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国盗り狂騒曲~下剋上☆戦国浪漫譚~  作者: 由木 ひろ
風林火山編
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第四死合い 見知らぬ天井

(ブン、ブ~ン)


 外から聞こえる物音に、レンジは目を覚ます。

 外を確認する為に、戸を少し開けて、外を見渡すと、夜が明けきらぬ薄明かりの中、幸村が槍を手に鍛錬に励んでいた。

 レンジはそっと戸を閉め布団に戻り天井を見つめていた。


(どこだよ、ここ!)


 昨日起きた事を思い出しながら、


(もしかして俺、時代劇の中にいるのか?)


 そんな事を考えながら寝がえりを打つと、ズボンの中の物が足に当たる。

 なんだろうと思い取り出すと、スマホだった。


 電源を入れ、じいちゃんに電話してみる。

 繋がらない。圏外だった。

 メールをクラスの友人に送ってみるがダメだった。


(そりゃそうだよな、この時代で繋がるわけないよな・・・・・・

 じいちゃんやチエミ、突然俺がいなくなって心配してるだろうな!)


 スマホを弄りながら中に保存してあった写真を見て時間をつぶしていた。

 クラスの友人とふざけて撮った写真などがあり、思い出しては笑いをこらえていた。

 スマホを弄る手が止まる、そこには笑顔のチエミとじいちゃんと、ふてくされているレンジが揃って写っていた。

 それはチエミが通う事に成る小学校の入学式の日に、校門の前で取られた一枚だった。

 写真を見つめ、当時を思い出す・・・・・・





 レンジとチエミが共に入学式を迎えた日の朝の事・・・・・・


「お兄ちゃん、早くしないとおいてくよ~」


「待てって! そんなに慌てなくても学校は逃げたりしないって~の!」


 嬉しそうにレンジの前を行くチエミ。


「ホントに行かなくていいんじゃな?」


「いいって、じいちゃんはチエミに付いててやってくれよ!」


「うむ。じゃーな」


「ああ!」


 道を歩く三人は分かれ道で、それぞれ二人と一人に別れ、チエミとじいちゃんは小学校へ。レンジは高校へと向かった。


 高校の正門に近づくにつれ、周囲には入学式の為に着飾った保護者と生徒の姿が目に留まる。


「ほら、ちゃんと襟のホック止めなさい!」


「いいって、自分で出来るよ~。母ちゃんやめろって! はずいから!」


 入学式を迎える生徒とその母親の会話が耳に入ってくる。


(誰に見せるでもない・・・

 誰に祝ってもらうわけでもない・・・)


 レンジは高校の正門を前に足取りが重くなり、ついにはその歩みを止めた。

 その場で振り返り、走り出していた。



「え~、本日はお日柄も良く、最高の入学式を迎える事が出来た事を・・・・・・」


 チエミの入学式が始まっていた。


 小学校の体育館で行われていた入学式は後ろに保護者が並び、生徒は椅子に座り校長の話に耳を傾けていた。


(あ~いたいた!)


 レンジはじいちゃんを見つけると肩をポンと叩いた。


「なんじゃレンジ? 忘れ物か? 入学式はどうした?」


「ああ、俺の入学式はいいんだ!」


「なにがいいんだ?」


「だって、チエミもじいちゃん一人より俺もいた方が嬉しいだろ!」


「やれやれ! お前って奴は!!」


 二人のやり取りの最中も入学式は進んで行く。生徒代表の挨拶が始まる。

 チエミは退屈を覚えたのか後ろを振り返り、じいちゃんの姿を探す。

 キョロキョロとじいちゃんの姿を探していると、


(あっ、お兄ちゃんだ!!)


 レンジとじいちゃんの姿を見つけたチエミは嬉しそうに二人に手を振ってくる。

 レンジもその姿に気付き手を振り返す。

 じいちゃんは、


(前を向け、チエミ)


 手を使い、必死にチエミに前を向かせようとしていた。


 程なくして式が終わり、チエミは二人の元に駆け寄ってくる。


「なんでお兄ちゃんがいるの?」


「ん!! 俺の入学式があまりにも退屈すぎたんでこっちに遊びに来たんだ!」


「へ~!! そうなんだ。さぼりだ~、不良だ~」


「さぼりじゃね~・・・・・・」


「でも、お兄ちゃんありがと!!」


 チエミの言葉に照れながらチエミの頭を撫でてやるレンジ。


 式が終わり、チエミを中心に手をつないで校門を出るじいちゃんとレンジ。


「せっかくじゃから、入学式の記念に校門を背景に一枚どうじゃ?」


 じいちゃんの申し出に、ポケットからスマホを取り出し記念撮影を始めるレンジ。


「お前が入らんでどうするんじゃ!!」


 じいちゃんの言葉で、周りを見渡すと幼稚園からのチエミの友達と、その子の母親を見つけたので母親にスマホを渡し、撮影をお願いした。

 チエミを前にしてじいちゃんとレンジが並んだ。


「お兄ちゃん、もっと近寄って」


 母親の言葉にレンジは、


(じじいとひっつくの気持ちわりーつーの!)


 ふてくされながらじいちゃんとくっつくレンジ。


「はい! 笑顔で~、もっともっと、笑って~」


(カシャ!!)


【その写真には、満面の笑みを浮かべるチエミと、優しく微笑むじいちゃん、そして照れくさそうにはにかむレンジの姿が写っていた】





 スマホの写真を見つめていたレンジの横顔に朝日が差し込んできた。


(朝か!!)


 スマホをポケットにしまい込んで立ち上がり背伸びをするレンジであった・・・・・・


































書く事に集中しておりますので読み返しを行っておりません。

誤字脱字が多発するかもしれませんがご容赦ください。

もう少し時間があればいいのだけれど・・・・・・

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