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もし一つだけ 今度こそはと言って許されるなら

作者: 朝焼 悠

これまで費やしてきた時間や情熱

全てが無駄だと思った

間違いだった 後悔していると

そう言い聞かせてきた


じゃないと 立っていられなかったから

じゃないと 息をするのさえ苦しかったから

じゃないと こうしてまで進んできた道を引き返してしまいそうだったから

だから僕は必死で

否定して 罵って 砕き続けたんだ


でもそうやって沢山の人に迷惑をかけて 支えられて

どうにか勇気を振り絞って踏み出した一歩先でも

こうして優しい人たちに声をかけてもらえて

不安定ながらもどうにか立ち上がれた今

やっぱりあの日々を無駄だったのまま終わらせたくないなんて

青臭い理想を描き始めている


僕は今 自らが砕いてきた

あの日々の欠片をかき集めて

継ぎ接ぎだらけになった夢を

もう一度掲げている


僕の全てを奪って壊していった あの夢を再び掲げている


今度こそは なんて甘い考えは

ほとんど持っていないよ

第一 僕は何も変われていないんだから

今度こそは なんて思える根拠が無い


僕はずっと独りで

あの頃も今も 上手く人と馴染めなくて

だからあれだけ力に支えになりたいと言っていた人たちへの手の伸ばし方も分からなければ

きっと気付かない内に

差し伸べられてきた手も振り払ってしまっていたんだって

今更 分かったんだ


だから僕は相も変わらず

自分の想いを晒け出す事しか

押し付ける事しか

伝える術を知らないけれど

もし一つだけ今度こそはと言って許されるなら

今度こそは

自分の過去を頭ごなしに否定しない

あなたの優しさを否定しない


きっとそんな優しい世界はなくて

そんな上手く行く事ばかりじゃないくて

きっとこれからも嫌になるくらい

折れて 傷付いて 後悔して 泣いて 恨んで 淋しがって

それでも今度こそは

僕から一歩 歩み寄っていきたい


僕は今 自らが砕いてきた

あの日々の欠片をかき集めて

継ぎ接ぎだらけになった夢を

もう一度掲げている


僕が全てをかけて 望んで挑んで求め続けた あの夢を再び掲げている

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