31.エンカウントしました
風呂を作って数日、俺はのんびりとダンジョンには向かわずゆっくりと過ごしていた。ゆっくりと言ってもいつもの日課は忘れず行いつつである。
風呂にもバリエーションを増やすため色々な花や薬草、果物を見つけたら試しに皮を乾燥させてから入れることにしてより生活を快適にしようとしていた。
そんなある日、新たな薬草系を探しに少し遠出を行った時に奴等と遭遇した。そう人間である。観るからに格好からして怪しい。この前に会った野盗と同じ様な姿の人間が10人ほど路上の脇道で待機している。
こんなところで何をしているんだろうか?まさか荷馬車でも襲おうとしているんだろうか?だったら先に片付けておくか?いやでも、もし俺の勘違いで実は冒険者でとかだったら嫌だなぁ。っと色んな事を考えていたが結局様子見と言うことにした。幸い彼方は俺に気付いて無いしこの距離感を保ちつつ様子見をすることにする。
様子見をしている内にいくつか会話が聞き取れてきた。
「兄貴ぃ、こんなとこにホントに来るんすか?朝から張ってますが全然人っ子1人通らないぜっすよぉ」
「わざわざ変装して街の酒場まで行ったんだ。絶対に通るに違いない」
「ホントっすか?たまに兄貴ガセ掴まされるから心配なんすよぉ」
「そこは俺を信じとけって。まぁガセ掴まされるんはただ運が無いときだって。それに今日の獲物はあのヤクト商会がここを通るってんだから寧ろ張らなきゃ損だろ」
「確かにここいらじゃ大手っすけど····」
「なぁに、成功したら酒や食料が手に入るんだ。今からでも楽しみにしとけって」
「そうっすね、女もいたら更にめっけもんっすもんね。いやぁ、久方ぶりだから張り切っちゃおうかなぁ」
「おう、その粋だ。ただ気だけは抜くなよ」
「了解っす!」
あぁ、こりゃもう黒だなぁ。そのヤクト商会?ってのが来る前に片付けておくか。なんかコイツら無視して採取に向かったら気になって寝覚め悪そうだからね。
とは言っても全員は厳しいかなぁ、何人かは取り逃しそうだな。どうすっかなぁ?見える範囲で道の両脇に合計10人しか見えないし。他に伏兵が居たら取り逃すし。かといってこっそり近づくにしても足音とかでバレて警戒されそうだし。
··········いや、待てよ。普通に魔法とか駆使して倒してけばいいんじゃない?だって俺ゴブリンだし。例え全員片付けられなくても暫くここら辺廻っておけばその内姿を見せるか、脅威を感じて近寄らないんじゃないか?
そうだ、そうしよう。そうと決まれば実行だ。先ずは近場のさっき話あっていたアイツらを標的にして螺旋型ロックシュートを2つ作って発射!
「ガッ」「ウッ、て、敵襲だ!」
「何だと!?ここに張ってんのがバレたのか?探せ!生きて返すな!」
1人は殺れたけど、もう1人は狙いが甘かったみたいで右肩に当たってしまったかぁ。気を取り直してもう一回。
まだ見つかってはいないし、今度は3発作ってみるか。以前までは2つまでしか精密に作れなかったから今はいけそうな気がする。
だけど3発目は一応発動は出来たが形は結構歪だった螺旋型と言うよりは先端がボコボコしてる弾見たいに·····アレ?この形状確かヤバかった様な?何だっけ一時期何か調べた記憶があるけど····確かダムダム弾に近い様な、まぁいいか。深くは考えないでおこう。
気を取り直してもう一度今度は狙いを定めて発射だ。
「グッ」「ガッ」「ぎやぁあぁ、いてぇいてぇよぉ」
「どこだ、何処に居やがる!」
「頭!あっちの森の方から攻撃がありました!」
最初の負傷したヤツともう1人は殺れたけど···もう1人はあのロックシュート当たったヤツか。
貫通はしなかったものの痛がり方が尋常じゃない。腹に当たったが周りに破片も対して飛び散っていない事を見ると内部に·····考えるのを止めておこう。そしてこれは封印だ。前世でもこれは非人道的として禁止されているからこんなの当たり前だ。二度と作成しないでおこう。次からは練習してからだ。
そうこう考えてたら向こう連中が此方の方向に姿勢を低くしながら接近してきている。数で3人、1人は弓に手を掛け何時でも引ける準備をして2人は短剣を抜いている。
向こうの方ではやはり隠れていた5人が頭と思われる人物に接近してきている指示を仰ぎに向かっている。狙いどこだが丁度木々が邪魔で撃てない。ここは確実に遠くは無視して、接近してきている奴等を仕留めよう。
俺は腰にある剣を抜き、螺旋型ロックシュートを2つ作り何時でも撃てる様に準備をする。
弓を持ってるヤツは木の影に隠れ味方を援護出来るようにし2人は更に接近してきている。
ふぅ、落ち着け。焦ると良くないぞ。一瞬のミスでこっちが不利になるから着実に行こう。俺は意を決して隠れている木から飛び出る様に出て接近してくるヤツ等に向かって2つ発射した。
「なっ!?ガッ」
「クソッ!ゴブリンだ!しかも魔法を使いやがる!」
っチ、1人は始末出来たが1人は勘が良かったのか避けられてしまった。だが構うことはない横っ飛びしてくれたお陰で弓を持っているヤツの道が開けている。
「な、は、速い!?」
俺は真っ先に弓を持ってるヤツに接近して素早く剣を振った。弓を持ってるヤツは構えるのが間に合わずそのまま斬られて倒れていった。
「クソ、なんなんだよこのゴブリン。死にさらせや!」
先ほど逃したヤツは俺を追ってくる形で走ってきてそのまま短剣で斬り込んでくる。俺は冷静にもう片方で持っていた剣で攻撃を受け止めてもう片方を突き出すように出す。相手は剣が2本有ることに気づいてか素早く剣を引き突きを防いだ。そして防いだらお返しとばかりに突きだしてくる。
·····く、流石に一筋縄ではいかないか。ここで攻防してる間に仲間が合流してきたらかなりしんどいぞ。人と打ち合うのは初めてだけどコイツ強いんか?めちゃくちゃ防ぐの巧いし、攻撃も鋭い気がする。しかも仲間が来るのを狙ってるってのも有るかもしれないが他に何かをしそうな雰囲気がある。空いてる手を腰付近で隠してるし。
さてどうしたものか、ここから打開するには······
善行 3/108




