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7.”Share”

この小説にはパロディ、オマージュがあるので、参照元を検索エンジンに入力したURLを脚注としてつけておくことにしました。

例)タイトル https://www.ecosia.org/search?q=The+Catcher+in+the+Rye


たぶんURLを踏むと草が生えます。

検索エンジンについて https://www.ecosia.org/search?q=Ecosia+wiki


全13話構成です。

拙い文章ですがよろしくお願いします。


※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。

 一朗とニルがメトロG01駅(※1)へと降り立ったのは午前10時を回ったころだった。登り始めた日差しが2人を照らす。


「お前の親父が住んでいるのはこの辺りなんだな。」

「……そうだ。」


 2人はすれ違う人に気を付けながら、8号(※2)の広場のそばを歩いた。そこから見える商業施設のモニターにはBanned Skyの展覧会の広告が掲げられていた。


「フフン、馬鹿な奴らだ。本物がここにあるとも知らずに。なあ一朗。」


 ニルが小馬鹿にしたように言った。


「……ん?ああ。」


 一朗はそれを見ながらも、焦点はどこか遠くにあるようで気の抜けた返事を返した。


「一朗。何だ?あいつらは?」


 一朗はまだ広告を見て何かを考えているようだった。


「おい!一朗!あいつらは何をしているんだ?」

「え?何だ?」

「あの建物に写っている地図を見ながら叫んでいる奴らだ。」


 一朗がニルの見ている方を向くと、モニターに映し出された地図を見て何か小さな紙を両手に掲げて喜んでいる者や、片や紙を路面に投げ捨てて悔しがっている者達がいた。


「ああ、あいつらは古風な奴らだな。あれは賭けだよ。」

「賭け?」

「そうだ。この都市ではどの企業がどんな商品を生み出しどんな業績を残すか、ドリームスポーツの勝敗はどうなるか、社会がどのように変わっていくか、そんな未来はこの先数千年まで予測されきっている。」

「はあ。」

「そういった状況をつまらないと思う人たちがーーそのほとんどは懐古主義的な人たちなんだけど、バグズがいつどこにどれだけ発生するかについて賭けをしているんだ。バグズの発生は予想できないことが多いからな。」

「なるほど……。」


 一朗は不快感を隠さずに興奮しているその集団を見ていた。


「奴らは不確実性そのものを目的としてゲームをしているんだ。」

「不謹慎な奴らだな……。」


 ニルが広場の別の場所を見ると bio-Aの銅像の前で赤い帽子を被った男と白地にピンクのつばのついたキャップを着た女が地面に向かって指を指していた。


「いけ!ムジーナ!」

「耐えろ、ドーズ!」


 彼らは何かに指示を出しているようなそぶりで虚空に向かって叫んでいた。


「じゃあ、あいつらは何をしているんだ?あの何もない方に向かって叫んでる奴らは。」

「ああ、あれはモンスターキャッチャ(※3)の夢を見ているんだ。」

「モンスターキャッチャー?」

「モンスターを捕獲し友だちにして戦わせる体感型の夢だ。」

「何だそりゃ。エゲツない夢だな。」


 ニルは顔を歪めて言った。


「そうか?古代から何百年も続く民衆に人気の夢だ。」

「人間に使われるトモダチの身になってみろよ。野蛮だ。」


 一朗は黒い毛を逆立てて牙を剥き出しにしたニルを見たが、何も気付かずに言った。


「何を言うんだ。あれは偉大な夢だぞ。」

「ああ、そうか!わかったよ。」

 ニルは投げやりに言った。


 2人はそれから十数分ほど歩いて、レストラン”Indian Ape”の隣のアパートまで来た。人通りの少ない住宅街はひっそりと静まり返っている。一朗は模造植物に覆われたその建物の前で、しばらく立ち尽くしていた。都市の作り出す人工の風がアパートを覆う作り物の葉を揺らす。


「どうしたんだ?一朗?」

「いや、……その……父さんと会うためにはドリームキャッチャーを解除しなければならないと思って。」


 ニルは納得したように言った。


「確かに。リヴァイアサンに感知されるな。となると俺は喋らない方がいい訳だ。」

「その方がいい。父さんは契約者じゃない。だから即座に治安維持行動を取らないが、あまり長くは話せないだろう。」


 一朗はそう言うと険しい顔でアパートに入り、階段を登った。311号室の前まで来ると一朗はドリームキャッチャーを解除した。そして、深く呼吸をして玄関のベルを鳴らした。中から足が床を蹴る軽い音がする。


「はいはーい。」


 甲高い声がして扉が開くと、そこには小柄で黒い長髪の真っ赤なエプロンをつけた少女が顔を出した。そして、その大きく丸い目で一朗の様子を足元から頭のてっぺんまでじっと見つめた。


「どちらさまですか?」


 一朗はその言葉の意味を一瞬理解できなかった。


「父さんじゃない…?」


 一朗が不思議そうにそう言うと女は笑った。


「アハハ、私がキミの父さんなわけないじゃない!」


 一朗は女に尋ねた。


「すいません、少し前までここに住んでた人について何か知っていますか?」


 少女はすぐに、その顔を悲痛に歪めて言った。


「ああ、なるほど……。キミは…何も調べずにここに来たんだね。リヴァイアサンは教えてくれなかった?ここに前住んでいた男性は癌で亡くなったよ。」

「何だって……?」


 一朗はその言葉を信じられず硬直した。


「テレサ!ねえ!ここの前の住人なんだけど」


 部屋の奥から黒髪で童顔の黒いスーツを着た女が出てきた。


「ミーム…?」


 一朗は思わず呟いた。


「サラ。こちらの方は?」

「ここに前住んでいた人を訪ねてきたみたい。癌で亡くなったんだよね?」


 ミームは記録を読み上げて言う。


「はい。その後、遺体と遺品は法に従いリヴァイアサンが回収しています。私は人格と記憶をリセットされ、リユースされました(※4)。」


 一朗は自分の腹の中に熱した岩が落ちてきたように重苦しい気分に陥り、上手く言葉が出てこなくなった。何度か口が空で動いた後、絞り出すように言った。


「……ありがとうございました。」


 そう言って引き返そうとする一朗の様子を見て少女はいたたまれない気持ちになったようだった。


「お気の毒に…。そうね……ちょっと待って!」


 少女は何かを取りに部屋へ戻った。彼女が持ってきたのは1枚の紙切れで、それに何かを走り書きした。


「これ、”Share(※5)のチャットルームのアドレス。食レポも始めたから、それをやってて取れないかもしれないけど、何でも相談して。」


 一朗は差し出された紙切れを機械的に受け取り、よろめきながら歩き出し、階段を降りた。隣を歩くニルは険しい顔で既にその先の懸念について考えていた。


「一朗、悪いが落ち込む前に早くドリームキャッチャーを起動しろ。ここを離れるぞ。」

「……ああ。わかってるよ。」


 一朗はドリームキャッチャーを起動して建物を離れた。魂が抜け落ちてしまったように足がもつれそうになりながら、あてもなく歩き続け、気づくと高級住宅地の中にある公園のベンチに座っていた。公園ではコモンセンスがまだ組み込まれていない幼い子どもが駆けて遊びまわっいて、その保護者と思われる女性が隣のベンチに座り、夢を見て眠っていた。


「ここまで追手はかからなかったな…。」


 一朗は何も言わず組んだ自分の手を見つめている。


「さっきの女、どこかで見たような気がするんだが……。」


 ニルは一朗を横目で見ながら話をするが、一朗は反応しなかった。


「……まあ、そんなことはどうでもいいか…。」


 そのまましばらく2人は黙り込んでいた。ニルはベンチに座り込んで日向ぼっこを始めた。人工太陽の光が燦燦と降り注ぎ、2人の身体を温め、子どもは遊びまわっていた。


 その時、何かが爆発するような音がして、轟音が響き渡り空気が揺れた。


「何だ!?」


 ニルは耳を立てて飛び起きた。一朗が顔を上げると、2人のいる公園の近くから天蓋に向かって一筋の白い雲が立ち上ったのが見えた。それは都市に建てられているどんな建築物も超えてまっすぐ上方へと進む。


 一朗が目を凝らして見るとその先にはロケットがあった。そして、隣のベンチに座っていた女が目を閉じたまま叫んだ。


「アニク!ここから避難するわよ!ああ、ブルースクリーンはもういいから!」


 すると、ロケットからブースターが外れてそのうちの一つが一朗のいる公園に向かって落下してきた。予測落下地点では子どもが天蓋を見上げている。


「まずい!」


 一朗は走って子どもの方へ駆け出して、飛びついた。子どもの立っていた場所に鈍い音が響き、2mほどのブースターが突き刺さった。一朗は間一髪で子どもを助けることができた。遅れてニルが走ってくる。


「一朗!大丈夫か!?」

「ああ。子どもも無事だ。」


 子どもは肘を擦りむいている程度で大きな外傷はなかった。一朗と子どもはブースターから離れてベンチの方へ歩いていった。すると、ベンチに座っていた女性も走ってきて、声をかけた。


「危ないところだったわ。怪我はない?」

「うん。大丈夫だった!この人たちが助けてくれたから!」


 子どもは一朗を指差しながら言った。それを聞いて女はきょとんとした。


「何を言っているの?何にもないところを指差して。きっと頭をぶつけたのね。今アンビュランスを呼ぶわ。」


 そう言うと女性は目を閉じた。


「母さんには見えないの?」


 子どもは不思議そうに言って戸惑いながら一朗の方を見た。


「あー……。」


 一朗は笑みを浮かべながら、答えに詰まると、見かねたニルが答えた。


「俺たちは妖精なのさ!コモンセンスを身につけている人には見ることも感じることも出来ないんだ。」


 子どもは首を傾げた。


「妖精?だからbio-Aなのに喋れるの?」

「そうそう、妖精だから。でもお母さんにはこれ以上言ってはいけないぞ。」


 ニルは諭すように言う。


「うん。わかったよ。」

「偉い子だ。そんな君にはプレゼントをあげよう。おい!一朗!この際だ。あれをくれてやれよ。」


 促された一朗は表情が少し明るくなった。


「ああ。」


 一朗は炭化した絵画を持ってきて、子どもに渡した。


「これは有名な芸術家の作品とまったく同じのレプリカだ。家に飾るといい。」

「ふーん?これが?」


 子どもはBanned skyを知らないようだった。しかし、満面の笑みで一朗に言った。


「まあいいや。お兄さんからもらったものなら何だって。」

「アニク?さっきから何をぶつぶつと喋ってるの?さあ、これから病院に行こうね。念のため脳を見てもらわないと……。」

「わかった!お母さん。今日のサラのチャンネル見れるかな?」

「うーん。病院の結果次第ね…」


 ニルは落ちてきたブースターを嗅ぎ回ろうと近寄った。ブースターには2-25-1958というナンバーとハンサムな男のイラストが描かれている。その男は胸にRの文字が描かれた赤いタイトなコスチュームを着て緑色のパンツを履き、水色のマントを身につけていた。


「一朗。こいつは一体何なんだ?」


 一朗はロケットに近づいているニルを抱き上げて早足でその場を離れた。


「あまり近くで呼吸しない方がいい。有害なバクテリアや菌類、もしくはあまりないがウイルスが付着している可能性がある。」

「おいおい早く言ってくれよ、何だってそんな危ないものが落ちてくるんだ。」


 駆けつけてくる治安維持管理者やアンビュランス、防護服を着た衛生局のドールとすれ違いながら一朗は言う。


「こいつはバイオテロリスト、ロケットマ(※6)が発射したロケットの一部だ。」

「ロケットマン?」

「ロケットマ(※7)はこの都市の天蓋に向けて微生物や菌類を乗せたロケットを打ち出す正体不明のテロリストだ。感染力の高いウイルスを打ち出すこともあれば、無害なバクテリアやカビを撒き散らすこともあるし、時には人にとって有益な微生物を発射することもある。」


 一朗に抱かれたニルは怪訝な顔で聞き返す。


「一体全体何のためにそんなことをするんだ?」

「それは誰にもわからない。神出鬼没で、犯行声明も一切出さない。奴はこの都市の誰にも何も主張せず、ただただあのマークのついたロケットを打ち出している。無目的の純粋なる不条理だ。」

「何だそりゃ。ナンセンスだな…。」


 ニルは呆れた顔で言った。


「考えるだけ無駄だ。僕らが知っていることといえば、この都市のどこかでロケットを打ち出しているキチガイがいるということだけだ。」


 墜落現場から離れたところで一朗はそう吐き捨ててニルを下ろした。その時、胸ポケットからメモがゆらゆらと地面に落ちた。一朗がそれを拾おうと手を伸ばすとニルが大きな声を出した。


「あー!思い出した!」


 大声を出したニルに一朗はたじろいだ。


「何だ。急に。」

「これを渡したサラとか言う女!アイドルだよ。研究所から脱走した時に選挙をやっていた!」

「はあ。そんな子だったのか。」

「その時、俺にぶつかってきたガキが持っていた袋に写っていたよ。」

「なるほど。そういえばあの日、アイドルの選挙をやっていたな。」

「さっきの子どもも知っていたし有名なんじゃないのか?」

「そうかもな。」


 2人は気づくと開発者の邸宅が並ぶ阿迦奢(※8)という街の高級住宅地に入り込んでいた。再び前に進み始めた一朗を見てニルが言った。


「ちょっと顔色が良くなったな。」

「そうか?」


 一朗は少し朗らかな表情で返事をした。


「そうさ。……さて、今から何をする?」

「流石に疲れているから、ちょっと休みたいところだ。」

「民社は人は来ないが、床は冷たくて硬いからなぁ。それに腹が減った。」


 ニルは舌を出しながらこぼした。一朗はその様子を見て言った。


「うーん。それなら、こうするか。」


「いやあ、快適だ。一朗。」

「そうだな。」


 人工太陽が傾き、西の天蓋が茜色に染められた夕暮れ、一朗とニルは阿迦奢迦にあった、とある一軒(※9)に上がり込んでいた。


「おい、そこのアンドロイドさん!」


 部屋のそばを通りかかった女中型アンドロイドにニルは声をかけた。ニルの座る椅子が軋む音を立てた。


「何でしょう?ご主人様。」

「何かお菓子を持ってきてくれないか?」

「どういったお菓子にしましょう?」


 そう聞き返されてニルは困った顔をした。


「んー。おい、一朗、最近流行りのお菓子って何か知らないか?」


 一朗はヘッドセットをつけて床に寝転がっている。


「お前……その椅子は貴重な史料だそうだから壊すんじゃないぞ…。」

「そうなのか?それよりもお菓子だ、お菓子。」

「最近とは言わないが、ロングセラーで、ロッチのチョコフレーバーウエハース、“ドッキリマン(※10)はどうだ?パッケージから壮大な夢の体系にアクセスできることで人気だ。」

「そうか。夢は見れないがそいつをくれないか?」

「かしこまりました。」


 慇懃にそう言って廊下を歩いて行った女中型アンドロイドは去り際にこう呟いた。


「何か変ねえ。ご主人様はあんなに後頭部が大きかったかしら……?」


 女中が去って行ったあと、窓の外を見ながらニルは言った。


「いやはや、全くいい家だな。馬小屋まであって。」

「馬型bio-Aを飼うなんて開発者の中でも相当な上流階級の家だぞここは。」

「それにしても、一朗、不思議なんだが、ここの女中は何の夢を見ているんだ?」

「古い妖怪の(※11)さ。」


 しばらくして女中型アンドロイドがロッチのお菓子を座卓の上に置いて行った。それを食べながらニルが尋ねた。


「どうするんだ?一朗?」

「何をだ?」


 一朗も菓子をつまみ、苔茶を飲み始めた。


「あの女だよ。連絡を取るのか?」


 一朗は少し考えたあと答えた。


「そうだな。チャットしてみよう。気になることもあるし。」

「ほう?どういうことだ?」

「あの少女の持っていたメモだ。」

「メモ?それがどうして?」


 一朗はポケットからメモ用紙を取り出してニルの前に出した。メモには走り書きで二列の数字が記されている。


「こいつは今はもう絶滅した樹木から作られた紙だ。苔から作られたものじゃない。流通量がかなり少ないから、どこで手に入れたのか聞いてみようかと思って。」

「そいつは確かに気になるな。」

「それに、あの子は文字を走り書きした。」

「それがどうしたんだ?」

「今、文字を手で書くプログラムをインストールしている人はなかなかいないんだよ。余程古風な人間か、もしくは…」

「もしくは?」

「バグズアイランドに行った奴かだ。さて、この家にはコモンセンスが外れたばかりの子どもが2人いたな。そのヘッドセットの脳波認証を回避してコンタクトを取ろう。」

「そんなことができるのか?」

「センサー以外の電子部品の情報を書き換えるんだ。コモンセンスのない子どもにメメックスは搭載されていないから記憶も読み取れない。」

「そうか…。」


 一朗がヘッドセットの情報を書き換えると、時刻は19時になっていた。日は沈み、周囲の人工樹木の葉の擦れる音と鈴虫の羽の音が聞こえてくる。


「よし、じゃあ行ってくる。」


 一朗はヘッドセットをかぶった。


「はいはい。」


 ニルはそう言うと椅子の上で欠伸をして目を閉じた。

 一朗がヘッドセットを起動すると、青一色の宙に放り出された。リヴァイアサンの穏やかな声が聞こえる。


「脳波を認証しました。モノスコードを確認します。」

「978-4-16-766_334-6(※12)。」


 一朗は緊張を隠しながらモノスコードを頭の中で唱える。


「認証しました。こんばんは。政典さん。珍しいですね、ヘッドセットを使うなんて。どのような御用ですか?」

「チャットをしたいんだ。“Share”のアドレスは451_9552_1005_72(※13)なんだけど。」


 リヴァイアサンはそのアドレスを聞いて違和感を覚えたようだった。


「今までにかけたことのないアドレスです。」


 一朗の額から冷や汗がにじみ出た。


「希助さんに内緒で女の子にかけるんですか?」


 一朗はほっと胸を撫で下ろしたが、呆れた口調で念じる。


「余計な詮索はいいから繋いでくれないか?」

「かしこまりました。接続します……。現在、接続先のチャットルームに入室できません。」

「じゃあ、041-1498-1で頼む。」

「公開共感ルーム、”飯テロチャンネ(※14)“ですね。かしこまりました。」


 帽子をかぶった青い笑う男のアイコンが表示された後、公開共感ルームに接続されると、一朗の口と喉に灼熱の熱線で焼かれるような痛みが走り、思わず声を上げてむせた。そのまま呼吸をすると口内の焼けつく痛みはさらにひどくなり、また咳き込ん(※15)。ニルの声が聞こえる。


「どうした一朗?」

「……うぐああ!分からん!」


 頬に涙がつたうのを感じる中、一朗は熱狂した観衆の叫びと少女のはしゃぐ声を聞いた。


「滅茶苦茶痛いね!みんな!もはや“辛い”じゃないわ!これ。」


 一朗の視界には目の前の皿に真っ赤な粉でまみれた得体の知れない物体が置かれているのが映った。少女の手がコップを取ると、それが口元まで近づいてきて、冷ややかな感触が一朗の口内を満たし、喉を流れていった。


「あの少女が何か死ぬほど辛いものを食べているんだ!僕の声が聞こえるのか?」

「ああ。」


 気の抜けたニルの声がする。


「フルダイブなのに、外と会話出来るのはやはり無理矢理繋いだからか?」

「外してやろうか?」

「いや、いい!クソッ!痛い!もう少し待つ!」


 一朗の口にはまだ痛みが残っており、喉から少女の声が出て唇が動いた。


「テレサ!水、水がいるよう。」


 隣の台所にいたテレサと呼ばれたモデル:ミームアンドロイドは水をカップに入れ始めた。


「テレサー!早くしろー!」


 脳内に観衆の声が響く。


「テレサ!みんな早くって言ってるよ!」


 口から発せられる少女の声がアンドロイドを急かした。


「だからそんなにいっぱいほうばってはいけないと言ったのに…。」


 アンドロイドは呆れた顔で水を持ってきて机の上に置いた。


「ひー!痛い痛い。」


 少女の目の前に水が差し出されるともう一度手が水を取り、再び潤いで一朗の口内が満たされた。テレサと呼ばれたアンドロイドが少女の目の前に立つと、一朗の視界が切り替わり、少女の姿が映し出された。


「いや〜、やっぱりカプサイシ(※16)をそのまま振りかけるとすごいね。今ので共感する人が減っちゃった!現在部屋の中には963人!お、でもこのタイミングで1人共感してくれた人がいるね。びっくりしただろうね〜。」


 少女が笑うと一朗は口角が上がって、おかしな気持ちが湧き上がってくるのを感じた。


「まだ痛いんだけど〜!」

「そんなことをするから選挙で負けるんだー!」


 歓声が脳内に流れ込み、チャットルームはさらなる熱気を帯びて、一朗は自分が熱狂していくのを感じる。


「誰だ今選挙で負けるっていった奴は〜!」


 少女が声を上げると一朗は目頭が少し熱くなり、悲しい気分に襲われた。


「もうちょっと可愛いさをアピールした方がいい!」

「サラちゃん頑張って〜。」

「負けるな〜。」

「そんなことを言ってると、もう一口食べるよ?」


 少女の手がスプーンを掴むと群衆に動揺が走る。


「勘弁してくれ〜。」

「悪かった〜。」


 少女はスプーンを脇に置いた。


「テレサ。これは下げておいて!」


 アンドロイドは皿を持って台所に向かった。


「さて、今日のメインディッシュの前に、もう一つ食べるよ〜。もう一度水を飲んで、味覚をリセットだ!」


 少女が水を飲むと一朗の口に流れ込む感覚がして、コモンセンスの焼けるような痛みがすぐさまおさまった。


「次に食べるのはーこれだ!」


 次にミーム型アンドロイドが持ってきたのは、bio-Aの骨の油分が浮く茶色い液体に浸かった、薄い黄色の細長い紐の束のような万能食だった。


「古代食、ラーメン風万能食だ!テレサに古代の職人のレシピをダウンロードしてもらいました。」


 脳の中で歓声が上がる。


「やったー!」


 少女がスプーンでスープをすくうと一朗の目の前に香ばしい醤油フレーバーとまろやかなbio-Aの出汁の香りが漂ってきた。そして、コクのある液体の熱が口の中に流れ込んだ。


「ん〜美味しい!さすが職人のスープは違うね。たっぷり入れたグルタミン酸ナトリウムやイノシン酸二ナトリウムが効いてる!」


 群衆から野次が飛ぶ。


「身体を壊すぞー!」


 少女はその声に答える。


「いざとなれば内臓も義体化するか、人工臓器を培養するから大丈夫!」

「金持ちめー!」

「ヘッヘッヘー。さてさて。」


 少女は箸を手に取ると、万能食を高く持ち上げた。


「見てください!この苔でできた麺を!」


 光り輝く麺が一朗の目の前に映り、そして口の中に入ってきた。


「うん!コシがある!スープがよく絡んで、マッチしてる。」


 そして、少女が万能食を食べ終わると一朗は満腹感に襲われた。


「サラー!早く次の食レポに行こうよー。」


 一朗は内容物を吐き出したいくらいであるのに、群衆の叫び声が聞こえる。


「そうだね。では本日のメインをいただきましょう!テレサ!あれを持ってきて。」


 声をかけられたアンドロイドが持ってきたのは真っ赤な果実であった。


「古代果実、マルス・プミラです!」


 鼓膜がはちきれんばかりの歓声が上がり、一朗は頭痛を感じた。


「通称、“りんご”。これは何と、極秘ルートで手に入れた本物だよ!」

「なんだって!?コケ以外の植物は全て絶滅したはずじゃ……。」


 一朗は思わず叫んだ。


「どうやって手に入れたかは内緒だよ!今日は何と、この果実を使って、ジュースを作って行きたいと思います。」


 観客からブーイングが沸き起こる。


「そのまま食べればいいじゃないか!」

「台無しだー!」

「フフフ。何と言われようとも、私の決意は固いよ?こんな贅沢なジュースは二度と飲めないからね!」


 そう言うとアンドロイドはミキサーを持ってきた。アンドロイドが少女の目の前に座る。


「さて、これを飲む前に一言挨拶があります!」


 視界が切り替わり、少女がりんごを手に語りかけてきた。


「何だー?」

「早く飲めー!」

「今日は初めての食レポだったけど、みんな共感してくれてありがとうね!」

「こっちこそありがとうー!」

「この前の選挙は惨敗したけど、こうやって支えてくれるファンのみんながいるからグリーン派アイドル、サラはこれまで頑張って来れました。」


 少女の目は赤く充血している。


「ゲノムスチールにあったときも、一時はクローンが生まれる可能性からファンが減ったけど今ここにいるあなたたちは他ではなく、この私を選んでくれた!」

「だから私は今日この古代果実を食する喜びをあなたたちと分かち合いたい。」


 視界の向こうにいる少女の涙の熱が一朗の頬を伝った。群衆から歓声が上がる。


「いや、それだけじゃない。」


 少女の目は赤く光り始めた。


「私はグリーン派アイドルだから、辛いことも嬉しいこともみんなと共有したい。私たちがこの世界を汚してしまった罪も。」


 その輝きは涙を染めて、血のように流れた。少女は言った。


「この感情を私はあなたたちに分け与えたい。痛み、苦悩、苦痛、それを愛(※17)。」


 そして、少女はりんごを持った手をミキサーに入れてそのままスイッチを起動した。

 すると義体の指とりんごがミキサーの刃で刻まれる轟音が鳴り響いた。刃はセラミックでできた爪を切り刻み、剥がし、そして指先の末端を擦り削っていく。


「ギャアアアアア!」


 群衆の叫び声と末節骨から中節骨が削り取られていく苦痛が一朗を支配する。そして、少女は歌い始めた。


「ーーラランラン、シャラランラン。」

「ペインテロルだ!指がアア!」


 一朗の脳内に923人の阿鼻叫喚と肉片と化していく指の苦痛が共感される。


「コモンセンスが切断できない!痛覚も遮断できない!」


 少女は笑顔で鮮やかな涙を流し、叫んでいる。


「リヴァイアサンの監視を逃れている夢遊病者だ!」


 そして、少女の手首より先の部分は殆ど擦り切れてしまった。少女は自身の血と義体の肉片、そしてりんごが入ったジュースを飲んだ。生臭く甘い血の味が一朗の口内を満たし、モーターの乾いた音が空回りする。


「ハァ、ハァ、終わったか?」


 するとアンドロイドは隣の部屋からスペアの手首を取り出してきて少女の手と取り替えた。再びミキサーの刃が少女の手を削り取る。


「グアアア!」


 この地獄がいつまで続くのか、そう一朗が思った時だった。


「一朗!どうしたんだ!?」


 気づくと覗き込むニルの顔が目の前にあった。


「…ペインテロルだ!」


 側に転がるヘッドセットを見て起き上がりながら、一郎は言った。その額から汗が滴り落ちた。


「何だ、それ?」


 ニルがそう尋ねると一郎はそばにあった水を一口含んで続けた。


「あの女を止めに行く!」

「おい!待てよ!」


 一朗は立ち上がって荷物を持って飛び出すと、最寄のメトロに駆け込んだ。人もまばらな車両が動き出すまで一朗はじれったそうに待った。ニルは一朗に話しかけた。


「一体何があったんだ?」

「ペインテロルだ。あの少女は共感する群衆と感覚をリンクした状態で自分の手をミキサーにかけたんだ。」


 2人が乗る列車が動き始めた。


「ミキサーに?」

「ここ100年は起きてなかったはずだが。このままではショック死する人間がでないとも限らない。」

「恐ろしい…。」


 一つ駅を乗り換えてメトロG01駅へ着くと、一朗とニルは夜の繁華街を歩く人々を避けながら駆けた。色とりどりの街の光を後に残して人気のいない住宅街に入り込んだ。

 少女の住むアパートに着くと隣のレストランに行列ができていて、人々はそこで何が起きているか知らずに、入店を待っていた。

 一朗は階段を駆け上がり311号室の前まで行くと長鼻の怒りの面と学生帽を被った。そして、ループを発生させて扉を開いた。少女の部屋の中は拳のなくなった腕や切断された足が散乱して、血塗れになっていた。


「凄惨だな。」


 ニルが部屋の中を嗅ぎ回る。


「…べてーのー罪…」


 少女は両脚と目玉が一つなくなっていて、もはや先のない手をミキサーにかけていた。少女の残る赤い光を放つ眼球がこちらを向いた。


「おやあ、テレサがおかしくなったと思ったら変な男と喋るbio-Aが来たよ、皆。」

「僕のことが見えている!?」

「何を驚いているの?」


 少女は首をかしげた。


「なぜこんなことをするんだ……!」

「それは……みんなに分け与えたかったから。この愛おしき世界を汚してしまった、自己以外の生命を根絶したこの歴史、人類の罰を。」


 少女は血の涙を流し微笑んだ。


「今すぐ共感を切れ!共感者を開放しろ。」

「それはできない。私のコモンセンスは壊れてしまったから。」

「だから俺たちが見えるのか。」


 ニルは冷静に言った。


「止めたいのなら私を殺すしかないね。」

「お前…!」


 一朗は奥歯が砕けそうになるほど歯を食いしばった。


「一朗。こいつを説得することはできない、というよりも、感覚のリンクを切り離せない以上、説得しても意味がないぞ。」


 ニルは落ち着いて話す。


「やるしかないのか…。」


 少女は一朗を見つめながら言う。


「今苦しんでいる922人の人たちを救うにはそれしかないよ。」

「……クソったれ!」


 一朗はそう言うと腰に下げていた赤く錆びた斧を取り出した。そして、大きく振りかぶって、少女の頭部に振り下ろした。


「さようなら。」


 少女がそう言うやいなや、鈍い音が響き、辺りに脳漿と血液、電子回路が飛び散った。一朗は手に残る肉と機械を打った感覚と部屋に充満する甘い血の匂いに頭がクラクラとした。


「さっきから、その歌は何なんです?」


 血まみれのアンドロイドが赤い目で言葉を発する。一朗はその見慣れた顔に目を向けた。


「サラ、あなたはいつもそんなことを言って、はぐらかす。」

「一朗!早くここを出るぞ!」


 ニルは一朗に向かって大きな声を出した。


「ああ。」


 2人は部屋を後にした。


「祈りの叫び?」

 アパートを出ると、2人は駆けつけてくる治安維持管理者を避けながら歩き始めた。

「あの女!グリーン派アイドルだって?聞いて呆れる。」

 ニルが憤る。

「そうだな。」


 一朗は機械のように相づちを打った。


「苦痛を撒き散らすなんざ、迷惑千万だ!」

「ああ。」

 ニルは一朗の様子を見て言う。

「しっかりしろ!一朗!あんな奴に引っ張られるな!」

 一朗はニルの顔を見た。

「いや、ニル……僕は落ち込んでいはいやしない。」

「そうなのか?」

「ああ。ただ……あの女は世界への憎しみ、地獄しか知らない哀れな人間だったということだけだ。」


 G01駅の近くまできた一朗は立ち止まった。


「そうか…」


 ニルが何かを言いかけた時、G01駅周辺のモニターが一斉に赤い画面に切り替わった。


「緊急ニュースです。本日19時30分ごろSB-Y地(※18)から97年ぶりにペインテロルが発生しました。」


 現れたニュースのキャスターが深刻な面持ちで伝える。


「被疑者は通称グリーン派アイドル、“サラ”、モノスコードは978-159_594_8151(※19)、本名Joyce Koontzという女です。Koontz被疑者は自身の開いた公開共感チャットルーム”飯テロチャンネル“にて共感者と自身のコモンセンスにバグを発生させ、感覚のリンクが切れない状態で自身の手などをミキサーにかけたということです。」

「もうニュースになっているぞ……!」


 ニルはモニターを見て驚いた。


「100年ぶりのことだから速報になったのだろう。」

「被害者は幼い子どもを含め922名に及び、うち135名が失神した状態で発見されましたが、幸いにも被害者にショック死した人はいませんでした。」

「死人は出なかったか……!」


 一朗は安堵した。


「Koontz被疑者は民主主義者の間でHeadshrinkというハンドルネームで知られており、過激派団体と関わりがあったと言われております。被疑者はペインテロルの最中、斧で何者かに殺害されました。その時、被疑者と被害者のメメックスには赤い鼻の長い仮面を被った男の映像が映っておりました。」


 画面が切り替わり、ボロボロの学生服を着た男が斧を振るう姿が映った。


「被害者の方達はこの男に救われたことになりますが……この男は殺人を犯しています。現在男の所在はわかっておらず、治安維持管理者の1人は“いかなる事由があっても殺人が正当化される事はない。必ず捕まえて罪を償わせる“との声明を発表し、捜査を開始しました。」

「しかし、被害者の中には男を英雄視する向きもあり、既に罰の減免を求める声が……」

「非難はあれど、確かに救われた人がいるのは事実だ。」


 ニルがそう言うと背後の人混みの中ではっきりと声がした。


「ハハ、少女を1人殺して英雄気取りか?」


 声のした方へ振り向くと一朗の目は群衆の中の1人に釘つけになった。その男は古い学生服姿に擦り切れたマント、黒いブーツで、赤い長鼻の男の面を被ってこちらを見ていた。


「あの男!病院の!」


 一朗が叫んで駆け出すと男は逃走を始めた。


「何だ!?一朗!」


 ニルはいきなり走り始めた一朗の後を追った。

 一朗は人混みを避けながら懸命に走る。男はスクランブル交差点に入り行き交う人の流れの中を駆けていく。すれ違う通行人は男のことがまるで見えないかのように歩いていく。


「クソッ!」


 仮面の男はスクランブルをスルリと抜けていった。追跡する一朗は道行く人にぶつかりながら、交差点を抜け出す。


 そして、男は道眩(※20)を少し登ったところで左に曲がった。一朗もそれを追って道を曲がると、男は袋小路で星の見えない空を見上げていた。


「追い詰めた……!お前は一体何者だ!?」


 仮面の男はしばらく上を向いていたが、こちらを見て言った。


「何者でもない。……ずっと、ずっと流星のかけらを探しているんだ。ただそれだけだ。」

「流星のかけら?」

「――の光を遍く世界に。」


 仮面の男が呟くや否やその左手から赤い光が発され一朗は目がくらんだ。もう一度、男のいた場所を見ると、そこにはただ灰色の暗い壁があるだけだった。


「一朗!どうしたんだ?いきなり走り始めて。」


 後を追うニルが追いついてきた。その顔を見て、一朗は逡巡した。自分のこれまでの経緯をニルに話すのかどうか、話したところで理解されるのかどうかわからなかった。路地に通り過ぎる自動車の光が差し込んでは消えていく。


「……知り合いがいたんだ。」


 一朗は自らの影が映る壁を見て言った。


「そうか。友達か何かか?」


 ニルは何の違和感も抱かなかったようだった。


「そうだ。古い…古い友人だ。」


 一朗の嘘は夜の光に掻き消された。




脚注:

※1 https://www.ecosia.org/search?q=Shibuya+station

※2 https://www.ecosia.org/search?q=Hachiko

※3 https://www.ecosia.org/search?q=Pokemon+GO

※4 https://www.ecosia.org/search?q=3R

※5 https://www.ecosia.org/search?q=Share+Software

※6 https://www.ecosia.org/search?q=%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%80%80%E6%B0%B4%E6%9C%A8%E3%81%97%E3%81%92%E3%82%8B

※7 https://www.ecosia.org/search?q=Rocket+man+Kim+Jong+Un

※8 https://www.ecosia.org/search?q=Akasaka

※9 https://www.ecosia.org/search?q=Nogitei

※10 https://www.ecosia.org/search?q=%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%80%80%E5%81%BD%E7%89%A9

※11 https://www.ecosia.org/search?q=Nurarihyon

※12 https://www.ecosia.org/search?q=出版書誌データベース

※13 https://www.ecosia.org/search?q=4519552100572

※14 https://www.ecosia.org/search?q=%E7%94%9F%E4%B8%BB

※15 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%84%9F%E8%A6%9A%E5%85%B1%E6%9C%89

※16 https://www.ecosia.org/search?q=Capsaicin

※17 https://www.ecosia.org/search?q=The+Silence+of+the+Lambs

※18 https://www.ecosia.org/search?q=Shibuya

※19 https://www.ecosia.org/search?q=出版書誌データベース

※20 https://www.ecosia.org/search?q=Dogenzaka

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。

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