35.荷馬車と冒険者2
俺がお説教を観ていると荷馬車と残りの冒険者たちがこちらに到着した。
「もう、レイナってば先走り過ぎだって」
「·····そう、人の話は良く聞く。猪女」
「せっかちさんは婚期を逃しますよ」
「うっせぇ、皆してなんだよ。馬鹿にしやがって。それに俺だけじゃなくて皆、男いないじゃないか」
「「「「それを言うな!!」」」」
お、おう。反応に困る内容だな。見たところ女パーティーでやってるし、皆さん美人さんだと思うんだが·····御者さんも苦笑いしてるし。なんか知ってるんだろうか?
「·····ところで彼ほっといて良いの?」
あ、やっと気づいてくれた。話に加われそう。
「ん?あぁ、そうだった。もう一度聞くけどローナなんで止めたんだ?コイツどっからどう見てもゴブリンだろ」
「ケビンから話あっただろう?ほら赤いスカーフを着けていて単独で行動してるゴブリンがいるって」
「·······あぁ、あ?そうだっけか?」
「もう、相変わらず記憶力はない困った子ちゃんねぇ」
「····うん、レイナの頭は鳥頭」
「うっせぇ」
「はいはい、ちゃちゃ入れないの。ローナ、コイツが話に聞くルゴウってゴブリン?」
「そうだと思うけど本人に聞いた方が早いんじゃない?」
お、おう。一斉にこっち目を向けないでくれ。久しぶりの大人数からの視線でちょいとビビってしまう。とりあえず応えないと。
「あ、あぁ。ケビンから話を聞いていたと思うけど俺がルゴウだ。よろしく」
·····なぜ、挨拶しただけで皆驚いた顔をする。ってかレイナよ、君が驚くのはおかしいぞ。しっかり会話(?)してたじゃん。
俺が若干不満そうな顔をしているとローナが慌てた感じで言った。
「いや、悪いルゴウ。正直そんなに流暢に喋れるなんて思いもしなかったから·····」
「いや、別に君たちが悪いんじゃ無いんだけど····ローナ?って人とは喋っていたんだが····」
俺がそう言ったら皆の目線はローナに向かって心なしかジト目になってる気がする。
ローナは話が振られて一瞬ビクっとなって言い訳をする。
「い、いやー、ついあの時熱くなってたからか気にしてなかったっつうか。そのぉ···すまん」
「はぁ、まぁレイナですからね」
「レイナだからな」
「····馬鹿だから」
「お馬鹿さんですからねぇ」
「皆酷くない?ってかユーリとマリアからの俺の扱いおかしくないか?」
·····何となくレイナって人の事わかってきたような、そしてまたワイワイと盛り上がってるし。楽しそうだね、見てる分には。
話がまとまらないと思ったのかローナが間を割って入る様に言う。
「はいはい、そこまで。レイナのそれは今に始まった物じゃないんだからこれ以上言わない」
「酷くない!?」
「ところでルゴウはここで何をしていたの?ユーリから少しは話を聞いたんだけど要領を得なくて話して貰えない?」
「あぁ、ここにいたのは·····」
と俺はここにいた経緯と野盗の事を話、実際に野盗の顔を確認してもらった。
皆は俺が始末した野盗を知っていたのか少し驚いた表情をしている。
「驚いた、コイツらって最近ここら辺で荒らしまくってた『土蜘蛛』じゃないか」
「それにリーダーもいるし、お手柄だね」
「·····そんなお手柄なルゴウに斬りかかるってどっちが悪者かわからないねぇ。ねぇ、レイナ?」
「·····申し訳ない」
「いや、もう気にしてないから大丈夫だよ」
「あら、許しちゃって良いの?もうちょっとそこは『こちとら大迷惑だ!謝罪として身体を····』っ的な事を言わないと」
「んなっ!?そ、そんなこと思ってたのか!」
「いや、思ってないから!そんなん要らないし」
「俺じゃ不服だって言うのか!?」
「やだ、コイツめんどくさい!どうすりゃええねん」
「素直に貰っちゃいなさいよー、お姉さんが許します」
「いや、あんたが許してどうする。寧ろあんたがこの状況作り出したんでしょ?楽しいんでないかい?」
「楽しいに決まってるじゃない。レイナは弄り概があるからねぇ」
「くそぉ、どいつもこいつも俺のこと馬鹿にしやがってー」
あーあ、レイナがすっかり拗ねてしまった。そんなレイナをローナが慰めてるし。
なんか段々とカオスになってきたなこの状況····
善行 4/108




