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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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40.俺はまだ·····


 受付の前に着いた俺達は受付嬢をやってる女性に今回の出来事を話した·····と言っても俺ではなくローナがだが。俺が近くに来たとき受付嬢は一瞬だがビクッと身体を強ばらせていたが内容を聞くうち、信じられない表情をしていたがダリルも話しに加わって信憑性が増したらしい。


「そうですねぇ····『土蜘蛛』を倒したのがこのゴブリンさんなのは判ったのですが魔物に襲われるのは日常的なので納得出来ますが······何で連れて来たんですか?正直必要が無かったのでは?」


 その事を聞いて俺はやっぱり必要無かったじゃんかとジト目をローナ達に送っていたが気にした感じもなく、寧ろ当然だと如く言ってのけた。


「確かに通常であれば必要は無いことだ。でもゴブリン1体が倒したって言っても信憑性は薄いだろう?幸い言葉も通じるし、以前にケビンが言っていた事もあったから連れてきた」


「ケビンさん·····?あぁ、友好的なゴブリンで以前に母子を助けたって言う事ですか?」


「そうだ、その母子からもギルド宛に彼に改めて感謝をしたいから探して欲しいって言われてたのを思い出したので連れてきたんだ」


「なるほど·····わかりました。ではまず先に依頼達成の手続きを始めましょうか」


 どうやら納得してもらったと考えて良いだろう。それにしてもあの親子ここに居たんだなぁ。元気でやってるかな?別に改めてお礼なんて良いんだけどな。

 俺があの親子について思い出しているとダリルが受付嬢に話しかけていた。


「あぁ、待ってサーシャちゃん。ギルドマスターって今日いる?彼と話したい事があるんだ」


「ギルドマスターですか?いらっしゃいますが何のご用件で?」


「いやぁ、まだ秘密って事で。彼とあって直接話したいからさ。何悪い話ではないさ」


「····ダリルさん、それって貴方にとってはって話じゃないんですか?」


 受付嬢は訝しげにダリルにジト目を送っているがダリルは「はて、何の事かな」って感じで惚けている。受付嬢はため息をしてギルドマスターに伺いに行くため席をたった。


 そんなに時間は経たない内に戻ってきて受付嬢はダリルに面会許可が下りた旨を伝え口頭で場所を伝え見送った。ダリルは面会出来ると知ってから終始笑顔だった·····怖いほどに。考えないでおこう。


 再度、受付嬢はため息を漏らしながら仕切り直して依頼達成の手続きをすることにした。ここは俺は完全に蚊帳の外だから周りをキョロキョロ観てるだけだと思っていたが·····


「今回の『土蜘蛛』の報酬は紅の戦乙女に加算しておきますね」


 そう受付嬢が言うと今まで黙っていたレイナが口を挟んできた。


「おいおい、俺達は何もやってないぜ。ここに本人が居るんだからそいつに渡さないのか?」


「本人って言っても魔物ですので·····ねぇ」


 ねぇって言いながら此方を見てくる受付嬢。言っている意味は凄くわかる。俺も受付嬢に賛同するように言った。


「レイナ、気持ちは有り難いが貰ったとして俺は困るぞ。お金の価値なんぞ知らないし。持ってても意味がない」


「でもよぉ、俺が納得いかないんだよ。他人の手柄を横取りする感じで」


 俺と受付嬢はどうすればレイナが納得するかわからず悩んでいるとユーリから提案があった。


「·····だったら一旦、私達で貰って後でルゴウに物で渡すのが良い。ルゴウもそれでいい?」


「俺はそっちの方が有り難いが····」


「······そうと決まればサーシャ、手続き進めて。私は早く帰ってベッドで寝たいから」


「それで良いってんならそうするけどよぉ」


「では手続き進めていきますね」


 受付嬢はやっと進めれると安心したのかテキパキと作業を行っていく。ユーリは欠伸をしながら、レイナはまだ完全に納得していない感じで作業を見ている。


 作業を終えた受付嬢は今回の報酬の入った袋を取り出しローナに渡してきた。


「はい、今回の依頼達成分の報酬と討伐依頼分の報酬です。合わせて金貨55枚、銀貨40枚です」


「確かに受け取った、すまないな手間を取らせて」


「いえいえ、大丈夫ですよ。お疲れ様でした」


「またな」


 報酬も受け取った物だし、これで解散になるかなと思った。······思ったがそんなことは無かった。またかレイナ、何故に肩に腕をまわしてくる。そして君たち何故に目を背ける。疲れたねーじゃないよ。ちょっとづつ距離を取るな、いやレヴィアは何かを察したのか俺に近づいてくる。そして腕を取ってくる。それはもう逃がさないとばかりに。

 あ、ローナが思い出したかの様に近づいてきた。そしてレイナに手に持った袋から金貨を2枚渡して言った。


「はい、明日分配するから2人の前借りね」


「おう、サンキュー」


「ローナ、有り難うね」


 そう言ってローナは去っていった。いや、助けてくれないの?これってもしかして····


「さーって今日は飲むぞー」


「はい、沢山飲みましょう。依頼後の楽しみですもんね」


「いや、俺関係無くない?お酒飲んだことないし、それに俺ゴブーー」


「つべこべ言ってねぇでに行くぞー」


「さぁさぁ行きましょう」


 いや、待ってて道中で話聞いたけどこの2人って確か、いやレヴィアが特に····おい、誰か助けろ!そこのおっさん達助けてくれ!ゴブリン如きが女2人に腕を取られていて観ようによっては侍らせてる図だぞ。羨ましい、許せんってなるだろ。········何で哀れな目線を送るだけなんだ。目を背けるな。おーーーい!


 こうして俺は2人に連れられて酒屋を巡る事になった。行く先々で店の人からぎょっとされたが2人の事を見たら哀れみの目線に変わるのが何とも····

 はぁ、何時になったら俺は我が家に帰れるんだ·······


 善行 4/108


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