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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
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109.ユーリちゃん、お手柄だね!

お久しぶりです

まだリアル事情が絡んでいて不定期になりそうですが今しばらく気長にお待ち下さい


 どうもー、自分からフラグなんて立てるようなもんじゃ無いな後悔しているルゴウです。本当ねぇ········なんであんな事を思ったんだろうか。でも幸いな事になんとか回避することは出来たんだ。これもミラのお陰だよ。ミラが反対しなければまた連れてかれるとこだった。本当に感謝だ。ただ········なんでだろうか。風呂から上がってきたあたりからミラが俺を値踏みしているような視線が時折してきているのが気になった。その視線に耐えかねて聞いてみたものの「んー?ようわからんにゃ」と意味不明な回答が返ってくるし、終いには「まぁ、確かにそうかもにゃ········でも········うーん?」と首を傾げながら独り言を呟きだしていた。うん、何が確かになのかさっぱり分らん。取り敢えず放っておこう。

 俺はレイナとリン、レヴィアで仲良く風呂に入り身体の疲れを癒やし、上がった後に飯食って明日の行動を軽く打ち合わせして就寝した。


 翌朝は全員身支度と装備の点検を行い、ダンジョンへと向かった。道中のミラは昨日の不可解な言動と打って変わり、気分が高揚しているのかうずうずとしてはレイナ達にダンジョンの話を聴いては目を輝かせていた。

 さて、ダンジョンに無事到着した俺達はミラの要望通り1階層からスタートしている。分かってはいることであるがパーティー人数が増えるとそれ相応に魔物の数は増えていたが、それでも俺達にとっては相手にならない強さだった。ま、スケルトンだしな。亜種が混じってようが数が多くても苦戦はしないだろう。········流石に通路一杯にスケルトンが溢れかえっていたら話は別だろうがな。そんな事は無いだろうし今もその兆候は無い。


 それにしてもミラは戦闘になると変わるんだよな。通常時のあの奔放さからは想像が着かないのだが、しっかりと冷静に判断して深追いはせずヒット&アウェイを心掛けつつ隙あらば攻め込んでいく。初めてミラと一緒に戦闘をした時はレイナみたいに突っ込んで行くのかとは思ったんだが、予想が外れて驚いたな。それに今も振るい続けている槍········十文字槍なのだがよくあんなに使いこなせているなと感心している。前にミラに触らせてもらったが俺には向いてないって思ったよ。ミラからは「まぁ一朝一夕で扱えるもんでも無いにゃ。使えないのも無理ないにゃ。むしろルゴウのスタイルがおかしいのにゃ。あんにゃの誰もやらないのにゃ」と呆れた顔で言われた。誰にも理解してもらえないのが悲しい········。


 話を戻そう。探索はスムーズに進み8階層まで来れた。ここの階層はマッピングは出来ているからそのまま一直線に次の階層へと行くか。俺はこの階層の手書きの地図を取り出すとユーリがそれを覗いてきた。


「········それってここの?」


「ああ、ここの階層はやたら部屋が多いから覚えられなかったんだよ」


「········ふーん、その分収穫はあった?」


「いいや、ほとんど無い。魔物もいなければ宝箱も無かったな。いや、ミミックはいたか」


 本当に部屋に入る度に肩透かしをくらった記憶しかない。するとユーリは俺をジッと見つめ神妙そうに聞いてきた。


「········ねぇ、本当に何にも無かった?」


「ああ、俺とレイナが見た感じではな」


「········うーん、ルゴウそれ貸して。········後、ローナここの階層廻ってもいい?」


「ああ、構わない。皆もそれでいいのか」


 ローナの確認に全員頷きこの階層を再度探索することになった。ユーリは俺が手渡した地図を見ながら進んでいき、気になった部屋に入ると中をぐるりと観察しながら周ると「········次行こ」と言い部屋を出ていった。その後も何ヶ所か周り同じ事を繰り返した。俺とミラ、リンがユーリの行動に首を捻るものの他の面子は特に疑問を持たず付いて行く。そして気付けば最初に来た部屋へと戻ってきていた。


「········うん、やっぱり」


 ユーリが部屋に入るなり納得した様にそう零した。俺には何が何なのか理解できず聞くことにした。


「何がやっぱりなんだ?俺には全く解らないんだが········」


「········ここの部屋だけ他の部屋とは若干違う。········特にそこ」


 ········何が違うんだ?ユーリが指差す方向に目を向けるが違いが全く解らん。ただの壁じゃない?


「あー、すまん。解らん」


「········まぁ無理もない」


 ユーリはそう言うとその壁の方へと歩いていき、何かを探るように壁をコツコツと叩いていく。すると気になる箇所を見つけたのか手持ちの袋から墨を出し✕印をつけた。


「········レイナ、ここ思いっきり殴って」


「おうよ!任せておけ」


 レイナは壁に近づきぐるぐると肩を回しながら真紅之羽衣を纏い始める。準備が完了したのか構えると思いっきり大剣を叩きつけた················何故!?てっきり拳でやると思ってたんだけど!!


 俺が驚いている間にもガラガラと壁は崩れ落ち、白い扉が現れた。


「流石だなユーリ」


「ユーリちゃんお手柄ね」


「凄いニャ!こんな仕掛けもダンジョンにはあるのかにゃ」


「ユーリさんはよくわかったね。僕は全然わかんなかったよ」


「········っふ、もっと褒めるといい」


 口々に褒められたせいか自慢気に腰に手を当て胸を張りドヤ顔をしている。俺もユーリの観察眼は凄いと思っている。ただレイナの壁の壊し方に対して疑問は持たないんだろうか········持たないんだろうな。


「さて、ユーリが見つけてくれた新たな部屋だが入る前に装備の点検と小休止をとろう。何が待ち受けているか分からないしな」


「だな。折角だし飯も今のうちに食っておくか」


 ローナの案に賛成した俺達は武器を外しがてら状態を確認し、干し肉や堅く焼き締めたパンに木の実の砂糖煮を塗って腹を満たした。予想はしていたが結構多めに作ったはずの砂糖煮は女性陣がぺろりと平らげ、残り1瓶になってしまった。まぁ満足してもらえたならいいか。


 軽食と装備の点検を済ませ、俺達は白い扉の前に立っている。近くで観ると白い扉には凹凸があり、それが2匹の白い蛇が対峙し睨み合うように施されている。これはーーーー


「········ねぇ、ローナさん。ここって入っても大丈夫なんですか?」


 リンも何かを感じとったのか不安そうにローナに聴くとローナは少し険しい顔をしながら言った。


「················わからない。他のダンジョンで隠し部屋は何度か入った事はあるが、こんなあからさまな扉は観たことない」


「明らかにこの先戦闘になりそうですね。扉の模様からして蛇の可能性が高いでしょうからリンは気をつけてね」


「うん、わかったよ!」


 やっぱりそう思うよな。ここのダンジョンって初心者に易しい構造なのか分からないけど、そういった事が多いんだよな。まぁ魔物の強さとかは全く易しくはないんだけどね。


「相手が蛇となると毒に注意しなくちゃね。解毒薬は少し増えたし私も万全の状態だけど、何が起こるか分からないから気を引き締めて欲しいわ」


 マリアの言葉に皆が頷くとユーリは小さく手を挙げローナに言った。


「········ローナ、一応陣形換えてく?」


「そう········だな。そうしておこう。ここからは前衛にレイナとルゴウ。中継に私、ミラ、ユーリ。後方にレヴィア、マリア、リン。ユーリは戦況を見ながら前衛の支援だが基本的に後衛寄りでいこう。ミラと私は前衛の補助をメイン。レイナとルゴウは危険な役割りを担ってもらうが思う存分暴れてくれ」


「しゃ!!ルゴウ、気合い入れてこうぜ!」


「あいよ。レイナも········って気合いは充分か。怪我には気をつけろよ」


「わーってるって」


 レイナは扉の先の戦闘を楽しみにしているのか微かに深紅之羽衣がチラつき始めている。本当に分かり易いんだがレイナは戦闘狂なところがあるよなぁ。ま、いつも通りサポートしていけば怪我させずに済むかな。


 緊張や不安、高揚感などの様々な感情が入り混じりながらも俺達は白い扉に手を掛け中へと入って行った。


善行 14/108

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