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国盗り狂騒曲~下剋上☆戦国浪漫譚~  作者: 由木 ひろ
風林火山編
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第四十九死合い 風龍寺紅丸ー3

 ベニマルは神降ろしの儀式を受ける前にレンジや幸村が行った様に、短冊を使って儀式を受ける資格があるかを調べた。

 結果は何も問題はなかった。忍としての鍛錬により、通常の人を遥かに超える心・技・体を身に着けていたからだ。


 祭壇の前に跪くベニマル。その横に立ってミコトが神降ろしの儀式を始める。

 暫くするとミコトの上に集まった光の塊がミコトを通してベニマルに流れ込む。

 ミコトは儀式を終えて、その場に倒れ込む。

 ベニマルは心配して、


「大丈夫でっか?」


「ええ、何時もの事だから・・・・・・」



 レンジも、


「俺の時と同じだから、心配ないさ!

 それよりベニマル、どうだ?」


「どうって言われても、何も変わってませんがな!」


「まっ、そうだろうな。俺の時と同じだろうからな・・・・・・」



 レンジは頼まれもせずに、ミコトが行うはずの説明を代わりにベニマルに行った。


「よし、ベニマル! 手を翳して見ろ。

 そして『顕現せよ!』って言ってみ!!」


「はあ! いつもレンジはんがギンを呼び出してる要領ですね!!」


「そうだ!!」



 ベニマルは片手を突き出し、掌を開いて力を込めて、


「顕現せよ!!」



 すると、声と同時に煙と共にベニマルの使役獣が現れた。

 現れた何かはすぐにその場で穴を掘って地面に隠れた。

 穴からは突き出た鼻がひくひくしていた。


 おばばは穴を覗き込んで、


「モグラじゃな!!」



 ベニマルは驚いた様に、


「モグラかいな!!

 わいもレンジはんみたいに、モフモフなのがよかったんやけどなー!!」



 レンジは、


「別にいいじゃねーか! ギンと揃って店のマスコットに成れるって!!

 よく見りゃ、可愛いじゃねーか!!」


「そ、そうでっか? わいにはちーとも可愛くみえへんですがねー・・・・・・」



 ベニマルの言葉が気に障ったのか、モグラは穴の中に姿を消した。

 レンジは穴を覗き込んで、


「おーーーーい! 出てこーーーい!!

 ご主人様を置いてどこ行くんだよ、まったく!!」


「あー、えーですて、ホンマ!・・・・・・」


「ちゃんと名前付けてやれよ!」


「はあ! 後でちゃんと考えますわ!!」



 続いて能力を調べる為に札を指に挟んで力を送るベニマル。

 札はみるみる濡れて行き、ふにゃふにゃになった。


「何でっか、これ?」



 おばばは、


「お前は【水の者】じゃな!!」


「【水の者】でっか? レンジはんとちごうて微妙でんな・・・・・・」


「いや、ベニマル! すげーぞお前!!

 これで井戸から水を汲んでこなくても良くなるじゃん!

 めっちゃ便利だぞ!!」


「そ、そうなんでっか? レンジはんが言うならそうなんやろな・・・・・・

 あははははは・・・・・・はーあ」


「そうだとも!!

 これで食事を作る際、俺の【火の者】の力と、お前の【水の者】の力が合わされば正に無敵!

 これから食事が楽になるぞー!!」


「・・・・・・」



 ベニマルへの儀式と能力確認が済んだ時、じっと様子を見ていたカレンがベニマルの服を引っ張り、


「カレンもやりたいでつ!! カレンも!!」



 駄々をこねるカレンに困ったベニマルはレンジを見つめる。

 レンジは、


「カレンにはまだ無理だろ! どうせ無理だろうから資格があるかどうかだけ調べて見たら?

 資格があるなら俺が金出してやるぜ!!」


「ホントでつね! 資格があったら私にも力を貰えるんでつね!! 約束でつ」


「あーいいとも、約束してやろうじゃねーの!!」



 子供には無理と高を括るレンジはカレンと約束してしまった。

 しかしカレンは難なく資格をパスしてしまった。


「えーーーーーーーーー!!

 マジかよ!!」


「約束でつ! カレンも力を貰うでつ!」


「うそーーーーーん!!」



 レンジはカレンの為に金貨五枚の追加出費をする羽目になってしまった。

 合わせて金貨十枚。かなりの痛手である。

 肩を落とすレンジとは対照的に、嬉しそうなカレンであった・・・・・・











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