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第二話 アルビノの少女 前編


五日後……


ニルナマン帝国

首都ウネサ


この商隊の目的地であるこの都市は、帝国と呼ばれる国の首都にふさわしい巨大さであった。その大きさは、帝居を中心に城壁で囲まれている所だけで、5平方キロメートル程もあった。

 

 2日前に、商隊この街に着いた時は人通りが少ない日中であるにも関わらず、馬車をアレクセーエフの店の前まで通すのに一苦労したぐらいだ。


 そして、その後の2日間はせっかく遠くまで来たという事で、巨大な闘技場や帝立図書館、果てには信者を装って教会までウネサの街を観光して回っていた。


 ウネサに着いてから今日で三日な訳だが、以前アレクセーエフが話していた冒険者向けの奴隷商館の紹介状が、昨晩わざわざ使いを送って届けてくれたので今日はそこへ向かって見るつもりだ。別に、紹介状が無くても行けないことは無いのだが紹介状があると、普通よりも良い条件の奴隷を売ってくれたりなど上客扱いしてくれるらしい。





 紹介状に有った地図を頼りになれない道をしばらく歩いていくと、石造りの立派な建物が見えてきた。ここが奴隷商館だろう。

 

 中に入ると丁度車のディーラーのような構造になっていて、店の目玉商品なんだろうか『大特価!金貨一枚!』とか『新入荷!金貨二枚!』など書いてあるプレートを架けた奴隷が所々に立っていた。その隣では、冒険者らしき男が店員と椅子に座って、奴隷の品定めをしていた。



 「いらっしゃい、お客さん。お目に叶った奴隷はいましたかね」


 初老で眼鏡をかけている男性の店員が、話しかけてきた。


 「あいえ、未だ。えっとこれを……。」


 招待状を渡すと、店員は少し驚いた様子を見せた後、


 「おお、これはアレクセーエフ様からの……。承知しました、ご案内しますのでついて来てください。」


 店員に着いて行くと、階段を上り三階の個室に通される。


 「暫く此処でお待ちください。今、店長をお呼びしますので。」


 俺がうなずくと、店員は部屋から出て行った。改めて、室内を見渡すと何やら美術品が飾ってあり、中々豪華な作りだった。



 「店長をお連れして来ました。それでは、私は失礼します。」


 先程の店員が戻ってき、30代程のしゃれた格好をした男を連れて来た。


 「店長のウラジミール・トロヤノフスキーだ。アレクセーエフの紹介と聞いてな。せっかくだ、実際に奴隷は見た方が分かりやすいだろう。ついて来てくれ。」


 彼の後について高級奴隷を扱う二階へと降りていく。上級冒険者などの高級取りをターゲットにして作られたのだろう、二階は一階と大分違い違い高級感溢れる作りになっていた。


 廊下を突き当りまで行くと、扉があり入ると少し大きめの三十畳程の部屋があった。中には、五人程の綺麗な女奴隷が並んでいた。


 「とりあえず内で扱っている一押しの奴隷はこの辺りかな。お値段は大体金貨五ぐらいかな。」


 「エレーナです。」

 「マリアです。」

 「エカテリーナです。」

 「オルガです。」

 「イリーナです。」

 「エマ……です。」


 「どの͡娘も、冒険者向けに最低限の戦闘訓練を積んでいる。旅の役に立つと思うよ。特にエレーナやエカテリーナは高魔力持ちだからおすすめだね。後は……そうだねマリアとオルガは四則演算が出来ることかな。」


 「あとの二人は?」


 「そうだね~。イリーナは獣人だからアタッカーとしての素質があるだろうね。でも君は、聞く所によると随分と剣の腕があるそうじゃないか。そういう意味では、余りどうかとは思うけどね。後は、エマだが……」


 「何か問題でもあるのか?」


 「ああ、そう言えば君は外国の出だっけ。実はこの国にはちょっとした伝説みたいな物が有ってね。魔王伝説を知っているかい?」


 それなら子供のころ、散々教会で聞いた気がする。確か、六〇〇年ほど前に北の方で魔王が生まれて、人々を恐怖に陥れたって話だった気がするが。


 「それでなのだが、その魔王軍の幹部の一人がアルビノの人族だったという言い伝えが有ってねえ……。」


 エマと呼ばれていた奴隷を見ると、確かに綺麗な純白の髪をしていた。しかし、目を合わせると顔を背けて俯いてしまう。


 「と言う訳で余りおすすめはしないが、一応魔法も使えるし、計算もできる。」


 私自身も差別されて、ダンジョンに閉じ込められた経験が有るため、他人事には思えずエマの事が気になっていた。


 「気になるんだったら、他の奴隷の金貨五枚よりも安い値段で、金貨三枚でどうだ?」



 熟考の末。結局俺は、金貨三枚でアルビノのエマを買うことにした。




もしよろしければ下の星をぽっちと押すだけですので、


何卒、感想や評価・ブックマークをおねがします。m(__)m



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