表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国盗り狂騒曲~下剋上☆戦国浪漫譚~  作者: 由木 ひろ
風林火山編
16/54

第十六死合い 武田信玄ー1

二人は部屋の前を守るサムライに三度みたび説明をして、信玄のいる部屋に通された。

部屋の中に進むと、そこは巨大な大広間だった。

広間を奥に進むと、そこには一段高い所に信玄と思われる男。その右側には、家臣と思われる男がいた。

レンジは奥に進む途中、


「クックック!! プププ!」


笑いをこらえているレンジに幸村は、


「なんだレンジ! どうした? 失礼だろ!!」


「あー、わり~・・・ つい!」




レンジが笑いをこらえている理由はこうだ。


レンジは元の世界で学校の歴史の授業において、教科書の武田信玄の肖像画に勝手にマジックで落書きをして、目にはサングラス、頬にはヤクザちっくな切り傷を書き込み、吹き出しを付けて(借りた金、キッチリ返さんかいわれ! いてまうど~)と、書き込んでいた。


つまり、レンジにとって武田信玄とはガラの悪い借金取りだったのだ!!



因みにレンジの中学校卒業時の成績表は以下の通りである。



国語----2

社会---ー1

数学ーーーー2

理科ーーーー5

音楽ーーーー2

美術ーーーー4

保険・体育ー5

技術・家庭ー5

英語ーーーー1


*先生から一言・・・・・・場をわきまえましょう!!



幸村は足音をたてずに信玄の前に進み出る、レンジもそれに続く。

幸村は信玄の前で胡坐あぐらをかいて座り、頭を下げて信玄の言葉を待った。

レンジもそれに倣った。

いつまでたっても声が掛からないので、堪り兼ねてレンジは顔を上げる。

そこには達磨大師よろしく、胡坐をかいて腕組みをした虎ひげの大男が瞳を閉じて座っていた。

顔や腕には無数の傷跡があり、多くの戦場を経験した事を物語っていた。


レンジは目の前の偉人を見て、

(やっぱすげー迫力! 流石に教科書に載るだけあるわ!!

でも寝てるのか? いや、何か深い戦略などをねっているに違いない!)


そんな事を考え信玄をまじまじ見ていると。


(カクン!!)


信玄は小さく首を動かしよだれを拭く仕草をして目を開け、


「いかん。寝ておったわ!!」


レンジは、

(やっぱ、寝てたんかーーーーーーい!!)


突っ込みたい衝動に駆られたが、耐えた。


目を覚ました信玄は目の前にいる二人に気付き、


「誰じゃ!!」


その言葉に幸村は顔を上げ、


「昌幸が子、幸村にございます!」


「おお!! 幸村か。よー来た。待っておったぞ!!」


「はっ!!」


「所で、幸村の隣におるのは誰じゃ? 新しい家来か?」


信玄の言葉にレンジは、


「家来じゃねーっす。この前会ったじゃないですか!!

その時、幸村と一緒にここにこいって言われたんで来たんですけど・・・」


その言葉に信玄は、


「そーじゃったな!! 名前は確か・・・・・・はちべい!」


(一文字もあってねーじゃねーか!! なんだこのおっさん! ボケてんのか?)


そんな事を思いながらレンジは、


「レンジです! 赤城蓮二と言います!」


その答えに信玄は頭を手でペシペシしながら、


「そーじゃった、そーじゃった!! レンジだったわい!!

ワッハッハ!!」


豪快に笑った。



その後信玄は真面目な顔で、


「幸村! そなたも、もう元服じゃ。

これからは武田軍団の一員として立派に働いてもらわねばならぬ!

そこでじゃ!!

これから一人でも戦場で生き残れる様に、槍か刀の修業を、師に付いて学んでこい!」


「はっ! 仰せのままに」


「して、どちらを選ぶ?」


「私は槍を習いとう御座います!!」


「やはり真田の者よ!! 励めよ!」


「レンジ! お前も幸村に付きしたがって励むが良い!!」


「あの・・・俺、槍とか扱った事ないんで・・・・・・

子供の頃から剣道やっているので刀の方が・・・・・・」


「そうか!! ならばそうせよ!!

勘助かんすけ、直ぐに手筈を整えよ!!」


信玄は顔を傍に控えていた家来に向け言い放ったのだった・・・・・・









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ