36.荷馬車と冒険者3····え!?
カオスに満ちた状況がやっと落ち着いてきたので違う話題を振ることにした。
「ところで君たちの名前はなんて言うの?色々有りすぎたせいで聞きそびれたんだけど」
「····あぁ、私達な。そういえば言ってなかったね。改めて自己紹介するよ。私はローナ言う。紅の戦乙女のリーダーで剣士をやってる」
「うぅ、俺はレイナ。見ての通り前衛職だ」
「私はレヴィアと言います。主に弓と魔法を使ってサポートをしています」
「····ユーリ。斥候を行ったり遊撃したりしてる」
「私はマリア。皆が怪我した時に回復したり補助魔法を使ってるの」
ローナ達は快く自己紹介をしてもらった·····若干1名は立ち直ってはいないが。自己紹介して貰ったお陰でなんて呼べば良いか分かりやすくなって良かった。ってかなんでこんなに疲れてるんだろ?
「ありがとう、助かるよ。ローナ達はどうしてここに·····って聞かなくてもわかるか。荷馬車の護衛で来たんだよね?」
「そう、今はヤクト商会の積み荷をこの先のロサルガって街まで送ってるとこだ」
視界の端っこでレイナが今思い出してヤバいって顔をしてるのは見なかったことにしよう。なんだろう、やっぱ残念な子なんだろうか?あ、ユーリがレイナの表情に気がついてニヤニヤしてる。
「今回の護衛はルゴウが討伐した『土蜘蛛』に襲われたら迎撃するためのものだったんだけど···手間が省けて助かったよ。改めて礼を言うよ、ありがとう」
「気にしないで良いよ。薬草とか食べ物の採取の時に見掛けて放置出来なかっただけだから」
「····何て言うかルゴウってゴブリンらしくはないよね。どちらかと言うと人間くさい部分があるよね」
「あぁ、私も思ったわ。レイナの身体でって話しても断られたしね」
「おい」
「·····普通はゴブリンなら喜んで食らいつくは····いや、ないかレイナだし」
「おい、喧嘩売ってるのか?買うぞ」
「はいはい、そこまで。レイナも落ち着いて」
「だってよぉ、ローナ」
「気にしないでって言われたけど、やっぱりお礼として何かしてあげたいんだけど何かある?」
「無視された!?」
レイナが落ち込んで若干涙目になってからの無視でかなりショックを受けているみたいだけど空気を読んで放置で良いよね、うん。
「これと言って今はないかなぁ」
「そっかぁ、無理に言っても困ると思うし今度会ったときに教えて」
「わかった、そうするよ」
そう話していると荷馬車の方から男性の声が上がった。
「おーい、そろそろ良いかい?話し込んでたら日が暮ちまうよ」
「すみません、今行きまーす。じゃあと言うわけでルゴウまた会ったときにね」
「おう、また今度ね」
といってローナ達は荷馬車に向かおうとした。·····1名を除いて。
レイナが荷馬車に向かわない、何故?ショックから立ち直りはしたが何故に皆に着いて行かないんだ?
「よし、ルゴウも行くぞ」
「は?」
この子は何を急に言ってるんだ?ほら他の皆も疑問に思ってるぞ。
「いや、どうやって『土蜘蛛』に対しての説明するんだって。ゴブリンがやっつけましたっ俺達が説明しても分かってもらえないじゃん」
え、そう言うこと?皆もあー、そっかぁって納してる感じがある。レヴィアは何か思った様子ではあったがあえて流す方向にしてるっぽい。なんだ、何故に言わない。
「いや、それはレイナ達がやったって事でーーー」
「嫌だね、人の手柄を取るまで落ちぶれてないぞ。と言うわけで行くぞー」
「い、いや、ちょっと」
そう言ってレイナは俺の肩に腕をまわし荷馬車のところまで連行していった。俺は抵抗はしようとしたけど、どっからその力が出るんだって感じで抵抗も虚しく連れてかれた。俺の意思は関係無いらしい。皆も何事も無かったかのように移動を再開しないで!
善行 4/108




