序章エピローグ 外の世界
今回、序章エピローグなのでかなり短めです。
おそらく誰にも踏まれたことが無いのであろう、鏡面磨きされた純白の大理石の階段を下り終えると其処にはダンジョンの最深部。第68層である。
そこは、飾り気のないつるつるの大理石で覆われた四角い部屋であった。そして部屋の中央には銀色に光る台座の上に、細長く所々を金泊で彩られ、バロック調の彫刻がなされた黒曜石の宝箱が置いてあった。
ダンジョン最深部の宝箱、一体どんな素晴らしいものが入っているのだろう。
罠を警戒しながら近づき、期待を膨らませながらそっと触ってみると鍵が掛かっておらずすっと蓋が開く。
みると中には、薄紫色に輝く金属でできた魔法の杖があった。
これだけの巨大で高難易度のダンジョンの最深部に、わざわざ一階層使って置いてあったのだ。さぞかし素晴らしい魔法の杖なのだろうが……。
俺は、魔力を持っていない。
だから、街を追放されて此処にいるのだ。当然だが、魔力を持っていなければ魔法を使うことはできないし、それを補助する魔法の杖を使うこともできない。
「……。」
なんだ?俺に嫌がらせをしているのか?このダンジョンは。
俺は半ばむきになりながら、宝箱から杖を強く取り出し使えるはずのない魔法の呪文を唱える。
『ファイヤーボール』
杖から放たれた魔力が空中で球形に展開され、前方に向かって勢いよく射出される。次の瞬間、杖の制御から解放された魔力は、大量の熱を生んで深紅に輝きながら壁に激突しそのエネルギーを解放させる。
あまりにも一瞬の出来事に、俺は口を開けたまま突っ立っていた。持っている魔法の杖を二度見する。この感情は、この世界にきて初めて魔法を見た時の様だった。この魔法の杖は一般魔法使いからしたら唯の強い魔法の杖だろう。
だが魔力の無い俺にはまさにチートアイテムといっても過言ではないものであった。このダンジョンで必死に戦った数年間は無駄じゃなかった。
俺は杖を強く抱きしめた。
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杖を戦利品を包むための天然スポンジで丁寧に包み、手作りのリュックサックの中にそっと入れると、立ち上がり、入り口の向側にある階段に向かい一歩一歩かみしめるように登っていく。最後まで登るとそこにはありそれは、入り口のものよりも少し重く感じた。最後に一度だけ振替り、長い間自分がいたダンジョンに別れを告げる。
扉を開け、俺はついにダンジョンから脱出した。
久々に浴びた日の光は、とても眩しかった。
今回前書きにも書いたとおり、序章エピローグなのでかなり短めです。
次回から本格的に冒険が始まり、今作品のヒロインなども出そろってくる予定です!
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