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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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23.少しだけ、先っちょだけでいいから


 基本的に俺が囮になり数を減らし2人に戦闘を経験させている。リンの魔力量は同じ駆け出しの冒険者の中でも多いくらいで35回は使えるらしい。ユンは平均より上くらいで28回となる。俺の最初の頃より多い。

 何でもエルフ族、人族、ドワーフ族、獣人族によって魔力量は異なるらしい。

 平均的な子供の魔力量は、エルフ族は46回、人族は27回、ドワーフ族は22回、獣人族は18回となる。これはあくまで平均であり結構前後するらしい。


 これらを見て俺は思う、ゴブリンって魔法に向いてないんじゃないのかって。

 いや、生まれてから何だかんだで1年迎えて無いけど、結構身体は成長してるけど。いやそもそもゴブリンって基本的に色んな物語では雑魚キャラ扱いだから仕方ないとは思うけど。

 むしろゴブリンで魔法使えるのが珍しいのとゴブリンメイジに進化すれば普通のゴブリンよりは魔力量は多いらしい····


 俺は気づけば進化みたいなのをしていてゴブリンファイターになってたらしいからなぁ、いや、後悔はないよ。むしろ色んな事が出来て良かったって思ってる。······だいぶ話が逸れた。


 なのでリンは魔法を使いながら、ユンはあのメイスみたいなのでスケルトンを倒している。

 そして今ボス部屋の前まで来ている。


「この先やけに開けてるね。あ、向こう側に扉がある!ルゴウあれってもしかして?」


「ソウ、下ニ行ク扉ダ。隣ノ宝箱ハココノボスヲ倒セバ手ニ入ル」


「へー、そうなんだー!何が入ってるんだろう?ワクワクするね!」


「お金かなー、装備かなー、何かな何かなー」


「コラ、気ヲ抜カナイデイクゾ」


「「はーい」」


 人がいるだけでいつものダンジョン探索とは一味違うなと感じる。いつも1人で攻略してたから何て言うか集団で来ると楽しく感じる。

 だからと言ってここで俺が気を抜いて彼女たちを危険に晒すのはよくない。

 例え何度も来て戦ってるからと慢心していると死に直結するのを体現してきたからである。


 そう、今一度自分の心に喝を入れてボス部屋に乗り込んだ。

 いつも通りのデカイスケルトンである。それが2体··········ん?2体?あれ1体じゃないの?


「おぉ、さっきまでと戦ってきたスケルトンとは違うねー。あの感じはスケルトンナイトかな?」


「確かそうだったようなー。スケルトンより強いらしいから気張ってこー」


 何か起きてからじゃ遅いから、ここは高威力の一撃で対処するか。たぶん彼女たちじゃコイツは荷が重いと思う。

 そう思い俺は剣を納めて、大剣に手を掛け抜いた。


「おー、ルゴウの大剣を初めて見れるー。頑張ってねー」


「1体目ハ早メニ倒ス。2体目ハ引キ付ケルカラ、2人デ倒シテミテ」


「わかったよ」


 そういって俺はスケルトンに向かって突撃した。まずは1体、上段から一気に振り下ろす!

 スケルトンは横に避けつつ盾でガード使用とするが普通の剣とは重量が違うためガードを押し切り鎖骨辺りから下に両断された。

 やはり大剣は良い、切れ味も然ることながら勢いと重量があれば多少の防具だろうと断ち切る事ができる。そうじゃなくても大きなダメージになる。

 縦に半分にされたスケルトンはさすがに動けることはなく消滅した。

 それを横目にもう1体を反射的に大剣で斬りかかろうとしてしまったので、手首を返して打撃に切り替えた。

 斬らなかったことでスケルトンを大きく飛ばし怯ませることに成功した。決してかなり弱らせてしまったわけではない。プルプル震えながら立とうとはしているけども。


「リン、今ガチャンス」


「わかった!火の精霊よ、我が魔力を糧として力を与えよ、ファイアーボール!」


 スケルトンは避ける事も出来ずにそのまま直撃して倒すことに成功した。


「やったね、スケルトンナイトを倒したよ」


「倒したけどもー、ルゴウがねー」


 くっ、ユンよこっちを見るな。ついやってしまったんだ。そんな予定は無かったんだ。だからそんな目で見続けるな。


「ま、いいかー。さてと石も回収してー。お宝お宝ー」


「あ、そうだ。何が入ってるのかなぁ」


 リン達は初めての宝箱に目を輝かせながら向かっていった。俺はそんな2人の反応に懐かしさを覚えながら着いていった。


「さー、何が出るかなー。良いのがいいなー」


「ユン、一緒に開けようよ。せーの、だよ」


「ラジャー」


「「せーのー」」


 そういって二人は仲良く箱を開けた。中からはマントが1着と杖が1本入っていた。

 俺の時はそんな出でなかったのに開ける人とかで変わるのか?どうなんだろう?


「おー、マントと木の杖かぁ」


「私はこれがあるからー、マントを貰おー」


「僕は木の杖かなぁ····て、あ!」


「ン?ドウシタンダ?」


 リンが何かに気がついてこちらに申し訳ない顔で近づいてくる。何かあったのだろうか?


「ごめんね、ルゴウ。僕達初めてのダンジョンだから浮かれててルゴウの事考えて無かった」


「ドウイウコトダ?」


「これ、ルゴウにも貰う権利が有るから渡すね」


「あー、私も浮かれてた。ごめんねー」


 俺は思わず笑ってしまった。そんな残念そうな顔しながらつい可笑しくて。俺が笑った事に対して2人は不満そうに言った。


「な、なんだよぉ。何が可笑しいのさ」


「そうだよー、こっちは反省してるのにー」


「イヤー、スマナイ。ワカッテイルンダガ····」


「もう、ルゴウ!」


「ハァ、ヨシット。俺ニハ、コノ2ツハ要ラナイノト、初メテノ攻略ノ記念ニ持ッテイッテイイゾ」


「そんなー、僕達だけ貰ってばかりじゃ申し訳ないよ」


「そうだよー、何かお礼くらいしても良いじゃんー」


「イインダヨ気ニシナクテ。塩ノ礼ダト思ッテ貰ッテオケ」


「うん·····わかった」


 そういって大事そうにそして嬉しそうに手にしている。俺はまた笑いそうになるが堪えてこの先は向かわず帰ろうかと伝えようとした。

だが、ユンが·····


「ねぇねぇ、少しだけ先っちょだけで良いからー。ね、お願いー。ほらー、リンからお願いしてー」


「僕たち言うこと聞くからお願い、ルゴウ」


 っく、そんな目をうるうるさせながらこちらを見るな!


「ワカッタ、ワカッタ。少シダケナ、下ニ行コウ」


「やったー、ありがとう、ルゴウ!」


「流石ルゴウー、大好きだよー」


 ·····く、これが男の性ってやつか、断れなかった。安全面を考えると2階からは危険な感じがするけど何とか守って行きながら進めよう。

 ······あ、左ルートは回るだけだから·····よしそうしよう。

 俺はよこしまな事を考えつつ2人を連れて下に降りるのであった。


善行 3/108


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