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5.相棒

この小説にはパロディ、オマージュがあるので、参照元を検索エンジンに入力したURLを脚注としてつけておくことにしました。

例)タイトル https://www.ecosia.org/search?q=The+Catcher+in+the+Rye


たぶんURLを踏むと草が生えます。

検索エンジンについて https://www.ecosia.org/search?q=Ecosia+wiki


全13話構成だったと思います。

拙い文章ですがよろしくお願いします。


※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。

「退屈だ。退屈で死んでしまう。」

「……そうだな。0号。」

「珍しいな。フカイが俺に同意するとは。」


 0号と呼ばれた黒いbio-Aは床に横たわりながらその丸い目を大きく見開き、白衣を着た開発者、深井(※1)を見て小さな驚きを示した。


「疲れたんだ。今の生活に。永久に続く擬似戦争に。」

 それを聞いて0号は三角の耳を深井に向けた。

「戦争?それは初耳だ。外ではそんなことをしているのか?面白そうじゃないか。俺も混ぜてくれよ。」

 深井は大きなガラスで隔たれた実験室の向こうで黒い耳を動かしている0号を見てため息をついた。

「お前はいいな気楽で。」


 0号はその言葉を聞いて気分を悪くし、短い足で立ち上がって吠えた。

「気楽だと?俺は地獄のような毎日を送っているぞ!来る日も来る日も何もないこの狭い部屋の中で延々とくだらない計算や読み書きの実験に付き合って、暇で暇で気が狂いそうだ。だいたいここの食事はなんだ!味のないコケばかりで……」

 首輪に繋がれた鎖が音を立て、真っ白の壁に囲まれた部屋に響く。

「……フカイ!お前はまだいい方だ!この前タモリは俺の身体を見て服を着ていないとバカにしやがった!あの野郎……」


 0号の他愛のない話を聞きながら深井は笑う。


「ハハハ。まあ、そう怒るなよ。そうだ映画を見せてやろうか?リヴァイアサンもなぜかそれだけは許可を出しているからな。」

 0号は直ぐに怒りをおさめて、舌を出しながら笑った。

「映画か!あれはいい。気がまぎれる。前の西部劇は良かった!あの“赦されざる……」

「大さん。少しおしゃべりし過ぎです。ロットナンバー0348-015_0はこれから数学の時間です。映画見せた場合、寄与度が15ポイント低下します。これはコモンウェルスにとって重大な言語と動物に関するプロジェクトですから。」


 リヴァイアサンが深井のコモンセンスに口を挟んだ。


「リヴァイアサン……。別にいいだろう。少し楽しみを与えるくらい。こいつらは生きている。言葉を話すし、心がちゃんとある。感情を排して常に合理的に最善選択を行うモノであるお前と違って。」

「……あなたはまだアイデアを四菱社に開示したことに怒っているのですね。」

 リヴァイアサンは穏やかな声で応答する。

「当たり前だ。ヘリウムネオンレーザーに使用するネオンガスを大幅に削減したのにお前はそれを……。」

「お!始まったな!フカイお得意の1人つぶやきだ。」


 0号は深井を茶化す。


「0号、私が何のためにリヴァイアサンと話していると思っているんだ。」

 深井はガラス越しに0号を睨みつけて言った。

「とは言っても、俺はそのリヴァイアサンとやらの声を聞いたことがないからな。」

「そうか、お前にはコモンセンスがなかったな……。お前にはわからないだろう。自分のアイデアが盗み取られるこの怒りとやるせなさは。」

「大さんあれは仕方がなかったんです。あのアイデアを開示していなければ四菱社は市場でのシェアを落としていましたから。市場での均衡が」

「お前は口を開けば“シェア”ばかりだな!もういい。やることはきっちりこなしてやる!だからあと3時間は私に話しかけるな!」

「かしこまりました。あなたが義務を遂行し、法律を遵守する限り、私は沈黙します。」


 リヴァイアサンは淡々と答えた。


「さて……0号。数学の時間だ。」

 深井は実験室のモニターの電源を入れ、メメックスで数学のカリキュラムをチェックし始めた。

「何だって!映画の話はどうなった!」

 鎖を鳴らしながら0号は叫ぶ。

「映画はまた今度だ。まず、正の約数の総和が自身の2倍に等しい(※2)について」

「おいおい、そんなくだらない数の話はもう聞き飽きたぞ。」

「黙って聞くんだ。」

 深井は険しい顔で0号を睨んだ。

「映画を見せろ!映画を!」

「いい加減にしないと餌を抜くぞ。」

 0号の主張は通らない。

「チッ!仕方ない。分かったよ。」


 小言をこぼしながら、0号はおとなしく数学について学び始めた。しばらくすると深井のいる部屋の扉が開いた。デスクと飼育用品、実験道具で満ちた部屋に新しい空気が入り込む。


「深井さん、交代の時間です。」


 オールバックで四角いふちのサングラスをかけた男が入ってきてそう言った。

「田(※3)さん、もうそんな時間ですか。」

「ええ。午後18時からが私の当番です。」

 男は時計を見ながら返事をした。

「おや、リヴァイアサンが黙り込みましたね。」

 男がリヴァイアサンの異変に気づいた。

「ああ、私に対してあと3時間は喋るなと命令したので。」

「そういえば、深井さんは今リヴァイアサンにおかんむりでしたね。」

「ええ、いくら各企業の均衡を維持するためとはいえ、あのアイデアを取られるとは。他のものならまだしも。」

「まあ、リヴァイアサンによる調整のおかげでアイクラシーが始まって以来、恐慌もありませんから、それは仕方がないですよ。それに、今回の深井さんの発明は取り上げられましたけど、この前は四菱社から発明をひとつもらったじゃありませんか。」

「それはそうですが……。」


 深井は不満を表情から隠せずに言った。田盛はその顔を見ることなく、ガラスに近づき、0号に目を向けた。


「げ!タモリ!次はお前か!」


 0号は田盛を見て叫んだ。


「数学に集中しろ!0号!」

 深井はモニターからよそ見をした0号を注意した。微笑みながら田盛は尋ねた。

「0号のバイタルはどうですか。」

「すべて異常なしです。何も問題ありませんよ。今は映画を見たがっています。」

「そうですか。おい!0号!」

「何だ!?」

「髪切った(※4)

「俺が自分で切れるか!馬鹿野郎!何だこのやり取りは!毎度毎度俺をおちょくりやがって!」


 吼えたてる声と跳ねる鎖の音がガラスに響く。


「さあて、今日もいっちょからかってやるか。」

「黙れ!タモリ!お前は帰れ!」

 深井は田盛研究員に後を任せて部屋を後にした。リヴァイアサンへの怒りとやりきれない思いを抱え、シミひとつない真っ白に続く廊下を歩きロッカールームに入った。白衣を脱いでカプセルの中に入ると目を閉じて、深井はコモンセンスの接続を切り替えた。


 目を開くとそこは見慣れた自身の寝室だった。すぐにベッドから起き上がり廊下に出ると妻からコモンセンスに通信があった。


「大さん、夕飯が出来てますよ。」

「八重。彦はどうしてる?」

 大は暗い廊下を歩きながら自分の息子の様子を尋ねた。

「彦三郎はまた3次元アイドルを見ていますよ。」

「またプログラムを無視して……。起こして食事にしよう。」

 短い移動すら煩わしく思いながら大は歩いた。

「はい。」

「キュリ(※5)は何をしている?」

「今は食事を作り終えて、庭の手入れをしています。」

「そうか。」


 大が古びた扉を開けると狭いリビングが目の前に広がった。そこにあるソファでは彦三郎が目を閉じて座っていた。大はため息をついて彦三郎に呼びかけた。


「彦!おい彦!」

「何?父さん。」

 ヘッドセットをつけて眠る彦三郎を見ながら、大は呼びかける。

「夕飯の時間だ。起きなさい。」

「えー、今からサラの重大発表があるんだけど?」

 彦三郎はそのまま、応答する。

「そんなもの後から見れるだろう。」

「リアルタイムで見るから良いのに。」

「彦。お前も開発者になるんだろう?アイドルやモンスターキャッチャーばかりやってはいけない。リヴァイアサンの学習プログラムからの逸脱が過ぎると開発者にはなれないぞ。」

 大は自分自身に降りかかった経験を噛み締めて、苦い顔で言う。

「わかったよ。」


 彦三郎はヘッドセットを外して、起き上がった。キッチンにいた八重とテーブルに着いて3人は夕飯を食べ始めた。


「また培養肉か毎日こればかりで嫌になるよ。」

 彦三郎は目の前に置かれた鶏のデザインの肉を恨めしそうに見つめた。

「彦、贅沢を言うんじゃない。こんな安い培養肉でも食べられるだけマシなんだ。」

 大はそう言いながらも、自身も食べ慣れたその肉の味に辟易していた。

「いつかみたいにbio-Aの肉を食べてみたいなぁ。ねえ開発者の中にはbio-Aの肉を毎日食べられる人がいるって本当なの?」

「わからない。聞いたことはあるが見たことはないな…。」

「彦三郎。せっかくキュリオが作ってくれたんですから。食べなさい。」

 いつもと寸分違わない会話。大は生きるための栄養を補給し考え始めた。これからどんなアイデアを生み出しても、それが優れていれば優れているほど、リヴァイアサンは即座に奪っていくだろう。

「そんなことを言ったってあいつはただのアンドロイドだ。」

 その何の面白みのない職業を息子に勧めている自分がいる。リヴァイアサンのプログラム通りに生きろと言う。自身と同じように。

「あなたには感謝が足りません。」

  プログラム通りに生きる可視化された少年期に一体何の価値があるのだろう?そんな人間は生きる屍だ。

「感謝?感謝って?」

  1%の開発者といえども、大の業務は殆どスケジュールで定められている。

「食材に対する感謝、それを作ってくれた人への感謝です。」

 明日の午前からはまた0号の管理、午後まで自由に研究する時間はない。

「感謝って言ってもねえ。あーあ、何か今まで食べたことのないものが食べたいなあ。」

 このまま、定められた予定調和を繰り返す生活を続けるのか。

「万能食しか食べられない人もいるんですよ。」

 リヴァイアサンが存在する限り、この擬似自由戦争は果てなく続く。万人が過激思想と非難するが、もしもこの都市が民主主義政治であったなら……。

「別に良いじゃないか。いつもの生活に刺激が、変化が欲しいだけだよ。」

 自由が欲しい。こんな偽物じゃない、本物の自由が。

「そんな馬鹿なことを言って……。」

 例えその自由が今の生活を破壊することになっても。

「……イ…おい!フカイ!聞いているのか!」


 叫び声で我に帰ると、大は真っ白な実験室を眺めていた。


「…なんだ。0号。」

 コモンセンスに表示されている時刻は10時になっている。

「動けない!鎖を解いてくれ!」

 見ると暴れ回ったのか0号は実験室にあるルームランナーの上で鎖が絡まりがんじがらめになっていた。

「ああ。」


 大は実験室の中に入った。


「何だ。お前はボーッとして!」

 0号に近づき、鎖に手をかけた。

「……自由について考えていたんだ。」

「自由?」

 0号の鎖は外れない。

「ああ。自由さ。」

 大は曇った表情で言う。

「この前、政治倫理の時に自由にはネガティブなやつとポジティブなやつがあ(※6)と言っていたな。そのことか?」

「いや。違う。」

「そうだ!俺もそう思った。自由にネガもポジもない。社会的か、個人的か、束縛からの解放か?そんな区別も必要はない。ただ俺たちにはあらゆる行為と連帯によって可能な選択肢が無限に開かれている。その全ての選択肢が我々の自由だ。全ては許されてい(※7)!俺たちはいつだって善や悪、慣習や規則による思い込みで自由を制限しているのさ。」


 鎖を外そうとする手を止めて0号の黒い瞳をまじまじと見た。


「フカイ!手を止めるんじゃない!さっさと外してくれ!」


 大は必死の形相の0号に思わず微笑んで、手を動かし始めた。

「まあいい、だから……自由であるとは選択肢を持っているということ、自由を行使するということは選択肢の中から一つの選択肢を取るということだな。」

 0号は舌を出して叫ぶ。

「そうさ!だから、自由とは情報なの(※8)。」

「ハハハ。ああ、そういえば古代にそんなことを言った阿呆がいたな。」

「阿呆とは何だ!心外な。」

「それはつまり、あらゆるも」


 その時、絡まっていた0号の鎖が解けた。


「よくやった!フカイ!」


 0号は喜びのあまり部屋の中を駆け回り始めた。飛び跳ねる0号を大は見つめていた。


「大さん!それはいけません!」


 大のコモンセンスにリヴァイアサンが叫ぶ。


「何がいけないんだ?レヴィ?」

 大は笑みを含めた顔でそう言った。

「……私に強硬手段をとらせないでください。」

 語気を強めてリヴァイアサンは言う。

「0号。こっちに来い。」


 大は0号を呼んだ。0号が駆け寄ってくると、実験室の全てのドアが解放された。


「どうした?フカイ?扉を開けて。」

「大さん、それはコモンウェルスに反します!」


 リヴァイアサンを無視して大は0号に話しかける。


「お前は外に出たら何をしたい?」

「いきなり何なんだ?」

「開発者の職務規定を破ることになります。今回のケースでは二度と元の生活に戻れません!」

「いや、ただ何でもない。俺も生涯に一度くらい自分の意思で自由な選択をしようと思ってな。」


 大はどこか遠い場所を見るように0号を見て、その艶やかな黒い毛並みを撫でた。


「何を言っているんだ?どうしたんだ?」

「俺と一緒に外に出ないか?」

「大さん!」


 リヴァイアサンが叫んだ。


「いいのか!?」

 0号は尻尾をちぎれんばかりに振って喜ぶ。


「いいさ。お前は俺に自由を教えてくれた。俺を本当の自分に帰らせてくれたんだ。」

「残された彦さんと八重さんはどうなってもいいのですか!?」

 一瞬喜んだ0号は躊躇った。

「だがお前がそんなことをすれば」


「さあ、行こう。外の世界へ。」


 大は0号に付けられていた首輪を外した。


「重大な職務規律違反です。コモンセンスを一時的に剥奪します。」


 アラートが鳴ると大の視界は青色に染まった。手から感じていた0号の温もりが失われ、大地と重力を喪失し真っ青の宙に放り出され(※9)


「フカイ?お……」


 そして、沈黙が訪れた。青い無音の暗闇であらゆる感覚を喪失した中、大はそこにいるはずの0号に叫んだ。


「逃げろ!0号!お前は自」

「随意筋の運動神経を遮断します。」

 無機質な声が大に告げる。


 0号は逃げろと言ってうずくまりその場に倒れた大の姿を見て言った。


「……ありがとう、フカイ。」


 そして、0号は白い実験室から飛び出した。

「動くな!0号!お前には捕獲命令が出ている!」

 白衣を着たアンドロイド達が実験室に向かって走り始めていた。

「やなこった!」

 実験室に連れてこられた時の記憶を頼りに、0号は施設の中を駆け回る。


「いやあ、ついに完成しましたね!博士!」

「そうじゃのう。ピート。このスレッド・シュータ(※10)を義体に組み込めば手から蜘蛛の糸を出す人間が生み出せる。」


 おかっぱ頭で三角形の形のサングラスをかけた博士と痩せたメガネの研究員が施設の廊下を歩いていた。


「そうですね!でも、プロトタイプですから。絶対に落としてはいけませんね。これが壊れたら……」

「ちょっと失礼、お二人さん!」

 曲がり角にさしかかろうとした時、2人の間を黒い影が通り抜けた。

「何だ?」


 黒い影に足を取られた博士はバランスを崩してずっこけた。


「わしのスレッドシューターが!」

 あたりにはバラバラになった装置が散らばった。

「ま、まだ大丈夫です!博士!」

 すると、黒い影を追いかけてきたアンドロイドが数人、装置を踏み潰して通り抜けていった。


「ああ!」

 研究員の悲痛な叫び声が響いた。

「博士!どうしましょう?」

 その時、博士の曲がった腰がその秘められた力を解き放った。博士の腰から蛸の足のような金属製のロボットアームが4本飛び出した。

「あンの腐れアンドロイドどもがァ!この超硬合金のアームで八つ裂きにしてやるゥ!」

 博士は8本の手足でアンドロイドを追い始め(※11)。研究員は声を上げた。

「博士ー!」


 研究施設を駆け抜ける0号の目に出口が見えてきた。ちょうど誰かが入ってきたところで扉は開いていた。


「おう。0号!」

「タモリ!」

「どうしたんだ?変な行列を作って。」

 0号はそう言われて後ろを振り返った。0号を追うアンドロイドが十数体とそれらを4本のアームでちぎって投げるおかっぱ頭の老人が列をなしていた。

「何だ!?あのジジイは?」

「あれはオーガスタス博士、核融合発電の第一人者(※12)。コモンウェルスへの貢献度が高すぎて研究開発を求めざるを得ず、バグズアイランドに連行することができないから、リヴァイアサンも手を焼いている。この都市で最も有名な科学者の1人で一般市民にも人気がある。」

 田盛は0号にオーガスタス博士の説明を行った。


「そ、そうなのか。いや、そんなことはどうでもいい。そこを通らせてもらう!タモリ!」


 0号は意を決して出口へと走ったーーーすると人工太陽の明るい日差し、さわやかな青色のビジョンを映す天蓋、頬を撫でる都市の風、ピンク色の空飛ぶタクシー、過ぎ去っていくモーターの高音、漂ってくる人口調味料の香ばしい香り、赤い背景に白い文字で24時間営業と書かれたファストフード店、ねずみ色の建物、白衣以外の色とりどりの服を着た人間たち、その話し声、青い制服を着てゴミを拾うアンドロイド、初めて見る外の世界が0号の五感を埋め尽くした。振り返ると、田盛は棒立ちのままだ。


「タモリ、お前……。」

「そうだな……。いい宿を探すんだ。」


 そう言うや否や、研究所の扉が閉まった。辺りを見回すと左手には列車の線路、右手にある大通りは歩行者天国で車道に人だかりができているのが見えた。


「こっちだ!」

 右手に駆け出すと研究所の扉からアンドロイドの追っ手が飛び出した。

「待て!0号!」

 その後をさらに8本足のオーガスタス博士が追う。

「逃がさんぞお前らァ!」

「あ!SQNYの研究所からオーガスタス博士が出てきたぞ!キャプチャしよう!」


 辺りにいた通行人がオーガスタス博士を見て視覚イメージをメメックスにキャプチャーし始めた。その脇をすり抜けて0号は大通りまで走った。0号は外民田5丁(※13)と書かれた看板の立つ交差点に入り、大通りの歩行者天(※14)の足元を駆け抜けた。

 後方ではアンドロイドが人混みに分け入る。


「このリヴァイアサンの都市からは逃げられない!お前に逃げ場はない!0号!」

 それを追うオーガスタス博士は歩行者を押しのけながらアンドロイドをつかんで投げる。

「ワシの苦節30年の研究をォ!お前らに逃げ場はないィ!」

 あたりにいた通行人がアンドロイドを投げるオーガスタス博士を追う。

「こっちを向いて!オーガスタス博士ー!」

 0号は歩行者天国の人混みの足元をすり抜けて駆けていく。


「みんなー!今日は投票に来てくれてありがとうー!グリーン派アイドルのサラでーす!」

 0号の耳に甲高い女性の声と大きな歓声が聞こえ始めた。

「痛っ!」

 0号は転倒した。ヘッドホンをつけた少年と衝突したのだ。少年はアイドルの写真がプリントされた袋をもっていた。

「何なんだ?一体?」

 少年は状況が理解できず、言った。

「気を付けろ!ちゃんと足元を見て歩け!」


 0号はそう吐き捨ててその場を去ろうとした。


「bio-Aが喋った!?」

 0号が言葉を発したため、あたりにいた人々の目を集めた。少年が起き上がろうとすると、0号が少年の持っていた紙袋を踏み潰していたのを見た。

「ああ、サラのポスターが!待て!」

 少年はよろめきながら0号を捕まえた。

「やめろ!離せ!」

 追いかけてきた白衣のアンドロイドが叫ぶ。

「よくやった少年!そいつを捕まえてろ!」

「この野郎!」

 0号はとっさに少年の腕に噛みついた。成長途中で義体化されていない少年の腕からは赤い血が流れた。少年のヘッドホンにアラートが流れる。


「出血が確認されました。過酸化水素水等による消毒を推奨します。最寄りの医療施設は……」


 すると、周囲にいた群衆の中で、数人の目が赤く光り、異口同音に言った。


「「「「一般民間人へのテロルを確認。当該bio-Aを鳥獣保護法の保護対象(※15)と見なし、ただちに捕獲します。」」」」


「おいおい、マジか!」


0号は事態を察して、少年の手を振りほどき走り出す。目が赤く光る治安維持管理者が0号を追う列に加わる。


「逃げるんじゃない!0号!」

 アンドロイドが叫び、0号を追う。

「逃さんぞォ。人形どもがァ!」

 オーガスタス博士が叫び、アンドロイドを追う。

「オーガスタス博士ー!アームを見せてー!」

 通行人が叫び、オーガスタス博士を追う。


「ANSB-279_8!そっちに行ったぞ!」

 0号を追う治安維持管理者が叫ぶ。


 0号は人混みの大通りを駆け抜ける。人と人の間を掻き分けて管理者の腕が飛び出して来る。気づくと群衆の中には赤い目をした数多くの治安維持管理者がおり、0号を追っていた。そして、そのうちの1人、金髪で白いスーツを着た白人の男が立ち止まって治安維持管理所に通信を行った。


「ローレル!こちら義体コードANSB-279_8。先程のbio-Aの捜索にシェパードの動員を要請する。」

 治安維持管理者のコモンセンスにローレルから応答があった。

「OK。ドローンはどうする?」

「インセクトを使いたいが人が多すぎるな!インセクトはバタフライだけで、他のドローンと一緒に情報だけを配信してくれ。」

「わかったわ。でもさっきのbio-Aは管理用の首輪が外されている上、コモンセンスも装着されていない。」

「無線ポジショニングシステムが使えないのか。」

「ええ。だから長年使われていないけど、億世(※16)の治安維持管理所から嗅覚機能を持つ旧型のシェパードを放つわ。」

「了解した。」


 治安維持管理者は再び大衆の1人となって歩き始めた。


 0号はそのまま治安維持管理者の手をすり抜けて人々の足元を走り続けた。白い実験室で鍛え上げた強靭な肉体は疲れを知らず息切れることなく、自らの知る世界、その外部を駆け回る自由を謳歌した。0号が大通りを横切るメトロの高架(※17)まで来たとき、前方70mほど先に、茶色と黒が入り混じった毛皮を着た犬が2匹歩いているのを認めた。犬のうち1匹がこちらを見た。0号と目が合う。


「嫌な予感……!」


 0号が右手、メトロの線路に沿ってに駆け出すと、犬の目は赤く光り、直進方向と0号の向かった方向に別れて走り始めた。


「やっぱりか!」


 メトロの線路は傍を流れる(※18)と鋭角に交差し、道は川に沿って伸びていた。0号は昌平(※19)と書かれた橋の横にでてその道を駆けた。振り返ると直進方向に進んできた犬とは距離が開いているが、先廻りを図った二匹目とはあまり距離がない。


「クソっ!何か手はないか……。」


 そばにある吼師学(※20、21)には目もくれず、川にかかる非知吏と看板のある(※22)の下を抜けて走った。2匹の犬はジリジリと距離を詰めていく。0号が次の橋に続く十字路にたどり着くと、赤信号となっていた。交通量の多い交差点には道の向こうが見えないほど、ひっきりなしに車が飛び交っている。振り返ると犬はもう十数m程に迫る。


「行くしかない!」


 0号は覚悟決めて車と車の間をめがけて駆け抜ける。響くクラクション、しかし、全ての車が自動的に0号を避けて走り続けた。

 車の行きかう道路を横断すると、近くのホールで行われている演説の声が聞こえてき(※23)


「……過去の人々は天下の楽しみに先じて楽しみ、天下の憂いに後れて憂いた!結果として私たちに残された自由はもはや少ない!今や、我々にできるのは天下の楽しみに笑い、天下の憂いに笑う!これしかない!」


 0号が振り返ると犬たちは信号で止まっている。


「古代の思想家は言った!赦し得ぬものの赦しこそが赦しである(※24)!……私たちは例えそれが赦し得ないものであっても、赦さねばならない。」


 0号は一安心した、辺りにドローンが飛んでいたことに気づかずに。


「我々にとっては即ち、過去の人々を!原子歴以前の人々に核融合炉はなく、化石のようなエネルギーはこの大地と大気、そして海洋を汚染せざるを得なかった!自由戦争を続け、資源を蕩尽した挙句、大気は微小粒子の塵で覆われ、海洋は汚染され、世界の気候は変わり、この大地のエコシステムを崩壊させて地上から我々を追放した人々、それすらをも赦さねばならない。例え、赦し得ぬ罪を赦すということ、それを続けることで全てが許され(※25)というニヒリズムに陥ることに繋がるとしても…。」


 0号はそのまま川沿いの道を走り続けようとした。が、赤い眼光の人間数人が前方からすぐそばまで駆けてきているのがその目に映った。


「コレはまずい…。」


 演説は叫ぶ。


「自由戦争に加担し、地上の生態系と気候を破壊した古代の大衆と企業は環境犯罪者として断罪されている。彼らは幼稚にも未来を慮ることなく、貨幣という媒介への欲望、その瞬間瞬間の快楽に身を任せてしまった、媒介を求め、その特性から利益を得るあまり媒介でないもの、交換し得ないものを見失ってしまった、と。」


 0号が振り返ると2匹の犬はまだ橋の手前の信号で止まったままだ。そのまま来た道を駆け戻る。


「しかし、過去の大衆にいかに我々の未来が予測できただろうか?我々は赦さねばならない!そして、我々は同じ過ちを繰り返し、反復してはならない。あなた方はどこか心の隅で思い込んでいないか!?」


 信号が青に変わる。犬は駆けだしてくる。


「我々は赦し得ないものを赦す側だと。それは断じて異なる!何故なら今現在を生きる我々には自由、即ち未来への責任、過去から未来を生む応答の可能性が存するからだ。私たちは、この都市は、我々の国家は!常に未来の眼差しに監視されており、未来の倫理に裁かれる!」


 0号は挟み撃ちにされ、追い詰められた。


「畜生!こうなったら……。」


 横道に走り、生活排水の流れる川へ飛んだ。それを追いかけて犬が1匹川へ飛び込む。


「勿論、誰もがこの世界の規則を変える神の手を司る使徒のようにはなれない!我々は完全なる善を実現出来ず、世界の規則を変えられない凡庸な民衆に過ぎない……」


 0号が初めて浸かった水は深い緑色の悪臭がした。そこから抜け出し向こう岸にたどり着くためにあがく。その時、後ろで何かがはじける音がした。振り返ると飛び込んだ犬の首から火花が発生している。回路がショートしたようだ。それならこのまま水路を行くか?……その時、水の中で何者かが0号の足を噛んだ。直ぐに手足が重くなった。


「イテテッ!何だ?何かいるのか?」


 0号が溺れないように死に物狂いで向こう岸にたどり着くと、待ち受けていたのは赤い目の犬と白い短髪の黒人女性の治安維持管理者だった。自分の手足を見ると腹部が黄色く、黒い斑点の付いた(※26)が数匹食いついている。0号は再び走ろうとしたが、急に湧き上がってきたひどい眠気に倒れ込んだ。0号は女に担ぎ上げられた。


「……ローレル!さっきテロル……させたbio-Aを確……。ピラニアは助か……。今は麻酔が……きて……。」


 0号は生まれて初めて外の世界を走った。しかし、まだ足りない。足を動かそうとするが、ぴくりとも動かない。周囲の光景が微睡みに呑まれていく。


「ええ。……前楽園の近……一率99.983%。SQNYの研究所から……間違いないわ。」


 もはやこれまで。0号は自由の終わりを惜しんだ。


「……旧型が一機ダメに……」


 望まぬ眠りに落ちていくなか、最後の視界に光が瞬き、世界が赤色に染まっていく。

 その光は、いつか映画で見た夕焼けに似てい(※27)


「……ってなわけで、俺はお前に助けられた訳だ。」


 0号はひび割れたコンクリートで囲まれた殺風景な部屋の中で、ワイシャツを着てソファに座って目を瞑っている男にそう言った。


「SQNYの研究所から抜け出したってのは本当の話か?オーガスタス博士なんて聞いたことないぞ。」


 男は目を瞑ったままソファに座って動かない。


「俺が嘘をついてるっていうのか!?」


 0号は吠えた。緑色の飛沫が散る。


「いや、……確かに喋るbio-Aであるお前の存在自体がその証左なのか……?」

「まあ、どうだっていいだろう?そんなことは。しかし……俺のいたところも酷いが、お前の部屋も負けず劣らずだな。」


 0号はボロボロの学生服がかけられたソファしかない部屋を見渡して行った。それには怪しげな仮面が引っかかっている。


「何だ?この長い鼻は?お前の趣味か?」

「違う。なぜかわからないが、そこにあった。データベースと照合してもその衣服と仮面はどこの誰に作られたのか分からない。恐らくこの都市の外部から来たものだ。」


 男は沈んだ声で言った。


「何だそりゃ。おい、それよりそろそろ俺の身体を洗ってくれよ。臭くてたまらん。」

「あと5秒待ってくれ。コモンセンスの調子が悪くなければコンマ数秒で書き換えられるんだが……。コモンセンスから解放されるのはいいが処理に時間がかかるのは厄介だな。」


 男は何もせずにソファに座ったままだ。


「何をしているんだ?」

「このドリームキャッチャーにメメックスに残っていた夢を吹き込んでいるんだ。」

「ドリームキャッチャー?」

「この銀色の装置だ。これで夢を見ることができる。」


 男の指差した方を見ると、ソファに銀色の棒が突き刺さっている。


「ふーん。こんなものに夢が詰まってるのか。」

「ああ。さっき外に出ていたのはこいつのテストだ。……よし。」


 男は目を開けて立ち上がると、部屋の匂いに顔をしかめた。


「テスト?」

「今、これはただのドリームキャッチャーじゃない。どうやら、これは本当に半径450m以内にあるあらゆる装置の情報を改竄することができるようだ。」

「それを使って俺を助けてくれたのか。」


 男はドリームキャッチャーを持ってシャワールームへと歩く。0号はそれを追う。


「そうだ。その時はルー(※28)を使ったがな。」

「それで、今は違う夢を記録しているのか。」

 ドリームキャッチャーを洗面台に置いて2人はシャワールーム入った。

「ありったけの夢を記録した。それに、ルー(※29)とあともうひとつ、“ギュゲスの指(※30)”という電脳の記録を改竄するプログラムが吹き込まれていた。」

「改竄?」


 男はシャワーヘッドを取った。


「まあ、有り体に言えば透明人間になれるって訳だ。さあ、身体を洗うぞ。」

「おう。頼んだぞ。」


 シャワーヘッドからお湯が出て、0号の身体を洗い流した。


「しかし、どうやってそんなことをしたんだ?お前はただソファに座っていただけじゃないか。」

「プログラミングは僕らの思うがままさ。脳の神経の信号を直接読み取るから、念じればあらゆるコードを記録できる。」

「そりゃすごいな。あらゆる仕方で情報を改竄できるなら金を盗み放題じゃないか。」

「そうは行かない。今の僕は金を盗んでも1不可説たりとも使えない。脳波認証にバグが出ているし、モノスコードから居場所を特定されればすぐに治安維持管理者が駆けつけるだろうからな。直接モノを盗んだ方がましだ。」

「何だ?モノスコードってのは?」


 男は0号に染み付いた匂いを取るため石鹸を使った。


「モノスコードは遺伝子に紐づけられた管理番(※31)だ。」

「ふーん。それにしても、俺を追ってきた奴らは恐ろしかったな。」

「シェパードか?」

「犬もだが、一般人に紛れ込んでいる赤く目が光る奴らだ。」

「それは……契約者だ。」

「契約者?」

「ああ。治安維持管理契約者。リヴァイアサンからの要請があった時に自身の身体を貸し出す契約を結(※32)。それで定期的に一定の対価を得(※33)。」

「そんな奴らがいるのか。身体を貸し出すなんて不気味だ。」

「……普通に労働力を売るのとあまり変わらないがな。僕はあいつらは好きじゃない。」


 泡塗れの0号が尋ねる。


「どうしてだ?」

「契約者は嘘つきだ。」

「何だそりゃ。」

「奴らは偽善者さ。積極的に善を目指すことなく、異常があったときだけ身体を動かす。奴らには能動的な、主体的な善がない。それでいてコモンウェルスへの寄与度を得て善人を気取っている。」

「それは人間なら仕方のないものじゃないか……?それよりコモンウェルスってなんだ?」

「お前は本当に何も知らないんだな……。」


 男は泡を流し始めた。


「ああ、俺は何も知らない。そうだ、お前の名前すら知らないぞ!なんて言うんだ、お前は。」

「僕の名前は一朗だ。昏一朗。お前の名前は?」

「俺の名前か。俺はロットナンバー0348-015_0だ。0号と呼ばれていた。」


 一朗はそれを聞いて少し不憫な気持ちになった。


「そんな番号は捨てろ。僕がお前の名前を考えてやる。」

「ほー、そいつは面白い。」


 一朗は少し考えた。シャワーから出る水は辺りに飛び跳ねて音を立てている。


「お前の名前は“ニル(※34)だ。0号よりはいくらかマシだろ。」

「即席で考えた感じが丸出しだがまあいいか。」


 その時、ニルは水の流れている排水口からゴキブリが数匹湧いて出たのを見た。


「うわあ!ゴキブリだ!」


 ニルはそう叫び、一朗は顔色を変えた。ゴキブリは一朗とニルを目掛けて走ってくる。


「インセクト!まさかいきなり来るとは。」


 一朗はシャワーヘッドを出しっぱなしのまま放り出して洗面台に置いたドリームキャッチャーを手にした。


「頼むぞ……。」


 一朗の手にしたドリームキャッチャーが赤く光る。ゴキブリは一朗とニルのそばを通り過ぎ脱衣所の中を駆け回る。


「うまくいったか……。」


 …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………


 蜂が羽ばたくような音がする。

「ホーネットまで来ている……!ニル。ここを出るぞ。」

「わかった。」


 一朗とニルはそのまま奥の寝室へと向かった。排水口、窓、通気口、外部に繋がるあらゆる穴からムカデとゴキブリが部屋に侵入し始めた。ニルは恐る恐るムカデに触ろうとした。


「触るな!学習しないやつだな。お前は。」


 一朗は古びた学生服に着替えながら言った。


「やっぱり麻酔入りなのか?」

「そうだ。テイザーガンを打って来るものや、コモンセンスを強制遮断するのもある。」


 しばらくするとニルの耳がピクリと動いた。


「一朗!扉の外に誰かいる!見てこよう。」

「よせ!」


 一朗が止める間もなくニルは走り始めた。扉のボタンを押してドアが開く。


「ご機嫌よう。何の用かな?」


 ニルのおどけた声が来訪者を出迎えた。





脚注:

※1 https://www.ecosia.org/search?q=Masaru+Ibuka

※2 https://www.ecosia.org/search?q=Perfect+Number

※3 https://www.ecosia.org/search?q=Akio+Morita

※4 https://www.ecosia.org/search?q=%E9%AB%AA%E5%88%87%E3%81%A3%E3%81%9F%EF%BC%9F%E3%80%80%E3%82%BF%E3%83%A2%E3%83%AA

※5 https://www.ecosia.org/search?q=QRIO

※6 https://www.ecosia.org/search?q=Two+Concepts+of+Liberty+Isaiah+Berlin

※7 https://www.ecosia.org/search?q=Crime+and+Punishment

※8 https://www.ecosia.org/search?q=%E9%81%B8%E6%8A%9E%E6%83%85%E5%A0%B1%E9%87%8F

※9 https://www.ecosia.org/search?q=Blue+screen

※10 https://www.ecosia.org/search?q=Thread+shooter

※11 https://www.ecosia.org/search?q=Dr.Octopus

※12 https://www.ecosia.org/search?q=Spider-man+2

※13 https://www.ecosia.org/search?q=%E5%A4%96%E7%A5%9E%E7%94%B05%E4%B8%81%E7%9B%AE

※14 https://www.ecosia.org/search?q=Akihabara+Pedestrian+Paradise

※15 https://www.ecosia.org/search?q=%E9%B3%A5%E7%8D%A3%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%B3%95%E7%AC%AC80%E6%9D%A1

※16 https://www.ecosia.org/search?q=Manseibashi

※17 https://www.ecosia.org/search?q=%E5%8D%83%E4%BB%A3%E7%94%B0%E5%8C%BA%E5%A4%96%E7%A5%9E%E7%94%B0%E4%B8%80%E4%B8%81%E7%9B%AE

※18 https://www.ecosia.org/search?q=Kandagawa

※19 https://www.ecosia.org/search?q=Shohei+bashi

※20 https://www.ecosia.org/search?q=Yushima+Seido

※21 https://www.ecosia.org/search?q=Confucius+Institute

※22 https://www.ecosia.org/search?q=Hijiribashi

※23 https://www.ecosia.org/search?q=Korakuen+Hall

※24 https://www.ecosia.org/search?q= %E8%B5%A6%E3%81%99%E3%81%93%E3%81%A8%E3%80%80%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%80

※25 https://www.ecosia.org/search?q=Crime+and+Punishment

※26 https://www.ecosia.org/search?q=Giant+Yellow+Piranha

※27 https://www.ecosia.org/search?q=Unforgiven+%281992%29

※28 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%81%8B%E3%81%AF%E3%83%87%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%83%96

※29 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%81%8B%E3%81%AF%E3%83%87%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%83%96

※30 https://www.ecosia.org/search?q=Republic+Plato

※31 https://www.ecosia.org/search?q=Social+Security+Number

※32 https://www.ecosia.org/search?q=Gig+Worker

※33 https://www.ecosia.org/search?q=Subscription

※34 https://www.ecosia.org/search?q=Ein+Cowboy+Bebop

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。

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