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ゴブリンから始まる物語  作者: となりの戸愚呂
105/124

103.やり遂げた・・・


 体感では長くキツいものだったがアレから大凡1時間位だろうか。やっと終わった。途中俺の理性が危うくなってリンパマッサージと言い訳し胸周りである肩やら背中やらを軽く揉み理性を保させた。········うん、ユーリは結構敏感な方なのかそれでも艶のある声を発してそれはそれで危うかったんだけどね。

 それはそれとして、ようやくユーリも復活して開けた上着を着直しながら俺に言ってきた。


「········お疲れ様········ふぅ。········これで少しは育ってくれるかな」


「ユーリもお疲れ様。俺としてもそうあって欲しい。ただ急には大きくならないだろうから気長に待つんだな」


 本当に肉体的にも精神的にも疲れた。レイナやリン、レヴィアに頼まれたら喜んでさせてもらうがこういうのはもう勘弁願いたい。

 俺は揉み疲れた腕を軽く振ったり伸ばしているとユーリがジーッと俺を見つめてきていた。


「どうしたんだ?」


「········なんでもない」


 ユーリはそう短く言うと顔を背けた。俺はユーリのその行動に何だったんだと思いながらも疲れを解していく。するとユーリは、あっ、と声を出し俺に言ってきた。


「········忘れてた。········今日のこれ、定期的にやってもらうから」


「えっ········な、何だって?」


 そんな嘘やろ········嘘だと言ってよユーリ。貸し出しって1回だけだよね?


「········1回しただけじゃ効果は薄いって聞いた。········なら私は考えた。········『貸し出す内容は定期的におっぱいを大きくさせてもらうマッサージをしてもらう』って」


「いや、それって1回の内容じゃないよね!?」


 俺は驚きのあまり声を大きくして言ってみたもののユーリはどこ吹く風の様に平然とし言った。


「········1日だけって言われてない。········1回の貸し出しの内容にも特に決まりは無かった。········ならその貸し出し内容をこうやっても問題無い」


「屁理屈だ········」


 ユーリはドヤ顔とピースを決めていた。いやまぁ確かに詳しく設定してなかったリン達の落ち度だけどさ········そんな裏技的な事をするか?

 俺はまさかの発想に呆れと困惑が入り乱れた表情をしているとその様子にユーリは段々と力を失くしていき、しゅんとしながらポツリと零す様に言った。


「········そんなに嫌だった?········やっぱり大きい方がいい?」


「え、あ、い、いや。別に嫌じゃないぞ。うん、今後も手伝っうから········な?」


 ごめん。流石に今にも泣きそうなユーリに心を鬼にして冷たくあしらう事は出来ない。だから悲しそうな顔は止めてくれよ。


「········じゃあ、今後もよろしく」


 潤んだ瞳で窺うように俺を見返してくる。不覚にも小動物的な感じがして可愛らしく思ってしまった。俺はユーリから視線を反らしながら頷く事しか出来なかった。


「········そういえば途中から腰に硬いものがーーー」


「それは気にしないでいいからな!?忘れてくれ!」


 ホントにそれは言わなくていい!あれで反応しないとか無理だからさ!!


································

·······································

·················································


 ユーリと共に宿を出て小腹を満たしに店を散策している。昼時を過ぎても出店とかは営業しており時折肉が焼けるいい匂いや食欲をそそるスパイス・油の香りがしてくる。そのせいか勝手にお腹が鳴ってしまうのは仕方無い事だろう。


「········良い音なった」


「これは仕方無いだろ」


 ユーリは面白そうにクスりと笑うと釣られたのかユーリからも可愛らしくお腹の音が聴こえてきた。ユーリは自分も鳴るとは思ってなかったのかお腹を抑え恥ずかしそうにしている。


「お互いに腹が減ってるんだ。適当に買って食べるとするか」


「························うん」


 ユーリの初めて見る仕草に思わず笑みが零れてしまう。そんな俺にムスッと怒った顔で見てくるが怖くはない。寧ろ小動物的な可愛らしさを感じられる。


 出店で串肉やサンドイッチを買い、街の広場のベンチに座り食べ始めた。以前食べた物と違い串肉はハーブの良い香りと丁度良い塩加減、脂が程よく乗っていて美味い。サンドイッチも野菜がたっぷり入っているし、ハムの塩味が良い仕事している。良いお値段だったのも頷ける出来だ。ユーリも美味しそうに頬張っている。


「あ、ルゴウだ~!」


 次の肉へと手を伸ばそうとした時、聞き覚えのある元気な声が聴こえた。声のした方向へと視線を向けると以前会ったミナが手を振りながら走ってきている。


「お、ミナか。元気にしてたか?」


「うん、いつも元気だよ!」


「そうか。なら良かった」


 俺は食べるのを中断し、手についた汚れを行儀が悪いが服で拭い近くまで来たミナの頭をぐりぐりと撫でた。ミナはむず痒そうにしている。ただ隣にいるユーリは何故かドン引いた様子で俺を視ていた。


「何でそんな顔してんだよ」


「········ルゴウって女なら誰でも良い奴だったの?」


「違うわ!!ミナは前に訳あって知り合った子だ。それと幼女趣味はねぇよ」


「········ふーん········」


 ユーリはまだ疑う様な目で俺に向けてくる。ホントに俺を何だって思ってるんだよ。俺はげんなりしているとミナがユーリと俺を交互に見て首を傾げた。


「こないだと違う人········あ!も、もしかしてその人も手籠めにーーー」


「ちゃうわ!?しとらんしそういった関係でもない!と言うかよくそんな言葉知ってんな!?ユーリとは冒険者仲間で友人だ!!」


「········そう友人。········それ以上でもそれ以下でもない」


「あ、そうだったんだ。ごめんなさい変な事言って」


 ったく。変な勘繰りは止めてくれよ。········確かに友人としての枠組みを越えた事をさせられたがそういった関係では無いんだよ。まだ友人枠だからな。


「ところでミナはお遣いの途中か?」


「うん、夕飯のお買い物」


 ミナは小さな胸を張り偉いでしょと言わんばりのキメ顔をしている。俺は年相応の可愛らしさに気持ちがほっこりし自然と頬を緩ませてしまう。


「そっか。あれからご飯もしっかり食べれてるか?」


「ルゴウとレイナのお陰でね。本当にありがとう」


「どういたしまして」


 寄付金が役に立ててなりよりだ。お金は貯めていかないと駄目だが孤児院の経営が落ち着くまで今後も寄付をしていこう。孤児院の子達にはしっかり育って欲しいしな。


「········ルゴウとレイナのお陰ってどういうこと?」


 俺とミナの話の内容が分からずユーリは首を傾げた。そういやユーリ達には話してなかったな。まぁ隠す内容でも何でもないし掻い摘んで話すか。


「たまたまミナに会ってな、話を聞くと孤児院の経営が危ういって事で少額だけど孤児院に寄付したってとこ」


「········あのレイナが意外」


 ユーリはキョトンとした表情と関心した声を零した。ただ意外ってのは心外だぞ。レイナは普段あんな感じだけど困っていたら助けてくれるんだぞ。········まぁ、出したのは俺のお金だけど。


「さ、ミナ。お遣いの途中だろ?今度また遊びに行くからーーー」


「その子達から離れるニャ!!」


 俺の言葉を遮り、いきなりの大きな声と共に棒状の物が俺に迫ってきた。俺は咄嗟の事で避けるよりも先に仙気と魔法を両腕に纏い顔面に迫りくる棒状の物の切っ先を両腕をクロスさせ受け止めた。


「ーーーっ!?」


 仙気と魔法を纏わせた腕に多少の衝撃はあったが痛くはない。対していきなり襲ってきた奴は受け止められると想っていなかったのか驚き俺から距離をとった。そして間合いを図りながら刃を布で隠したままの槍を構えながらこちらの出方を窺っている。俺も次の攻撃を········と思い相手を見据えたんだが彼女(・・)の容姿を目にした瞬間どうしたもんかと困ってしまった。


「························あー、マジかぁ」


「········流石ルゴウ、もってる」


 俺は処理しきれない出来事にポツリと呟くとユーリはニヤニヤとしながら褒めてきた。いや、うん。褒めてないか。面白がらないでくれよ。なんも面白くないからな。こんなことってあるのかよ········


善行 9/108

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