表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
107/124

105.稼ぎ時ってやつか?

なんとかしばらくの間書けなくなる前に終えました。

暇をみて書きはしますが月に1回出来ればと思います


 ユーリを宥めミナと別れた後、俺達は再び冒険者ギルドへと足を運んだ。ミラはもう観念したのか暴れることもなく大人しく縄に縛られたまま俺に抱えられて運ばれている。


 冒険者ギルドに着き俺達を見るなり周りが一瞬ざわつく。ヒソヒソと好奇心や非難めいた声、冷ややかな視線、何故だか羨ましそうな視線を送ってくる男女等等········い、いづれぇ。いや、街中でもこんな感じだったから多少は馴れてはきたんだけどあんまり注目されたくないな。取り敢えずさっさと用件を済ませよう。


 俺はげんなりしながらも受付けへと向かいガルシアに会えるよう伝える。一瞬ギョッとはされたが抱えている人物を見るとあっと驚いた声を出し、慌てた様子で一礼をするとそのまま裏へと下がっていった。結構待つかと思ったが受付けの人は直ぐに戻ってきてガルシアのいる執務室へと案内された。


「随分早かった·····な···········」


 ニヤニヤと表情を浮かべ待っていたのだろう。だが俺達を見るなりその表情は固まり、自分の見間違えか幻覚でも見てるんじゃないかと軽く目頭を押さえ揉む。再度俺達を見て現実だと認識し呆れ果てていた。


「··············あー、まさか縄で縛ってくるとわな。仮にも姫だぞ」 


「これは仕方が無い処置だったんだ。襲い掛かってきたミラの誤解を解いた後、依頼の内容を伝え同行するように言ったんだ。だが逃げ出そうとしたからユーリが縄で拘束し逃さないよう縛ったまま連れてきた」


「········概ねそんな感じ」


「なるほどな········なら文句は言えないか」


「にゃあ、そろそろ縄は解いてほしいにゃ。もうここまで来たら逃げにゃいし縛られている所が痛いにゃ」


「········わかった。········縄は解くけどルゴウはそのまま捕まえといて」


「了解」


 抱えているミラを卸す前にユーリが縄を解いていく。ミラは自由になった手足を軽く伸ばし薄っすらと赤くなっている腕を軽く擦る。降ろす前にしないで欲しい。


「にゃ~、やっと自由になったにゃ。あ、何か飲み物欲しいにゃ」


 ミラは椅子にドカッと座わるなり要求しだす。ミラのその行動に自由だなぁと呆れているとユーリも同じ想いだったのだろう。ジト目を向けている。ガルシアはミラの行動にやれやれ肩を竦めながらミラの対面に座った。


「すまんが諦めてくれ」


「にゃ~、しょうがにゃいにゃ。あ、ユーリ達もこっち来て座るにゃ」


 残念そうにしていたが直ぐに切り替え、まるで自分の部屋の様に言い出した。なんでそんなに我が物顔が出来るんだよと内心でツッコミつつ俺とユーリはミラの両サイドに座る。逃げはしないだろうが念の為である。


「さて本題に入らせて貰おうか。無事に見つかって良かった。ルゴウ、ユーリ助かった。改めて礼を言う。して姫さんはこのまま王国に帰るつもりはあるか?」


「ないのにゃ」


「こちらとしてはそのまま捕縛して強制送還しても良いんだが········」


「そうにゃったらまたこっそり抜け出すにゃ」


 ムスッとした表情と共に深く椅子にもたれるミラにガルシアは知ってたと云わんばかりの表情を浮かべた。


「だよなぁ········したらもう1つの案を出すしかないか。向こうさんも無事に見つかった時の話も着ててな、姫さんがある程度満足してもらえるまで付き合って欲しいってお願いされているんだよ。ただ長くてひと月までとの事だ。それ以上は国の祭事があるから帰ってもらわないと困るんだとよ」


「ニャ!?」


「その条件で良いんなら王国に無事だって手紙を書いてくれ」


「書くニャ!すぐ書くニャ!!」


 ミラは勢いよく立ち上がりテーブルに手をつけ身を乗り出した。よほど嬉しかったのか目をキラキラと輝かせ尻尾をピンと立たせていた。


「お、おう。そんなに食いつくとは想わなかったが········まぁ納得してもらえて良かった。取り敢えず手紙を書く前に今後の姫さんの行動について話し合いたいから座ってくれ」


「わかったにゃ」


 素直に座るミラにガルシアはひと安心したのか腰を深く掛けると何故か俺をチラリと見てきた。そして何かを思い付いたのかニヤリと口許を吊り上げる。


「さて姫さんの目的は最近ここの近くに発見されたダンジョンで間違いないか?」


「そうにゃ。その為にここまで来たにゃ」


「じゃあそのダンジョンの場所や特性は知っているか?」


「それは知らないにゃ。街で情報収集しようと思ってたにゃ」


「ほうほう········なるほどなぁ」


 ガルシアは片手で顎をなぞりニヤけた口元は更に吊り上がった。ユーリはガルシアの考えが読めたのか眉根を寄せ訝しげに目線を向けながら言った。


「········まさか、ガルシア········」


「姫さんは運が良かったな。俺よりもそのダンジョンに詳しいヤツがここにいんだからよ。というわけで頼んだぞルゴウ、ユーリ」


「ニャ!?そうだったのかにゃ!」


「いやいやいや何が頼んだぞ、だ。丸投げしようとしてないか」


「········私達に面倒事を押しつけるつもり?」


「そんなつもりはないぞ。ダンジョンの案内に適してるのは今ん所お前らだろ?それに姫さんの護衛とも考えたら実力も申し分無いしお前の周りって女多いから安心するだろ。ああ、もちろん探し出した時の報酬とは別で用意しておくから心配すんな」


「確かにそう言われるとそうなんだが········ミラにも選ぶ権利はあるだろう。ゴブリンと一緒に行動したくないとかあるんじゃないか?」


「んー、別にルゴウなら気にしないにゃ。それに『紅の戦乙女』が一緒にだったら百人力にゃ」


「だとよ。良かったなぁ」


 ケタケタと笑うガルシアに何となくイラッとくる。別にミラが嫌な訳ではない。ないのだがどうにも面倒事を押し付けてきた感が拭えない。


「ああ、確かにな········んで、ガルシア。本音はなんだ?」


「ギルドで預かって監視すんのがダルい。姫さんは活発的だし一々探すのも手間なんだよ。だったら暇そうなお前らに預けた方が楽できそうだろ」


「························」


「········やっぱり面倒くさかっただけ」


「面倒くさいってひどいにゃ。これでも一応グルヴィシア王国の姫にゃんだけど········」


「だったらお姫様らしくこういった行動は謹んでくれ」


「にゃう········」


 ガルシアのきっぱりとした言い様にミラはしゅんとしてしまった。まぁこればっかりは掛ける言葉はないな。それにしてもやっぱり押し付けたかっただけかよ。いや、別に良いだけどさ。物資が補給出来るまで暇になるし、お金もそろそろ貯めないとなとも思ってたし。


「まぁうん。本心が聞けて良かったよ。ミラの意志も聞けたしこの依頼請ける事にする」


「あんがとよ。くれぐれも姫さんのこと頼んだぞ」


「了解。報酬はイロ付けておいてくれよ」


「まぁいいだろう。それくらいお安いもんだ」


 具体的な報酬はグルヴィシア王国との話し合いで調整するとのことで一旦保留となった。ガルシア曰く王国からの依頼になるから二束三文の報酬にはならないだろうから安心しとけとの事だ。ミラが手紙を書いている間に連れてきた分の報酬の金貨100枚を受け取り、後日ローナ達と分配し今請けた依頼の話をしよう。分配に関してはたぶん公平に分ける事になるから1人金貨約16枚くらいになるだろう。結構な稼ぎになったな。それにミラの護衛兼見張りをしながら別の依頼やダンジョンの周回をするからなお稼げる。値段は分からないが目標には(・・・・)十分近付けそうだ。


 ミラが戻ってくるまでに依頼の掲示板を観ながらユーリに色々と教えてもらった。請けた依頼は掲示板から剥がし受付けへと持っていく、その際ギルドが定めた等級以下の依頼で請ける事、自分より等級が上の場合は実力や評判が良ければ1つ上の等級を請けれるが偶に冒険者の実力によって例外的に処置されるらしい。後は依頼の不達成時にはそれなりの罰金はあるが微々たるもので高額な請求は無いらしい。ただ、人命に関わるものや物の破損、違反、不正が在った場合は別とのことだ。まぁ、ゴネたもん勝ちにならないように依頼主にもそれなりに制限はあるそうだ。


「お待たせにゃ~」


「おう、お疲れさん」


「········お疲れ」


 あら方説明を受けた所でミラがニコニコと嬉しそうな笑顔を浮べながら帰ってきた。よほど残れた事が嬉しかったのだろう。でも、手紙の内容次第では········いや、そうじゃなくても帰ったら怒られる筈なのだが良いのだろうか?まぁ俺達には関係ないか。未来のミラがなんとかするだろう。


「んで、ミラこれからどうする?」


「うーん········先ずは宿探しかにゃ。何かお勧めの宿って無いかにゃ?」


「········だったらルゴウとレイナが使ってる宿がいい」


「俺達んところか?別に構わないが········ユーリん所も良さそうだったぞ」


「········今日は疲れたしゆっくりしたい。········だからミラの面倒はよろしく」


「お前も俺に投げるのか。いや、良いけどさ。つうわけで案内するから付いてきてくれ」


「了解にゃ、よろしくにゃ」


「ユーリはどうする?もう帰るか?」


「········うん、帰る。········明日ローナとマリアを連れてギルドに来るから昼に会おう」


「あいよ。んじゃまた明日な」


「········また明日」


「また明日にゃ」


 互いに別れを告げ終えるとそれぞれの宿へと歩き出す。ユーリの宿とは別方向なのでしょうがないことなのだ。さてレイナはもう帰って来てるのだろうか?ミラの事を話さないとな。ってこら、美味しそうな匂いだからってふらふら行くな。せめて食べ歩ける物にしてくれ。って言ってる傍から勝手に行くなよ!自由過ぎるんだよ。まず宿に行って手続き済ませるんだろ。後にしなさい。あー········もう!子供じゃないんだから駄々を捏ねるな。ほら行くよ、あっちこっち行かないように手を繋いでごう、な。

 

善行 9/108

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ