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タイム銭湯~タイムマシン  作者: satomi


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23/30

家族が盗み聞き

ん?早朝トレーニング。珍しいな親父が起こしに来ないとか。

「おはよう、司!昨日から今朝までお楽しみご苦労。労って起こしに行かなかったんだが…」

 親父がソロでICレコーダーに録音したという話だ。

「その録音、消去しろ!クソ親父ー‼」

「どこにそのICレコーダーあるんだよ?」

「おはようございます。師匠‼司。」

「ちょっといいか?莉子、親父が昨日の夜から今朝まで部屋の中をICレコーダーで録音していたって話だ」

 莉子赤面。

「そこで、俺は思うんだがICレコーダーはまだあの部屋にあるんじゃないかと」

「私はそれを探せばいいの?」

「話が早い。ところで、体は大丈夫か?俺、調子に乗ってたから…」

「大丈夫よ。それより、そのICレコーダーを探す!」

「頼んだ」


 ええと、部屋中の音を録音できて隠せそうなところ…。結構ある。っていうかこの作業、司の部屋を探しまくるのと同義だってわかってるのかなぁ?

 音を正確に取るには…遮蔽物がないほうがいいわね。私なら、そうね。本棚の上とかかしら?BINGO!

 すぐ見つかった。自分でちょっと聞いてみた。うわっこれ、恥ずかしい。


 司のところに戻った。

「あった」

「それで?」

「私のカバンの中に確保しておいた」

「まぁ、大丈夫だろう。トレーニング後速攻で音消そう!」

「好奇心で私もちょっと音聞いてみた。…めっちゃ恥ずかしかったんだけど。私あんなのだったの?」

「そうだよ。可愛かったよ」莉子赤面。

「と…とにかく、あれは消去しなきゃ!」

「学校であれが公開されたらもう泣きそう‼」

――そこまで言うか。俺泣きそう…。


 莉子のカバンの中にICレコーダーはあった。

「消去するデータ選ぶから、俺は聞くぞ。何より昨日は莉子可愛かったし♪」

 司は聞いてみた。国会中継?

「甘いな、若造。すでにICレコーダーはマナが持っている」

 親父…。

「ではマナさんに交渉してみます」

「おはようございます、マナさん。あの、ICレコーダーを渡してください」

「ゴメーン、ルリが今は持ってる」

「おはようございます、ルリさん。ICレコーダーを渡してください」

「もう用ないしいいよー」とアッサリ戻ってきた。

 そもそもICレコーダー、あの3人が盗み聞く代わりだったから役目は果たしたってことか?ってことは…録音した音を聞きました。ということだな?


「莉子…ICレコーダーの音、あの3人には聞かれてる…」莉子赤面。まぁ、自分の声が恥ずかしいというくらいだからなぁ。

「うちの中だけで済んでOKと思えばいいんでないか?」とフォローしてみたが、

「よくない‼」と言われてしまった。でも、莉子の声なんだけどなぁ。俺にはあの声好きなんだけど。って言ったら怒られるだろうな。


「なぁ、莉子。本当に体は大丈夫か?俺は体力あるからって調子に乗って、喜びをぶつけ過ぎた。もっとセーブすればよかったな」

「大丈夫。私だって体力あるんだから!…セーブとか言わないでよ」莉子赤面。

「俺、幸せ。早く大学卒業したいなぁ」


 翌週も莉子は道場に来た。莉子の足は完治した。俺は一安心。

「マナー!今日の夕飯も作り過ぎてるよな?」

「あ、そうなのよ!」

「というわけで、莉子さんお泊り決定ー!」

――親父楽しそうだな…

 俺と莉子も新婚みたいなもんだから嬉しいんだけど。まずは…俺の部屋を確認しICレコーダーを探すことから始めないとなー。

「莉子ー。非常識な家族でゴメン!録音とか盗み聞きとかさ」

「それで司を嫌いになったりしないから、大丈夫よ」

 ふっ、甘いな。息子よ。すでにICレコーダーで聞こえている…。いや今度は無線を作った。ルリ作だ!ルリは理系だからなぁ。こういうの得意な。小型の集音器を枕元にセットさせてもらってるぞ。


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― 新着の感想 ―
親父さんだけかと思ったら、家族総出で司君と莉子さんをオモチャにしてる感じ。莉子さんが寛容と言うか寛大だから良いけど、家族間とはいえICレコーダーや集音器を使ってプライバシーの侵害は罪になるレベルだよね…
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