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3.見知らぬ記憶

この小説にはパロディ、オマージュがあるので、参照元を検索エンジンに入力したURLを脚注としてつけておくことにしました。

例)タイトル https://www.ecosia.org/search?q=The+Catcher+in+the+Rye


たぶんURLを踏むと草が生えます。

検索エンジンについて https://www.ecosia.org/search?q=Ecosia+wiki


全13話構成だったと思います。

拙い文章ですがよろしくお願いします。


※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。

 一朗がG01(※1)の8号前広場に着くと時刻は10時50分になっていた。一朗はすぐさまそこにいたタクシーの方へ歩いた。タクシーに近づくと自動でドアが開いた。ハンドルのない前席にはどぎついピンクのヒゲをつけ青い服を着た小太りの男性型アンドロイドが座っており、一朗に話しかけた。


「ようこそ、Fly Tuber(※2)へ。どちらへ向かいますか?」


 シートに座ると一朗は急いで行き先を告げた。


「SJ-K地(※3)のWアカデミー医学部付属病(※4)へ。」

「かしこまりました。現在の交通状況ではおよそ13分で目的地に到着します。ご料金は2,500不可(※5)になります。」

「わかった。すぐに出してくれ。」


 脳波認証が済むとタクシーはすぐにホバリングし、目的地に向けて出発した。タクシーが動き出すとコモンセンスには行き先の近くにあるおすすめスポットや交流を希望するクリエイターの情報、イベントの広告が表示された。いつもなら煩わしく思うところであるが、一朗は今だけはそれを見て安堵した。


 タクシーはしばらく走ると都市で最も歴史がある宗教団体の広大な敷(※6)の側を通った。そこに生えている背の低い黄緑色の植物の上には古びた建物が入り組んでいた。中心には2羽の鳩が空に飛び立つシンボルを掲げた塔がそびえ立っている。その建物の周囲は祈祷のために訪問する人々で賑わっていた。


「どうです?見事なものでしょう?あれがこの都市で一番大きな精舎ですよ。」

「そうなんですか。あいにく宗教には興味がないんです。」

「そうですか。宗教とは言っても教義をきちんと読めば、合理的な論理で一貫したものですよ。」

「ええ。それはそうですが。」


 精舎のそばを通り過ぎるとそれとは反対側に広い庭(※7)が現れた。庭園に目を向けるとコモンセンスにはそれにちなんだ夢の広告が表示された。視界に浮かぶ「鳴上の……」と歌う短歌を読みながら、一朗は気分を紛らわせるために人生で一度も見たことがない雷の姿やそれに打たれ痺れるという感覚を想像した。


 一朗の乗るタクシーはそのまま今にも崩れそうな古びた建物が並ぶ一帯を通った。もう明かりのつくことのない古びた看板、くたびれた服装で何かを呟きながら歩く人、ゴミを拾って歩くアンドロイドが目に入った。タクシーのアンドロイドは一朗にまた話しかける。


「このあたりは昔都市有数の歓楽街だっ(※8)というのをご存知ですか?」


 一朗はメメックスの記録を確認しながら答えた。


「ああ、はるか昔にドリームキャッチャーと義体化技術とコモンセンスが普及して寂れてしまったようですね。」

「ええ。その昔は性別の概念が今よりもずっと社会に影響を及ぼしていて、女性が男性と話をしてお金をとっていたそうです。人を酩酊状態にするエタノールを含んだ飲料を飲みながら。」

「今は直接人と会う必要はありませんからね。”Share”でチャットルームをつくってフルダイブしてコモンセンスをいじってしまえば、それで済みますし。直接人と会うなんてよほど特別な時以外ないですしね。」


 一朗は先ほどの出来事を思い出さないようにしながら、ばつが悪そうに答えた。


「今やここは管理者につかず夢を見続けた人々の行きつく先です。彼らは夢遊病者一歩手前ですよ。」

「そうですね。」


 一朗は心臓を掴まれたように息苦しい感覚に陥り、ますます気分が落ち込んだ。それからはこのあたりで有名な怪談を書いた文学者が亡くなっ(※9)とか、病院の直ぐ近くにこの都市で一番大きな(※10)があるとか、アンドロイドに何を言われようとも気の抜けた返事をすることしか出来なくなった。そうしているうちに、タクシーはWアカデミー医学部付属病(※11)に到着した。


「目的地に到着しました!」

「ありがとう。」

「お客様とのお話は楽しかったです。」

「そうですか。」

「ぜひ次回もFly Tuberをご利用ください!」


 一朗がタクシーを降りると薄い褐色の煉瓦のような外壁におおわれた高層建築が現れた。敷地には背の低い黄緑色の植物が生えており、黄色い蝶が飛んでいた。そばの道路はひび割れていて、青い制服を着たアンドロイドが補修作業を行なっていた。


 補修工事の騒がしい音を後に、病院の扉を通って中に入ると塵ひとつない清潔なホールが広がっていた。ホールにいたのは小さな幼児とその子を抱く母と思しき人物だけで訪れている人は殆どいなかった。一朗が受付の元へ行くと、薄い水色の看護服を着た男性型アンドロイドが言った。


「こんにちは。脳波認証を行い診断履歴を確認します。しばらくお待ちください。」


 アンドロイドはしばらく停止した後、モノスコードを尋ねて、一朗はそれに答えた。


「昏様。今日は予約より早めにお越しになったのですね。」

「ええ。」

「昨夜、コモンセンスとメメックスについて簡易診断を行っていますが、これについてということですね。」

「はい。コモンセンスに異常が発生して、早めに来たんです。」

「そのようですね。診察室へ向かって下さい。右手の3番目の部屋になります。今青色のランプが点灯しているところです。」


 一朗は言われるがままにその診察室へと歩いて行った。診察室に入ると何もないデスクの前に白衣を着た女性型アンドロイドが座っていた。その隣には患者用の椅子と大きな環を横に倒した形の装置がついた寝台があった。


「こんにちは。昏様。これより複合診断装置で診察を行います。寝台に横になってください。」

「はい。」

「診断を開始します。」


 環状の装置が足まで動き、身体を診断している間、一朗はさっきの出来事を思い出さずにはいられなかった。一朗は今まで久作と言い争いをしたこともなかった。なのに、なぜ今日自分が久作の一番触れられたくない過去を掘り返し挑発するようなことを言ったのか、全く分からなかった。そして、コモンセンスが治ったらこれからのことを考えるのにリヴァイアサンに相談しようと思った。

 環状の装置が一朗の頭まで往復するとアンドロイドは言った。


「診断が終了しました。椅子に座ってください。」


 一朗は起き上がり、椅子に座った。するとアンドロイドは言った。


「診察結果がでるまで少しかかります。その間メモリーキャッチャーにてあなたの記憶を取得します。」

「わかりました。」

「また、取得した記憶と診断結果ですが、今後の医療技術発展のために使用することに同意しますか?コモンウェルスへの寄与度が2ポイント加算されますが。」

「はい。」

「ではメモリキャッチャーを使用します。」


 アンドロイドは白衣の胸ポケットから棒状の装置を取り出し、一朗の目の前にそれをかざした。次の瞬間、青い光が一朗の目の前に広がった。


「記憶の取得が完了しました。結果を解析します。しばらくお待ちください。」


 少しの間、沈黙した後アンドロイドは言った。


「診断が終了しました。処置が必要ですので、脳神経外科の処置室に移動してください。」

「わかりました。ちなみに、病名は何ですか。」

「”疲れ”ですね。」

「”疲れ”……!」


 一朗は診断結果に顔が真っ青になった。


「はい。処置室は1号館――この建物ですね――13階485号室になります。」

「……わかりました。」

「それと、診断結果を見て、今日当院を訪れている開発者の先生があなたの様子を直接見たいとおっしゃられています。」

「開発者が…?」

「はい。人の手で処置を行うことに同意しますか?」


 一朗は少し迷ったが承諾した。


「かしこまりました。では処置室へ向かってください。」


 一朗は足早に処置室へと向かった。13階に向かうエレベーターでは黒いスーツを着た黒髪で童顔の女と一緒になった。一朗が診断結果について考え込んでいると直ぐに13階に到着した。エレベーターから降りると女も一緒の階で降り、同じ方向へ歩き始めた。そして、485号室の前に来て言った。


「ああ、脳神経外科の患者さんだったんですね。」

「はい…。」

「しばらくお待ちください。準備が出来ましたらお呼びしますので。」

「わかりました。」


 一朗は485号室の前にあったベンチに腰掛けた。ベンチに座ると、認知症予防の情報や、コモンセンスのメンテナンスの重要性を説くポスター、ドラッグと夢遊病への注意書きが一朗の視界に表示された。一朗は待っている間そのポスターに見入っていた。


「昏一朗様。処置室にお入りください。」


 先の女の声がコモンセンスに響くと一朗は処置室に入った。部屋は間仕切りで囲まれた中、奥の窓から日差しが入っていた。そこには何も載っていないデスクの隣に寝台と椅子が二つあった。そのうち一つに白衣を着た壮年の男性が座っていた。


「こんにちは。昏君。さっき診断結果を見させてもらったよ。」


 白髪交じりの黒い髪の毛に赤いひげを生やした壮年の開発者が笑顔で一朗に語りかけた。


「こんにちは。えっと…」

「私はダウランド言います。座って。」

「こんにちは。ダウランド先生。」


 一朗は座りながら診断結果への疑問を口にした。


「先生。僕は“疲れ”なんですね……僕の命はもう長くないのでしょうか?」


 一朗は深刻な様子で医師に尋ねた。


「ハハハ!君は面白いことを言うね。君は内臓器以外を全て義体化しているじゃないか。標準的な義体化をしている人間はそんなことでは死にはしないよ。」


 ダウランド大笑いしながら言った。


「そうですか…。」

「ああ、でもメモリーを見るに、君はここ何年も不眠不休で仕事をしていたりしなかったかな?」

「そうですね……。ここ7年は眠りながら夢を見ていますが……。」

「それが良くないんだよ。ちゃんとリヴァイアサンの忠告を聞かなかったでしょ?そのせいでコモンセンスと君の脳にバグが発生しているんだ。そういう人は多いけどね。最近多発するようになった。私は普段見るとしたら大体末期の癌患者なんだけど、話を聞いて今日は私もドールでなく、直接出向いて一人見てみようと思って。」

「そうなんですか……。」

「コモンセンスから分泌される脳内物質で脳の状態を調整できるけど、それにも限界がある。そうだね…古代の人々が過酷な労働を行っていたのは知っているかい?」

「はい。その当時の人々は皆”疲れ”にかかっていたんですよね。」

「おお、よく知っているね!」

「父が趣味で考古学をやっていたので、その話を聞いて……。」


 一朗は気分が沈み込んでいくのを隠すのに精一杯になった。


「そうなのか!それは殊勝なことだ。」


 ダウランドはうれしそうな顔をして表情をコロコロと変える。


「与太話を延々と聞かされていただけです。」


 一朗は苦い顔をしながら言った。


「古代の人々は”疲れ”で死んでしまう人もいたからね。」

「ええ。危ないところでした。」

「……そうか。考古学の素養がある最近の若い人の意見としていくつか聞きたいのだけど。」

「素養があるというほどではありませんが、何でしょう?」


 声のトーンを少し低く落としてダウランドは聞いた。


「一つ目は最近復興しつつある民主主義思想についてどう思う?」


 一朗はためらいつつ答えた。


「僕は……僕たちは民主主義をもう一度取り戻すべきだと思います。」

「どうしてそう思うんだい?」

「自分のことを自分で決めることが出来ないというのはおかしいと思うからです……。」

「素晴らしい!」


 一朗はダウランドの発した大声に面食らった。


「民主主義は人間の自由と主体性を発揮する最も優れた思想だからね!熟議によって多様な人々の意見が反映され、共通の善が形成されるというこの古代思想が流行するのもいい兆候だ。」

「それを過激だとみる人もいますが…。」

「過激だって?そんな意見聞いたこともないよ。」


 一朗は驚いたが、それをよそにダウランドは立て続けに質問を重ねる。


「二つ目は“開発者よ、大衆の為にあれ”という標語についてどう思うか?ということだ。」

「どう?とは?」


 一朗は聞き返す。


「今、開発者が人口を占める割合は1%に満たない。それなのにこの都市で生まれる富の82%を開発者が独占しているという状況だ。ベーシックインカムがあるから、衛生環境すら整わない古代の貧困とは違うが、開発者は本当に残りの99%の大衆の為にあるといえるのか?ということについて(※12)。」


 一朗は今まで聞いたことのないその情報に冷や汗が滲み出てくるのを感じた。


「そ、そんな格差がこの都市に?」


 一朗の様子を見て医師はきょとんとして言う。


「ああ、私も開発者としては末端の位置にいるから実際に裕福な人を見たことはないんだが、私の同僚の間では有名な話だ……。君は知らないのかい?」


 ダウランドは不思議だといった表情で続ける。


「私の周囲の開発者の間で流布する正当化の理由はこうだ。“大衆”という言葉をもっと広い意味で考えるべきだというものだ。」

「広く?」

「ああ、君は人間はこれから先も存在し続けると思っているだろう?」

「ええ。まあ。古代の繁栄からは見る影もないですが。」

「そして、開発者が何をして働いているかは知っているだろう?」

「はい。……リヴァイアサンのメンテナンスです。」


 一朗は意外な応答が続くのに戸惑う。


「そう。あとはこまごました科学の研究や発明なんかをしている訳だけど……。そう言った研究の恩恵は全ての人たちが受けられるね。」

「そうですが。」


 ダウランドは一朗の応答を聞きながら話が通じるのを確認して話す。


「けれども、それは現在の管理者の仕事のように、“今の生活”を維持するためだけにあるのではない。それは未来を生きる人たちのためにもある。だから、開発者のインセンティブを高くして、発明のスピードを早めれば早めるほど、リヴァイアサンを改良すればするほど、より多くの人々が未来の人々も含めてその恩恵を受けられるわけだ。そして、それは科学による生活様式の発展だから、一概に貨幣で表現される数値には還元できない。」

「……つまり、開発者への報酬は現在の99%だけでなく、未来の人々のための投資と考えられると。」

「その通り。大衆の定義の中には未来の人々が含まれている、そうあるべきだ。だから、寄与度がクリエイターや管理者より高い。そういったものだ。」


 それまで話きったダウランドは一朗の反応を待った。一朗はおずおずと話し始めた。


「……僕はその……格差の話を初めて聞きましたが…それでも納得出来ないところはあります。」

「やはりそうだね。私もそれについてよく考えるんだ……。」


 2人の間で少しの沈黙が流れた。一朗は深く考え込み始めた。俯いた一朗の顔は窓から差し込む人工太陽の光で陰になった。その様子を見てダウランドは言った。


「悪かったね。君が格差を知らないとは思わなかった。」


 少し考えた後ダウランドはまた口を開いた。


「でも、何も1%の人にならなければ死んでしまう訳ではない。この都市ではベーシックインカムがあるから、何もしないで夢をいっぱい見て、面白おかしく暮らしてもいい。」


 一朗は顔を上げた。ダウランドは微笑んだ。


「それは開発者や管理者には出来ない生き方だ。財が多くても、結局貨幣の交換で手に入るものしか手に入らない。この世には交換で手に入らないものはたくさんある。そんなに大したものじゃないよ。開発者というのも。」


 一朗はその言葉を聞いて少し心が軽くなり、表情に明るさが戻った。


「そうですね。」

「最後にもう一つ。グローバリストについてはどう思う?」

「この大地は平坦……つまりフラットアースではなく、球体だという説を信じている人たちのことです(※13)。」

「そうだ。」

「僕は半信半疑ですけど……この大地が球体であってもいいんじゃないかと思います。」

「そうか。でもなぜそう思うんだい?」


 ダウランドは前のめりになって尋ねる。


「原子歴以前の古代文献には人々がこの大地、この空の外部へ旅に出たことを示すものが多いからです。”地球は青かった“という言葉もあります。だから、僕は現代の人々の間で流れている説を疑っているんです。」

「でも、君は本当に地球が球体であることを見たわけじゃない。」

「しかし、古代の文献には地球は丸いと」

「権威ある人々がそういえば、権威ある形式で語られれば、あるいは、誰もがそう語るから、君はそれを自身で何の吟味もしないまま受け入れるのかい?」

「それは……。」

「これはフラットアースを信じている人にも言えることだけどね。今現在を生きている人の内の何%が大地の丸さ、或いは平たさを観測して、自ら証明したのだろうか?殆どの人はその情報を自ら吟味することなく信じている。自分はその情報を無批判に信じながら、無批判に迷妄を信じていたとみなす過去の人々と何も変わらないのに、自らはより賢いと信じている。」

「……。」


 一朗は言葉に詰まった。ダウランドはその様子を見て、申し訳なく思ったようだった。


「すまない。君を責めているわけじゃない。ただ、権威ある形式に飲まれている人が多いということさ……。ありがとう。参考になったよ。やはり若い人たちの間で古代思想への回帰が起こっているのだろう。民主主義者でグローバリストという若者は多いね。」


 一朗はそれを聞いて驚いた。


「そうなんですか?」

「君の周りにはグローバリストはいないのかい?」

「僕は、ずっと1人で夢を造り続けてきたので。」

「……まあ、この地下での実生活に意味はないし、何を信じて生きていくかは自由さ。この社会では他者の自由を侵害しない限り、全てが許されている。」


 その時、ダウランドが白衣の襟に付けていた二羽の鳩のマークのピンバッジが光った。


「はい。」

「たとえ真実がどうであれ……どこの誰が何を信じているかに関わりなく、リヴァイアサンは常にコモンウェルスにとって、この世界にとって、最善の手を打ち、都市を回していくことができる。」


 ダウランドは後ろに振り返りながらそう言った。


「ミーム!ドライバーとドリームキャッチャーを持ってきてくれ。」

「わかったわ。リチャード。」


 間仕切りの向こうから先ほど一朗を呼んだ声がした。


「そういえば、先生もモデル:ミームのアンドロイドを所有しているんですね。デフォルトネームのまま(※14)。」

「ああ。私の妻だ。ちょうど君の年の頃に購入してね。まだまだ話したいことはあるが、取敢えず先に処置をしよう。寝台に仰向けに横になって。」


 一朗はダウランドの対応に少し寂しい気持ちになりながらスニーカーを脱いで寝台に寝転んだ。


「これから君の人工皮膚をはがし、頭を開いて直接コモンセンスとメメックスを見て処置を行います。」

「はい。」


 黒いスーツを着たアンドロイドが黒色の髪をなびかせ、工具箱とドリームキャッチャーを持ってきた。


「ここにおいて置くわよ。」


 ミームはドリームキャッチャーをダウランドに手渡し、工具箱を机に置くと内身が衝撃でがちゃりと音を立てた。


「ありがとう。で、そのためにドリームキャッチャーでいったん君の痛覚をオフにして眠ってもらいます。」


 ダウランドは工具箱からドライバーとはんだご(※15)を取り出して机の上に置いた。


「わかりました。」

「そうだね……。その間に何か見たい夢はあるかな?」

「夢を見れるんですか。」

「うん。どんな夢でも。」

「じゃあ、この夢を見れますか?」


 一朗は自分のドリームキャッチャーの操作画面を起動してダウランドに見せた。


「この夢だね。データを移すからちょっと待ってて。」


 ダウランドは一朗からドリームキャッチャーを受け取り自分の持っている装置を起動した。数秒後ダウランドは言った。


「これでよし。」


 ダウランドはドリームキャッチャーを返すと一朗の顔を覗き込んだ。


「では、一朗君。よい夢を。」


 ダウランドはそう言うとドリームキャッチャーを一朗の顔の前にかざした。そして、赤い閃光が部屋の中に満ちると一朗は深い夢に落ちていった。



 こんな夢を見(※16)。気がつくと、朧月夜、微かな、月明りの(※17)に迷い込んでいた。藪の(※18)を通り抜けて、誰も踏み入ることのない鬱蒼とした森の奥深くの、開けた場所に出た。そこにあった切株には斧が刺さっていて、一朗はそれを使って木を切り倒そうと思った。一朗は斧を手に取った。


 一つ斧を振ると草むらの中から白い兎が飛び出してきた。

 二つ斧を振ると兎は遅刻だ遅刻だと騒いで木の根元の巣穴に潜っていっ(※19)

 三つ斧を振ると黄色い蝶がどこからともなく飛んできた。

 四つ斧を振ると蝶は切株の上に止まった。

 五つ斧を振ると蝶は蟻に捕まえられて巣へ引きずり込まれ(※20)

 六つ斧を振ると鼠が数匹草陰から現れた。

 七つ斧を振ると鼠は木にあけた穴へ帰っていっ(※21)

 八つ斧を振ると蟻の巣穴から蝶が出てきて一朗の肩にとまった。

 九つ斧を振ると蝶は消えていなくなった。


 一朗はそれからあたりの草木が風に揺れる中、一定間隔で響く斧の音を快く感じ始めた。


「……おい。おまえ。たのしそうに木をきっているな。」


 一朗は声を掛けられたように思い手を止めてあたりを見回すが、そこには切り倒された切株と生い茂る木々、霞のかかる月以外のものは何もない。気のせいかと思いもう一度木を切ろうとするとまた、声がする。


「おまえはきのせいかとおもったな。おれはここだ。」


 声がした方に振り向くと直ぐ隣の木の影に赤い瞳が2つ光った。ゆらり、ゆらり、ひどい猫背の輪郭が浮かぶと、長く黒い体毛におおわれた獣の姿が現れた。一朗は驚き、人の思惟を解する化け物が現れたと思った。


「おまえは人の思いがわかるばけ物がでたとおどろいたな。」


 獣は嘲りを含んだ笑みをゆっくりと浮かべた。一朗はこいつは直ぐに殺してしまわなければならない、そうでないと僕は僕の仕事が出来なくなると思った。


「おお、おそろしい、おそろしい。おまえはおれを殺そうとおもったな。」


 心を読まれた一朗は考えを変えてどうにかしてこの獣を生け捕りにして利用できないかと考えた。


「おお、おそろしい。おそろしい。こんどはおれを生けどりにしようとおもっているな。」


 一朗はしばらくどうすればこの化け物を捕まえることができるか、あるいは殺すことができるかと案じたが、獣はことごとくその考えを言い当てた。


 一朗はこの化け物は捉えることも殺すことも出来ないと諦めてしまった。そして、もう一度斧を手に取り、ただただ目の前の木を切り倒すことに専念するとにした。


「ああ、あきらめた、あきらめた。おまえはおれをつかまえることも殺すこともできないとおもったな。」


 そう言って笑う獣をよそに一朗は一心不乱に木に向かって斧を振った。獣は一朗が斧を振り始めてからも「この木はかたいとおもったな」とか「つかれてきたとおもったな」とか笑いながらその様子をじっと見ていた。


 一朗は初めの内こそその存在が気にかかったものの、次第に化け物の声が届かなくなり、獣も発すべき言葉を失っていった。しばらく斧を打ち続けると、月にかかる霞が晴れてきた。そして、風に揺られる木々の騒めきと乾いた斧の音、皮膚の表面を伝う汗の雫、その“身体の感覚”が一朗の意識を埋め尽くした時、斧の頭が柄から抜けて、ぎゃあという悲鳴があがっ(※22)


 降り落ちる月明りの下、一朗が斧を振る手を止め、様子を見に行くと、刃で割られたその獣の面は医師ダウランドの顔をしていた。


 鈍器で何かを殴ったような音、続いてガラスが割れる音が響いた。一郎が音のした方向に目を向けると擦り切れたマント、返り血に染まったくたびれた詰襟の学生服を着て、高い下駄を履いた男の姿があった。男は血よりも赤い、異様に鼻が長い激高した顔の面をつけ、金色の星のエンブレムがついた見すぼらしい学生帽をかぶっていた。窓に手を掛けながらこちらを見る赤い面は怒りの表情で高らかに笑った。


「ハハハ!お前はどんな夢を見たんだ(※23)


 一朗は手に持っていた斧を捨て、椅子から立ち上がり何かを言おうとしたが、足元に横たわった血まみれのダウランドに躓いた。学生帽の星が人工太陽の光を反射して一瞬きらめいたと思うと、真っ黒なマントが翻り、ガラスの破片を踏む音とともに男は窓から外へ飛び出した。


 一朗はダウランドの体をまたいで窓の外を見たがそこには男の姿はなく、その13階の窓からは何の変哲もないWアカデミーの平和な日常と、都市で最も高い山からあたりを眺める人が見えるだけだった。


 一朗はしばらく呆然と外を眺めていたが、ハッと我に帰った。振り返ってダウランドの様子を見るとその脳は真っ二つに割られており、それは今床の上に転がっている一朗が持っていた斧でつけられた傷のように思えた。一朗は自身の状態を確認するが手にはべっとりと血がつき、鼠色のパーカーはどす黒く汚れていた。そこから歩き出そうとするも、目が眩んで地面は頼りなくぐにゃりと歪み、両膝が地に着いた。


「お立ちなさい!」


 間仕切りの陰から声が聞こえてきた。


「いますぐ、これから行って、十字路に立って、身を屈めて、まず、あなたの汚した罪を大地に接吻なさい。」


 一朗はその声を聞いて、焼け付くような焦りに駆られた。


「一体何を……本当に僕は殺したのかどうかもわからないのに!」


 一朗にはまだ目の前の状況を信じることが出来なかった。


「それから全世界に、東西南北に向かってそれぞれ頭を下げ、そしてみんなに聞こえるように大きな声で『わたしは人を殺しました!』と言うんです。」


「そんなこと出来るわけないだろう!……あなたは見たのか!僕がダウランドを殺したところを!」


 一朗は叫んだ。しかし、会話をすることで少し落ち着きを取り戻し、足に力が入るようになった。


「そうしたら神様はあなたにまた生命をさずけてくださるでしょう。」


「何だ……何を言っているんだ?」


 一朗は這いずって間仕切りの向こうを覗いた。そこには椅子に座り、あらぬ方向に向かって叫んでいるミームがいた。


「行くでしょうね?」


 一朗はこのアンドロイドは夢を見ているんだと気づいた。


「行きますね(※24)


 瞳を赤く輝かせながら、そのアンドロイドは夢の一節を叫び続けた。彼女から何かを聞きだせる状態ではないと思った一朗はすがる思いで声をあげた。


「レヴィ!一体何があったんだ!?ここで何が起こった!?」


 しかし、コモンセンスは壊れたままで、リヴァイアサンはその問いかけに応えることはなかった。


「……レヴィ、答えてくれ……。」


 脳漿と電子回路の破片がついた斧、消えた仮面の男、額を割られたダウランドの死体、失われている記憶、床に流れる赤い血、疑惑にまみれた自らの手、真っ赤に充血した死体の目、夢を見るアンドロイド、砕けた窓ガラス。あたりには自らの潔白を保証するものは一つもなかった。立ち上がってもう一度窓から外を見てもやはりそこには先と変わらぬ風景が広がる。


 一朗は困惑と焦燥の中でどうすればいいか、―――ここから逃げるのか、あるいはこの状況でどう説明すれば治安維持管理者を説得できるのか、それとも身に覚えのない罪の罰を受けるのか―――そのような考えが頭を駆け巡ったが、リヴァイアサンの推奨する手がない今、その決断ができなかった。


 すると、コツ、コツ、コツと足音が聞こえてきた。一朗は逡巡し、3つの未来が駆け巡る。ここで逃げなければ、記憶のない自分はバグズアイランドに連行される。一生を棒に振る。夢を失う。コツ、コツ、コツ、と音が近づく。何かを話す声がする。あるいは治安維持管理者に説明をすることができたら―――しかし、記憶もない、記録もない、コモンセンスも喪失している、そんな状況でどうやってそれが出来る―――。コツリ、コツリ、コツリ、音はもう扉の近く。もはや、打つ手がない。僕は自分の知らない罪を背負わなければならない。これからずっと、その無知の(※25)を償い生きていくのか。コツリ、コツリ。音は扉の前で止まる。


 一朗は覚悟を決めた。この都市に張り巡らされたコモンセンスの中で自分に隠れる場所などない、しかし、それは仮面の男も同じ、だから、それがどんなものであってもきっと真実は明らかになる―――。ギギギと軋む音を立てて扉はゆっくりと開いた。


「……電気羊が26匹……電気羊が27匹……電気羊が28(※26)


 開いた扉の向こうには薄い水色の制服を着て、目を赤く輝かせた男性のアンドロイドが立っていた。一朗は拍子抜けして安堵するとともに、不気味さから来る悪寒が込み上げてきた。一朗はその部屋を抜け出した。


 一朗がその部屋を出て人を探すと10階の処置室の一つで白衣を着た男性のドールを見つけた。一朗は何もない机に向かって座っているドールにおずおずと声を掛ける。


「……すいません。」

「一体……どうなっているんだ?」


 そのドールは何かを不審に思っているようだった。


「僕もそれが知りたいんです。」


 ドールはそのまま間仕切りの壁に向かって話しかける。


「堀ユリ子さん、あなたは先ほどもこちらにいらしましたね?」

「堀?あの、すい」

「堀さん、こちらの質問に答えてください。」

「何を言っているんですか?」

「今朝、あなたに組み込まれている人造子宮の内膜炎は処置したは(※27)……。」

「一体何が見えているんですか?」


 一朗の言葉は届かず、ドールは壁に向かって話し続ける。


「この人もだ。寸分違わず同じ言葉を繰り返している…(※28)。」


 一朗はこのドールもまた夢を見ているのだと思った。


「クソッ!身体の自由が効かない!何故だ!私もだ!私も今朝と同じように動いている!ドールの通信も切断出来ない!」


 壁に向かって叫ぶドールを残して一朗は処置室の外に出た。一朗はそれから院内を歩き回った。廊下には夢を見るアンドロイドがさまよい、ドールは自由に動くことが出来ないようで、誰もが何かを叫んでいた。

 一朗はあまりの奇怪さに恐怖を覚えながらも、心中では良識に反する望みが生まれてきた。すなわち、ここにいる誰もが夢遊病者となった今ダウランドを殺した犯人、その真実は―――。


「生きよ…堕ちよ……」


 声が聞こえる。一朗は衣服を盗み病院を抜け出した。


 一朗は病院の最寄のメトロE03(※29)へと歩いた。道行くアンドロイドやドールは夢を見ている様子もなくいつもと何も変わりなかった。一朗はコモンセンスを失ったのに、すれ違い目に入る人物全てが自分を見ているような気がして足早に歩いた。


 そして、しばらく歩くとメトロの駅についた。そのセキュリティゲートを通り抜けようとした時、激しいブザー音とともにアラートが鳴った。


「脳波を認証できません。コモンセンスにバグが発生しています。鉄道員の指示に従ってください。」


 すぐに鉄道員室からアンドロイドが飛び出してきた。


「お客様!」


 アンドロイドが声をかけて近づいてくる。他の乗客の目が集まり、一朗は身がすくんで動くことができない。


「コモンセンスにバグが出ているようです!今すぐ救急医を呼びますから!丙竹さん!アンビュランスだ!」

「い、いえ。大丈夫ですから。」


 一朗は安心感と焦りを感じながら答えた。


「ですが」

「ほら、ここはもうすぐ病院があるじゃないですか。歩いていきます。」

「ああ、そうですね。でも大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫ですから。」


 一朗はすぐさまその場を去り、駅から出ると帰路を急いだ。駅から東へ民群楽(※30)の交差点までの道のりをまっすぐ歩き、そこで南に曲がった。一朗の身体は義体であるはずなのにどんどん重く、苦しくなった。生活排水の流れる川に差し掛かったあたりで、この大地の重力に押し潰されるのではないかと思った。家路を行く道は遠く長く、周囲の景色は何も目に入らないのに、ただ誰かが自身を見つめる眼差しだけを感じていた。


 川を越えると王家の墓を守る壁が道の向こうに見えてきた。一朗が一歩踏み出すたびにその黒灰色の壁は大きくなり、重く心にのしかかった。すぐそばまで来ると目の前に迫る巨大な壁に一朗の心は圧迫され、幾度肺に空気を取り入れても息苦しく、呼吸が空回りした。一朗は道が壁の周囲を巡る堀に突き当たると東に曲がり、逃げるようにメトロの線路に沿って歩いた。そして、一駅分ほど歩くと最寄りのZ07(※31)に着き、そこから一直線の自身のアパートに戻った。


 BK201号室の目の前まで来た時、一朗は脳波認証にエラーが出ている今、扉の鍵を開けることが出来ないということに気が付いた。窓を壊せばセキュリティが駆けつける―――開いている窓があれば―――そう思いながら扉の前に立つと、鍵は何ものかに破壊されていた。一朗は慌てて中を確認した。応接室にはリクライニングソファと今朝のミルク粥の残骸以外のものは何もない。寝室を見るも脱ぎ散らかした衣服がそのままになっており、1つも変わった様子はない。キッチンもシャワールームも同様であった。一朗の部屋にはそもそも盗まれるような価値あるものはなく、荒らされた様子もなかった。


 一朗は緊張が切れるとソファに座り込んだ。誰もいない部屋なのに、自身を見る誰かの目線を感じずにはいられなかった。しばらく座っていると、一朗はいつもとソファの座り心地が違うことに気づいた。すると、ソファの中でもぞもぞと何かが動き、耳元で誰かの息づかいを感じた気がし(※32)


 すぐさま立ち上がって振り返ると、ソファのカバーの端から擦り切れた黒い衣服の端が出ていた。一朗は冷や汗をかいた。ゆっくりとカバーを外すとその中からは擦り切れたマント、古い学生服―――返り血はついていなかった―――、星のエンブレムがついた帽子、真っ黒のブーツ、真っ赤な鼻が長い男の面、錆びた斧が入っていた。


 一体誰がどうやってセキュリティの目をかいくぐって自分の部屋に入れたのか、なぜこれらを残していったのか、さまざまな疑問が湧き上がってきた。しかし、それを考える気力もなく、今日の出来事が頭の中を巡り、強い疲労感と眠気に襲われた。意識が混濁し、視界に映る見慣れたコンクリートの壁が溶けていく中、一朗はメメックスに自分の経験したことではない、見知らぬ記(※33、34)が存在することに気がついた。


 それはドリームキャッチャーを周囲のあらゆる電脳の情報を改ざんする装置へと改造する方法の記憶だった(※35)



脚注:

※1 https://www.ecosia.org/search?q=Shibuya+station

※2 https://www.ecosia.org/search?q=Lyft+Uber

※3 https://www.ecosia.org/search?q=Shinjuku+Ward

※4 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%97%A9%E7%A8%B2%E7%94%B0%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%83%A8%E6%96%B0%E8%A8%AD%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%8B

※5 https://www.ecosia.org/search?q=Redenomination

※6 https://www.ecosia.org/search?q=Meiji+Shrine

※7 https://www.ecosia.org/search?q=Shinjuku+Gyoen+National+Garden

※8 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%96%B0%E5%AE%BF%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%B3%E8%A1%97

※9 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%96%B0%E5%AE%BF%E5%8C%BA%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D1%EF%BC%8D7

※10 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%96%B0%E5%AE%BF%E3%80%80%E7%AE%B1%E6%A0%B9%E5%B1%B1

※11 https://www.ecosia.org/search?q=%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80

※12 https://www.ecosia.org/search?q=We+are+99+percent

※13 https://www.ecosia.org/search?q=Flat+earth

※14 https://www.ecosia.org/search?q=HRP-4C

※15 https://www.ecosia.org/search?q=%E7%99%BE%E5%9D%87%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%82%93%E3%81%A0%E3%81%94%E3%81%A6

※16 https://www.ecosia.org/search?q=Yumejuya

※17 https://www.ecosia.org/search?q=Ambrose+Gwinnett+Bierce+The+Moonlight+Road

※18 https://www.ecosia.org/search?q=Yabu+no+naka

※19 https://www.ecosia.org/search?q=Alice%27s+Adventures+in+Wonderland

※20 https://www.ecosia.org/search?q=Kwaidan

※21 https://www.ecosia.org/search?q=%E9%BC%A0%E7%A9%B4

※22 https://www.ecosia.org/search?q=%E3%82%B5%E3%83%88%E3%83%AA%E3%81%AE%E5%8C%96%E3%81%91%E7%89%A9

※23 https://www.ecosia.org/search?q=%E5%A4%A9%E7%8B%97%E8%A3%81%E3%81%8D

※24 https://www.ecosia.org/search?q=Crime+and+Punishment

※25 https://www.ecosia.org/search?q=Socrates

※26 https://www.ecosia.org/search?q=Do+Androids+Dream+of+Electric+Sheep%3F

※27 https://www.ecosia.org/search?q=%E5%B0%91%E5%A5%B3%E5%9C%B0%E7%8D%84

※28 https://www.ecosia.org/search?q=%E6%81%8B%E3%81%AF%E3%83%87%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%83%96

※29 https://www.ecosia.org/search?q=Wakamatsu-Kawada+Station

※30 https://www.ecosia.org/search?q=%E7%A5%9E%E6%A5%BD%E5%9D%82%E4%B8%8A

※31 https://www.ecosia.org/search?q=Jimbocho+station

※32 https://www.ecosia.org/search?q=Human+chair+Edogawa+Ranpo

※33 https://www.ecosia.org/search?q=Contradiction

※34 https://www.ecosia.org/search?q=%E8%A6%8B%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AC%E3%80%81%E5%A4%A9%E4%BA%95

※35 https://www.ecosia.org/search?q=%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A6%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%95

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。加えて、このなかで語られた言葉はいかなる真実をもふくみません。

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