼ばれた男は顎に手を当てて思案しながら言った。


「そうだなぁ、俺が負けたらもう2度と文句は言わない」


「それだけじゃ賭けになりませんね。今日の私達の酒代全額負担でどうでしょうか?あ、勿論貴方たちは要りません。お金だけ寄越して下さい」


 怖いなぁ。何が怖いって?それは当事者である俺が承諾してないのに事が進んでることにたいしてだ。俺は一言、それも遮られてしか喋れてない。

 ガストもその提案に納得して了承し俺達は普段冒険者が利用している訓練場の広場に移動した。その間にもレイナ達からは「勝てよぉ、ただ酒が飲めるんだから」と言われる始末だ。


 そして冒頭に戻るわけで······


 俺とガストは互いに剣を向け開始の合図を待ち睨み合いをしている。審判役が両者の準備状態を目で確認して宣言した。


「魔物が相手だとは言え、互いに殺しはご法度だからな。いいな」


「わかってる」「了解」


「では······勝負開始!」


 喧騒と共に勝負の火蓋が落とされるのであった。


 善行 4/108


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