莉子がシンデレラ
鏡月邸
「今夜のドレスです」
思いっきり背中が開いている。おふくろ連れてきててよかった。
「さ、司君も着替えて‼」
「莉子さん、顔のメイクもやっちゃいましょう!」おふくろやる気だ。
俺は本当に服を変えるだけで終わるからすぐだけど、莉子はそんな簡単じゃなかった。
「元がいいからメイクし甲斐がある~♪」おふくろ楽しそうだ。
でも、おふくろが莉子にメイクしたら莉子はいつもと違う風に変わる。
「ドレスの色が青系だから~♪」楽しいんだな…。
そう言いながらだけど、的確にメイクをしていく。
「よしっと。じゃあ、莉子さんも着替えて?あとは背中の確認とあと全体のメイクのバランス見るから」
――美魔女になって変わったな
着替えてきた莉子を見て、また見惚れてしまった。エスコートしなきゃなのに‼
「ほら、司君‼こんなに莉子さんにキスマークつけて」
「はい、反省しております」
「えーと、ファンデーションは…」
「あ、私の使いますか?」
「その方が肌色がなじむかな?」
――美魔女おそるべし
「あとはコンシーラーで消してっと。こんなに苦労してるの、司君のせいなんだからね‼」
「はい、反省してます」
「髪型なんだけど、思い切ってアップにしようか?」
「できますか?」
「任せて‼」
「完成ー‼」
「司君も見て?」
髪から靴まで全部キラキラしてる。
「すごいな。莉子はいつもよりきれいだし。俺、虫よけになるかな?おふくろは新たな道が拓けた感じか?」
髪にラメのスプレーしてるのか?きらきらしてる。ストッキングはプレーンな感じじゃなくて、模様が入ってるのがスリットから見えて色っぽい。ドレスは背中がガバーっと開いてるし、ここまではセクシー路線だよな?
でも、メイクはパッチリ二重の大きな目で寒色が基調のアイシャドウ。ミスると目が腫れてるように見える。唇はプルップルにしている。イチゴとかそういう系のピンク。俺は好きだ。ああ、このままうちにお持ち帰りたい!
「では行きましょうか、お嬢様」言いながら、内心は持ち帰りたい。




