閑話 お買い物
更新遅くなりましたああああ。待っていた方には(もしいれば……いるかな?)申し訳ないです。
数時間後、
帝都ウネサ
東方地区繁華街
ラムシャーロと一旦別れを告げクリスタと共に宿を去った俺たちは、帝都ウネサの中で最も多く商業施設が立ち並ぶ東方地区にやって来ていた。
「行けば何でも手に入る」とまで言われている東方地区は、ある意味ニルナマン帝国の物流の中心である。その為、普段はお目にかかる事も出来ないレア素材などが取引されていたりもするのだ。これは、冒険者の装備を整える最高の環境であるとも言える。
という事で、今後クリスタを冒険に連れて行けるように、彼女用の装備一式を買いがてら、自分用の装備を新調する事を俺は目論んでいた。
「えーっと、『アーク鍛冶屋』ここか。」
帝都でも名高い鍛冶屋であるこの店は、主にエンチャント合金と呼ばれる魔力を含んだ強力な金属を扱っていて。資金に余力がある冒険者達にとても人気の様だ。
「いらっしゃい。」
店の中に入ると、今まで入った事のある武器屋と大分雰囲気が異なっていた。普通、大体の鍛冶屋では店に入って目に入る物と言えば、大体オレンジ色の銅やピカピカに光を反射する美しく磨かれた鉄製品である。ところが、この鍛冶屋では飾ってある物の殆どが、何らかのオーラを纏っており薄く輝いていた。初めて見る光景に心浮かれ、少しばかり突っ立っていると、
ベレー帽の様な帽子を被り、髪を隠したクリスタが
「ご主人様。」
と軽く上着の袖を引っ張て来、店員の方を指さした。
「お客さん随分といい奴隷を持っているじゃないか。所で、何をお探しで?」
どうやら、しっかりと髪は隠れているようだった。その事に少し安堵した安堵した俺は、本来の目的であるクリスタ用の装備について店員に話を聞いていった。
「自分は冒険者なので、戦闘に巻き込まれたとき、この子が自衛出来るような武器が欲しいんだが。」
「成程。そうすると、魔法使いが近接戦闘用に使うこの短剣なんかどうだい?」
ほのかに紫色に輝く、薄灰色の刃渡り三十センチ程の短剣を差し出される。
「これは、四分一合金って言って、銅と銀三対一で混ぜて作った合金だ。親魔性の高い銀が相当量入っているからエンチャントのノリが良いんだ。これなら、軽いから初めて剣を持つって奴でもある程度使えるだろう。」
手に取ってみると、一般的な銅製の短剣に比べて四割程軽かった。大体、二〇〇~三〇〇グラム程度だ。
「どうだ?これ位なら使いやすそうだが。」
クリスタに渡して持たせてみる。しかし初めて武器を触ったからだろうか、本人は今一つその軽さにピント来ていないようで首を傾げていた。
「ま、嬢ちゃんにはよく分らんか。それで銀貨8枚だがどうす「ヒエッ!」
値をきいたクリスタが、驚いたのか持っていた短剣を落としてしまう。さらに、落とした事に動揺したのかワナワナしている。
「あわあわわ。ご、ごめんなさい。」
「どうした。いい値段だがそこまで動揺するような……。」
「それは、ご主人様の金銭感覚がおかしいんです!大体、銀貨八枚って私の買値より高いじゃないですか。そんな高いもの持てません。」
確かに、冒険者というのはリスクが高い代わりに、結構な収入を得られる。その為、金銭感覚が少し違うかもしれない。
でも、流石にそんなに言われる程では、と思い店員の方を見る。しかし、苦笑するだけでフォローしてくれない。いや、最初に進めたのはお前だろ!と思いながら、仕方なく短剣を店員に返した。
「じゃあ、もう少しお手頃な物を」
そう俺が言うと、別の商品棚から銀色の短剣を持ってくる。
「これなら、銀貨二枚半でどうだ。若干重いが、価格は大分安いぞ。切れ味も遜色ない。」
クリスタの方を見ると渋々ながら、頷いてくれる。
「分かった。これで。」
銀貨二枚と青銅貨五十枚を払い短剣受け取って店を出る。その間もクリスタは、なんだか落ち着かない様子だった。
クリスタと普通?に買い物が出来るように成るには、しばらく時間がかかりそうだ。
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